じじぃの「人の生きざま_428_レイモンド・デイビス」

BBC Horizon Project Poltergeist (Missing Neutrinos) - Full Documentary 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=Xemmtr2X9yY
6_最終章:ニュートリノ振動の謎に挑む 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=MNJ8wubQyQI
2002年のノーベル賞受賞者たち

アーサー・エディントン ウィキペディアWikipedia)より
サー・アーサー・スタンレー・エディントン(Sir Arthur Stanley Eddington、1882年12月28日 - 1944年11月22日)は、イギリスの天文学者
20世紀前半における最も重要な天体物理学者の一人である。コンパクトな天体に降着する物質から放射される光度の上限を与えるエディントン限界の導出は彼の代表的な業績の一つである。
ハンス・ベーテ ウィキペディアWikipedia)より
ハンス・アルプレヒト・ベーテ(Hans Albrecht Bethe, 1906年7月2日 - 2005年3月6日)は、アメリカの物理学者。シュトラスブルク(当時ドイツ領、現フランス・ストラスブール)出身のドイツ系ユダヤ人移民。1967年、「原子核反応理論への貢献、特に星の内部におけるエネルギー生成に関する発見」によってノーベル物理学賞を受賞した。
レイモンド・デイビス ウィキペディアWikipedia)より
レイモンド・デイビス・ジュニア(Raymond Davis Jr.、1914年10月14日・ワシントンD.C. - 2006年5月31日)は、アメリカ合衆国の化学者、物理学者である。2002年小柴昌俊とともに「天体物理学への先駆的貢献、特に宇宙ニュートリノの検出」によりノーベル物理学賞を受賞した。
1938年メリーランド大学を卒業した後、エール大学で1942年物理化学の学位をうけた。ブルックヘブン国立研究所で働いた。デイビスの最大の業績は宇宙線中のニュートリノ定量的に検出したことである。その方法はポンテコルボらのアイデアをもとにした化学的なもので、塩素の同位体ニュートリノと反応して発生するアルゴンの同位体を回収し、アルゴンが再び崩壊するのを計数管で計数するものである。サウスダコタ州の金鉱の地下に巨大な空洞をつくり615トンの四塩化エチレンを満たし、平均1日1個程度発生するアルゴンを観測した。1968年から予備実験を行い、1970年から本観測を行い、太陽からのニュートリノの数が理論予想よりも少ないことを見出し、太陽ニュートリノ問題を提起した。1985年からペンシルベニア大学において教授を務めた。
小柴昌俊 ウィキペディアWikipedia)より
小柴昌俊(こしばまさとし、1926年9月19日 - )は、日本の物理学者。2002年「天体物理学とくに宇宙ニュートリノの検出に対するパイオニア的貢献」によりノーベル物理学賞を受賞。素粒子物理学宇宙線物理学の分野で多大な業績を上げた。日本学士院会員。息子は香川大学工学部教授で材料物理工学者の小柴俊。
1926年、愛知県豊橋市に生まれる 父は陸軍歩兵大佐小柴俊男。
ニュートリノ振動 ウィキペディアWikipedia)より
ニュートリノ振動(neutrino oscillation)は、ニュートリノが質量を持つことで、ニュートリノのフレーバーが変わる現象である。
1998年にスーパーカミオカンデが大気から降り注ぐニュートリノを観測することによって、この現象が実証された。

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白熱教室 「第2回・入門編! 物理学者の秘密のお仕事」 2014年6月27日 NHK Eテレ
【講師】アリゾナ州立大学 宇宙物理学 ローレンス・クラウス教授
▽太陽の熱源・素粒子の寿命
宇宙のような複雑な世界を捉えるには非常に緻密な考え方が必要かと思いきや、クラウス教授は「違う、違う!大ざっぱに捉えることこそ大事なんだ!」と力説する。
物理学者たちは、例えば「牛」を研究する場合、複雑な牛の形などは無視して、「牛は球形(〇)だ!」と大ざっぱに考えるというのだ。一体どういうことか? 実は巨大なスケールを相手にする宇宙物理学の世界で肝心なのは「概算」なのだという。「概算」の手法を身につければ、太陽の形から中心付近のエネルギー源の正体まで推測することができるし、素粒子が別の素粒子に変化するまでの時間だって計算できるというのだ。それだけではない。わずか数分の思考で、例えば大昔のカエサルの臨終の間際の一息に入っていた空気分子の内の何粒を、現代の私たちが呼吸のたびに吸っているかまで導き出されるのである! 物理学者たちの秘密の思考方法を伝授する!
http://www.nhk.or.jp/hakunetsu/cosmology/140627.html
6月27日 NHK Eテレ 『白熱教室』 ローレンス・クラウス教授「第2回・入門編! 物理学者の秘密のお仕事」より
クラウス教授の「太陽の熱源・素粒子の寿命」の講義が始まる。
太陽の密度や温度は実際は場所によって異なるはずだが、それを大ざっぱに捉えて中心からの距離が同じ場所なら密度や温度も同じだと考えてみよう。
太陽を単純な球(〇)に置き換えて考えていこうというわけだ。
さて、太陽が持つ圧力のエネルギー源は長いこと大きな謎だった。
18世紀あるドイツの医者は太陽を石炭の〇い塊だと考えてみた。それが燃えることで重力と釣り合う圧力になっていると。
ところがその場合、太陽は僅か1万年で燃え尽きてしまうということが分かった。
だが、地球は誕生から数十億年経ていることが次第に分かってきたから何かがおかしいということになった。
当時知られていたエネルギー源では太陽がそんなに長く燃え続けられるわけがなかったからだ。
1920年ごろアーサー・エディントンは太陽には未知のエネルギー源があってそれが太陽を維持させているに違いないと言った。
だが人々はそんなことはありえないと言った。「太陽の中心はたった1000万℃だと分かっています。新しいエネルギー源などあるはずはありません」、と。
でもやがて核融合の存在が実証されることになる。
ハンス・ベーテは核融合によって太陽は100億年燃え続けることを示した。
全ては太陽を単純な〇だと考えての発見だった。
一体、誰が毎秒数千億もの水爆が爆発しているような無秩序な状態をこれほど単純化できると思っただろうか? さて核融合は光だけでなく「ニュートリノ」と呼ばれる素粒子もつくり出す。
実は毎秒君たちの体、1平方センチメートルあたりを1000億個のニュートリノが通り抜けている。
昼間は上からやって来るし、夜には地球をすり抜けて下からやって来る。今夜ベッドでその様子を想像してみるといい。
ニュートリノを捕らえるため10万ガロンの液体が入った巨大な検出器を造った驚くべき人物がいた。
無数のニュートリノがその液体の中を通り抜けていくのだが、その中で1日平均たった1つのニュートリノが反応を起こすことが計算から分かっていた。
彼は必死でそれを検出し、40年後ノーベル賞を受賞したんだ。
重要なのは太陽を単純な〇に置き換えて考えたことで、そこまでたどりついたということだ。
しかも、もっと面白いことに彼は少し予測と違う結果を得たんだ。ニュートリノの数が予測の3分の1しかなかった。
当時、私たち素粒子物理学者は「天体を研究している連中は太陽をあまりに単純化しすぎて失敗したんだ」、と笑っていた。「そんなにうまくいくはずがない」、と。
だが、実はその単純化は正しかった。
ニュートリノが予測の3分の1だった理由は太陽で作られる数が間違っていたからではなく、太陽と地球の間でその性質が変化するからだった。
我々が検出できない別のニュートリノに変化していたんだ。
この発見で素粒子物理学の理論は根本的に書き換えられることになった。
「太陽は単純な〇だ」、と考えたことで、複数のノーベル賞まで生まれたんだ。