じじぃの「人の生きざま_533_加藤・武(俳優)」

【追悼】加藤武さん 貫き通した東京っ子の意気地 早稲田大学教授・児玉竜一 2015.8.9 産経ニュース
70年目の8月を目前に、加藤武さんが急逝された。
スポーツジムのサウナで倒れられたことからも分かるように、直前まで元気そのもの、いつもの快活な大音声は健在だった。代表を務めておられた文学座でも前日に例会へ顔を出され、9月から主演舞台が予定されていた。特に、戦後70年のこの夏はインタビューや体験談にも引っ張りだこで、雑誌『演劇界』の8月号で戦中戦後の歌舞伎についてうかがった折も2時間半休みなし、まだまだ話し足りない感じだった。
http://www.sankei.com/entertainments/news/150809/ent1508090007-n1.html
The Bad Sleep Well (1960) Trailer 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=EWi_IFfkfdg
映画『悪魔の手毬唄』 予告篇 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=_3zxVTgdLeU
加藤武

加藤武 ウィキペディアWikipedia)より
加藤 武(かとう たけし、1929年5月24日 - 2015年7月31日)は、日本の男性俳優、声優。文学座代表。東京市京橋区出身。早稲田大学英文科卒業。俳号は「阿吽」。

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文藝春秋 2015年10月号
蓋棺録 加藤武 俳優 (一部抜粋しています)
俳優・加藤武は、舞台俳優として出発し、映画でも黒澤明市川崑の作品で記憶に残る脇役として活躍した。
1929(昭和4)年、東京の小田原町(現・築地)にある魚河岸仲卸商の三男とそて生まれる。母は津田塾予科まで進んだ才女で、英語にうるさかったが、夫の清元に合せて三味線を弾く粋な趣味もあり、「私は、こっちの母が好きだった」。
両親がときどき歌舞伎座に連れて行ってくれたので、子供のころから自然に演劇に親しむ。旧制麻布中学時代には、同級生に小沢昭一フランキー堺、中谷昇がいて、変わり者の配属将校が即興のコントを演じさせてくれた。
戦後、早稲田大学を卒業して中学の英語教師になったが、1年で辞めて文学座に入る。座長の杉村春子は厳しかった。いちばん堪えたのが「あんたの芝居は、みんな借り物」という指摘だった。
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映画でデビューは小林正樹監督の『壁あつき部屋』。黒澤先品は『悪い奴ほどよく眠る』以降、多く出演した。
市川作品では、横溝正史シリーズの「よーし、わかった!」が知られている。この台詞は原作にはなく市川と加藤の合作だった。
最期の舞台は葛飾北斎を演じた『夏の盛りの蝉のように』。加藤は「北斎は90歳まで現役を続けた。俺もそうしたいね」と語っていた。
86歳没。