じじぃの「科学・芸術_615_絵本『105にんのすてきなしごと』」

Philharmonic Gets Dressed.mp4 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=jP8r9odsyb4
105にんのすてきなしごと

Pinterest Marc Simont
https://www.pinterest.jp/callebesimoes/marc-simont/?lp=true
105にんのすてきなしごと カーラ・カスキン (著), マーク・シーモント (イラスト) 2012/6 Amazon
おふろの入りかたも、服をきる順番も、年齢も、家族も、趣味も考えかたも、ちがいます。
けれど105人は、ある夜、ひとつの場所にあつまります。美しい音楽をつくりあげるために…。心をひとつにあわせ、流れだすのは…。
美しい音楽のヒミツがわかる楽しい絵本。

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『13歳からの絵本ガイド YAのための100冊』 金原瑞人ひこ・田中/著 西村書店 2018年発行
『105にんのすてきなしごと』 オーケストラの素晴らしい音楽は105の個性が集まった奇跡 カーラ・カスキン (文), マーク・シーモント (絵) なかがわちひろ(訳) より
ベストセラーとなった『13歳のハローワーク』(村上龍幻冬舎)以降、「しごとば」シリーズ(鈴木のりたけ 作ブロンズ新社)をはじめ、職業や仕事にスポットをあてた絵本が人気だ。
本書は、とある仕事をテーマにしているものの、アプローチの仕方が他の絵本とまったく異なって面白い。
 「きんようびの ゆうがたです。
  (中略)
  おおきな まちの あっちの いえや、こっちの いえ、
  そして はしの むこうの いえのなかで、
  105にんの ひとたちが、
  しごとに でかけるよういを はじめました」
シャワーをあびる人、湯船につかる人、ひげをそる人、ひげの形を整えるだけの人、立ったままズボンをはく人、黒い長いスカートをはく人、黒いドレスを着る人…。
とにかく絵のディテイルが細かい。鋭い観察眼で、ひとりひとりの未支度の様子が軽やかに、ときにはユーモラスに描かれている。
彼らの仕事はオーケストラの楽団員ということが、後半でわかる。さまざまな楽器の音色が合わさって素晴らしい音楽が生まれるのは、105人の人間味のある個性が集まった奇跡だということを、金曜の夜の数時間を切りとることで見事に伝えている。
以前、『オーケストラの105人』という題名で、作詞家の岩谷時子訳で出版されていた絵本の新版。題名から「オーケストラ」の文字を外したことで、わくわく感が倍増した。
                        (位頭久美子)