考えるロボット
IoTは雇用を奪うのか?
ガートナーは、 2020年までに知的労働者の3人に1人が彼ら自身によって訓練されたスマートマシーンに職を奪われると予測しています。工場労働者だけでなく、高度な知識が要求される医師や弁護士などの雇用や、金融分野ではトレーダー、さらにはデータサイエンティストでさえもその雇用に大きな変化が生じる可能性があるとしています。
また、ダビンチインスティテユートは、2030年には世界の全雇用の50%の20億人分の仕事がマイクログリッド、自動運転、3Dプリンター、ロボットの4つのテクノロジーの進化によりなくなると予測しています。
http://iot-jp.com/iotsummary/iotbusiness/iot%E3%81%AF%E9%9B%87%E7%94%A8%E3%82%92%E5%A5%AA%E3%81%86%E3%81%AE%E3%81%8B%EF%BC%9F/.html
『10代からの哲学図鑑』 マーカス ウィークス、スティーブン ロー/著 三省堂 2015年発行
コンピューターは考えることができるか? (一部抜粋しています)
20世紀後半に、コンピューター科学の発展から「人工知能」という発想が生まれ、ほぼ同じ頃に神経科学の進歩が人間の脳の働きを解明していきました。2つの科学は並行して発展を遂げ、それぞれに相手の概念を借用しました。新たな画像かテクノロジーによって、私たちの指向プロセスにともなう脳の電気化学的な活動が明らかにあり、コンピューター科学者たちは、それと同じような方法で処理をするマシンをつくろうとしました。脳は単なる物体である、つまり「やわらかい機械」であるとすれば、ゆくゆくは同じように思考するマシンをつくれるのではないか、という考えからです。人工知能の分野は、ただの「計算機械」でなく、人間の思考プロセスを模倣するコンピューターを生み出そうとして発展し、「ファジー理論」などの概念も登場させて、マシンが人の顔を認識したり、チェスをプレーしたりといった、非常に複雑なことまでできるようになったのです。
コンピューターは、ある種の作業では人間と見分けがつかない――たいていは人間よりも優れた――結果を出し、決定を下すことができるようにさえ思えます。何らかの知能をもっている、つまり、なんらかの形で思考をしているように見えるのです。
コンピューター科学の先駆者であるアラン・チューリングは、マシンが実際に知能の存在を示しているかどうかを明らかにする、単純なテストを提案しました。コンピューターと人間が両方とも、文字で書いた一通の質問をされ、文字で書いた答えを返します。公平な審判が答えを審査して、両者の違いが見分けられないなら、コンピューターは自らが思考できると示したことになるわけです。