じじぃの「人の生きざま_391_JW・ショスタク」

Jack Szostak (Harvard/HHMI) Part 1: The Origin of Cellular Life on Earth 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=PqPGOhXoprU
Physicist Stephen Hawking Warns that Trying to Contact With Aliens Could Get Us All Killed 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=PcyiqU2VdOw
Jack W. Szosta

ホーキング博士の宇宙 ET 地球外生命は存在するか」 2011月9月27日 NHK BSプレミアム
地球以外にも生命は存在するのか?広大な宇宙で、人類は知性を持つ唯一の存在なのか?現代を代表する科学者スティーブン・ホーキング博士は、地球外生命体は存在するという。地球上の生物の常識を超えた生命体。進化の末、人類をはるかに凌ぐ文明を獲得した知的生命体。ホーキング博士が、宇宙を貫く生命の本質を明らかにする。
ハーバード・メディカル・スクール(ボストン)のジャック・W・ショスタクなどの研究者が原細胞、つまり袋状の生命分子集合体の作製を試みている。酵母の染色体を初めて人工的に作り出したショスタクは、水に反応した両親媒性の脂肪酸(一方の極には親水性があり、もう一方の極には疎水性がある)が付着して、環状になる自発的能力を明らかにした。彼はこんなふうに述べている。
「自己組織化の特性を出現させる方法は多々ある。我々が実現した複製は、まだ完全に自律的なものではない。しかし、生体中の分子の改変に我々が今ほど近づいたことはない」
http://www.nhk.or.jp/space/program/cosmic_110927.html
テロメア ウィキペディアWikipedia)より
テロメア (Telomere) は真核生物の染色体の末端部にある構造。染色体末端を保護する役目をもつ。Telomere はギリシア語で「末端」と「部分」から作られた語である。末端小粒とも訳される。
テロメア配列とテロメラーゼの同定】
テロメア塩基配列は、1978年にエリザベス・H・ブラックバーンとJoe Gallにより、単細胞真核生物のテトラヒメナを用いた研究で最初に明らかにされた。ブラックバーン、キャロル・W・グライダー、ジャック・W・ショスタクは、テロメアとテロメラーゼ機能の研究から、2006年にアルバート・ラスカー医学研究賞、2009年にノーベル生理学・医学賞を共同受賞している。
テトラヒメナは大核と小核をもち、大核では染色体の増幅が起きているため、一つの細胞あたり4万を超えるテロメアが存在している。そのため、テトラヒメナはテロメア解析のモデル生物として適していた。テトラヒメナから抽出したDNAを電気泳動すると、テロメアは他の染色体領域とは異なる挙動を示すことを手がかりに単離され、配列決定が行われた。この生物のテロメア配列は TTGGGG(T: チミン、G: グアニン)が反復したものだった。この配列をもつ人工染色体は、異なるテロメア配列をもつ出芽酵母でも機能することがわかった。
その後テロメアを合成する酵素テロメラーゼ が、ブラックバーンの研究室においてテトラヒメナを用いた研究で発見されたことにより、染色体の古典的な「末端複製問題」が解決された(1985年)。
ジャック・W・ショスタク ウィキペディアWikipedia)より
ジャック・ウィリアム・ショスタク(Jack William Szostak 1952年11月9日-)はアメリカ人の生物学者であり、ハーバード・メディカルスクールの遺伝学の教授、Alexander Rich Distinguished Investigator at Massachusetts General Hospital, Bostonを勤めている。テロメアとテロメラーゼが染色体を保護する機序の発見により、エリザベス・H・ブラックバーン、キャロル・W・グライダーと共同で2009年のノーベル生理学・医学賞が授与された。
近年では、ショスタクは生命の起源の解明や人工細胞の構築に挑戦している。

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『現代化学の大発明・大発見50』 大宮信光/著 サイエンス・アイ新書 2012年発行
テロメアの発見 ブラックバーン、グライダー、ショスタク (一部抜粋しています)
2009年のノーベル生理学医学賞は、細胞の老化やがん化にかかわる染色体の末端にある「テロメア」と、それをつくる酵素(テロメラーゼ)の機能を発見したカリフォルニア大学サンフランシスコ校のエリザベス・ブラックバーン教授、ジョンズ・ポプキンス大学のキャロル・グライダー教授、ハーバード大学のジャック・ショスタク教授の3氏に授与された。テロメアが染色体と細胞を老化から保護する仕組みを解明したことが高く評価されたのだ。自然科学分野で女性2人が同じ賞を受賞するのは、ノーベル賞の歴史上はじめてのことであった。
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DNAが短くなっていけば遺伝情報がどんどん失われていき、ついにはDNAという存在そのものがなくなってしまうだろう。ところがそんなことは、実際には起きていない。細胞は何度も分裂を繰り返し、DNAも現存している。それななぜなのか。この長らく解けない謎とされてきたこの「末端複製問題」に挑んだのが、ブラックバーンとショスタクであった。
ショスタクはマギル大学を19歳で卒業し、米国の名門コーネル大学で生化学の博士号を取得する。ハーバード・メディカルスクールで研究室を立ち上げ、いまも教授を務めている。ショスタクは酵母の染色体を世界で初めて人工的に構築した人物で、彼は1970年代、鎖状DNAを人工的に合成し、つくったミニ染色体を酵母菌に導入すると急速に染色体が劣化することに気がつく。一方、同時期にブラックバーンも、単細胞生物の繊毛中テトラヒメナのDNAを解析し、末端に「CCCCAA」の短い塩基配列が繰り返し出現することに気づく。
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老いた細胞がさらに分裂を繰り返すと、いずれテロメアは完全になくなり、必要な遺伝情報を剥きだしになってしまう。さらに分裂が続くと、正常なタンパク質が合成されず、異常なものが合成されかねない。それを防ぐため老いた細胞では、それ以上の分裂増殖を行うことがストップされ、できなくしている。
さらに1984年、ブラックバーンの研究室の大学院生だったグライダーがテロメラーゼを発見する。細胞分裂の際に短くなるテロメアを継ぎ足して長さをもとに戻す酵素もある。この発見を受けて3人はさらに実験を進め、この酵素が果たす役割を突きとめていく。この酵素がないとテロメアの長さが戻らず、細胞の寿命が短くなる。逆にこの酵素を働かせると、寿命が延びる。細胞や生体の老化を決める要素の1つが、テロメアの長さであることを明らかにした。
がん細胞ではテロメラーゼが盛んにつくられているので、がん治療の標的にもなっている。また血液の難病、再生不良性貧血などにもかかわれので、臨床医学への影響も大きい。iPS細胞でもテロメラーゼが活性化しているのが判明しており、再生医療の発展にも役立つ可能性もある。