じじぃの「科学・芸術_616_絵本『グーテンベルグの不思議な機械』」


Gathering Books

[Nonfiction Wednesday] Of Rags and Bones, Soot and Seeds Bound in Leather: The Art And Science Of Book-Making Gathering Books
I have always been fascinated by all things books: from the seeds of the idea to the actual process of book-making to the marketing and distribution until it finally reaches a reader’s hands, enjoyed and relished for everything it contains.
https://gatheringbooks.org/2018/05/30/nonfiction-wednesday-64/
グーテンベルクのふしぎな機械 ジェイムズ ランフォード (著), 千葉茂樹(訳) 2013/4 Amazon
世界初の活版印刷機で本ができるまで、を描いたユニークな知識絵本です。
ぼろきれと骨から紙を。ススと亜麻仁油からインクを。
そして、鉛と錫から活字を……。
「本といえば写本」だった時代に、金属で活字を鋳造して印刷するという、画期的な方法を考案したグーテンベルク
羅針盤、火薬と並んで「ルネサンスの三大発明」のひとつといわれる印刷術の秘密に迫ります。

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『13歳からの絵本ガイド YAのための100冊』 金原瑞人ひこ・田中/著 西村書店 2018年発行
『グーテンベルグの不思議な機械』 世界の歴史を変えた機械とは? 1450年のドイツの町をのぞいてみよう ジェームス・ランフォード(作) 千葉茂樹(訳) より
この絵本は、人間に大きな恩恵をもたらした技術のひとつ、印刷術に焦点を当てている。ただし発明者グーテンベルクの伝記ではない。また発明での試行錯誤の部分を省略し、本1冊の印刷工程を描いている。たとえばある個所では左画面で、ぼろきれと動物の骨からシートが作られていることを示し、「いったいなんだとおもう?」と問いかける。右画面では絵とともにそれが「紙」だと明かす。前半では金属の活字と木製の印刷機が作られるまでが描かれるが、こうした一問一答形式は読者の興味を持続させ、臨場感を増している。
後半では引き続き、本ができるまでの工程を見せている。何よりもこの絵本の魅力は、装飾を施した各ページの美しさにある。誰もが圧倒されるおとだろう。
グーテンベルクの本には金箔が使用されていた。この絵本でも、各ページに金彩を施した装飾模様の縁取りが見られる。世の手書き写本を手本とし、印刷でもそれを再現しようと試みたグーテンベルク。鮮やかな色彩と美しい造形あるれる本書は、彼の生きた時代をよみがえらせ、かつ絵本の芸術性を提示してみせている。
                       (西村醇子)