じじぃの「科学・芸術_727_世界の文書・アポロ11号飛行計画書」

Apollo 11 moon mission animated 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=8VvfTY-tVzI
Detail of Apollo 11 Flight Plan


Apollo 11 Flight Plan Re-Issue Kickstarter
The flight plan was a minute-by-minute time line of activities for the Apollo 11 mission crew. We are reproducing this plan..perfectly.
https://www.kickstarter.com/projects/apollo11/apollo-11-flight-plan-re-issue?lang=ja
『図説 世界を変えた100の文書(ドキュメント):易経からウィキリークスまで』 スコット・クリスチャンソン/著、松田和也/訳 創元社 2018年発行
アポロ11号飛行計画書 (1969年) より
世界初の有人月面着陸に備えて、NASAは詳細な飛行計画を立てた。それはケープ・ケネディでの打ち上げから、4日後に予定されたカプセルの太平洋への着水まで、宇宙船とその3名の乗組員の分刻みの活動予定表が収録されていた――歴史上最大の技術的達成のための綿密な宇宙航行マニュアルである。
大統領ケネディがソヴィエトよりも先に月面に人間を送り込むと誓約してから8年後、アメリカ最新の宇宙計画は全世界を唖然として見守る前で歴史に残る偉業を達成する準備を整えた。
アポロ計画には2万に及ぶ企業と軍隊から40万人の技術者、専門家、科学者が携わり、240億ドルを費やして最新鋭の研究と兵站活動が行われている。だが1969年7月、それだけの複雑膨大な準備と費用の全てが、ひとつの単純な問題にまで煮詰まった――このミッションは成功するのか、あるいは失敗か? 3人の宇宙飛行士の生命が懸(かか)っている。そのオペレーションは全世界のTV視聴者に生中継されることになっている。
1969年7月1日、ヒューストンの有人宇宙飛行センターは、7月16日に予定されているNASAアポロ11号打ち上げのための363頁に及ぶ最終飛行計画書を提出した。それはこのミッションを完璧かつ緻密な技術的詳細に至るまで記述していた。
宇宙船は、3名の乗組員――船長ニール・アームストロング、司令船操縦士マイケル・コリンズ、月着陸船操縦士エドウィン・E・「バズ」・オルドリン・ジュニア――を乗せて歴史に残る旅に出た。
5部に分かれた計画は乗組員1人1人に分刻みの活動予定を提供していた。先ずは午前9時32分、ケネディ宇宙センター発射台39Aから発射、離陸、詳細な指示とデータ・トラックは飛行、月周回軌道、月面活動、帰投飛行、再突入、着水まで連綿と続いていた。
アポロ11号は7月19日の月周回軌道到達まで、24万マイルを76時間で飛行する予定になっていた。翌日、アームストロングとオルドリンは訓練通り月着陸船イーグルに搭乗、コリンズは司令船に残る。2時間後、イーグルは月面への下降開始、「静かの海」南西端に着陸する。
月面上での21時間36分の間、宇宙飛行士たちには幅広い活動の予定が組まれていた。写真撮影、地質サンプル採集、合衆国国旗設置、様々な科学実験、大統領ニクソンとの電話による会話。
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アポロ11号のミッションは正確に計画通りに進んだ。この旅の白黒のビデオは驚異的な明瞭さで地球に送信され、6億人、すなわち世界人口の5分の1がTVでそれを見た。
アポロ8号とアポロ17号の飛行計画書(公式には「フライト・データ・ファイル」と呼ばれる)およびその他のアポロ計画に関する記述は、テキサス州フォートワースの国立公文書館に保管されている。