じじぃの「人の死にざま_1282_野村・芳太郎」

松竹映画「張込み」 の長〜い導入部  国鉄SLで長旅  渋いね 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=-7p3OYYH7lA
Destiny - 宿命 - 砂の器 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=5se1Ic3nXBU
野村芳太郎 ウィキペディアWikipedia)より
野村 芳太郎(のむら よしたろう、1919年(大正8年)4月23日 - 2005年(平成17年)4月8日)は、日本の映画監督。京都府出身。
【概要】
時代劇、メロドラマなど多様な娯楽作品を撮るが、野村芳太郎の名を広めたのは、松本清張の小説を映画化した『張込み』(1958年 主演:大木実)。以降、ショッキングな描写を伴う社会派的色彩の強いサスペンスを数多く撮るようになる。
以降も多くの清張作品の映画化を行うが、1974年に監督した『砂の器』で、モスクワ国際映画祭の審査員特別賞を受賞。1978年には清張と共に製作プロダクション『霧プロダクション(霧プロ)』を設立したが、1984年に解散した。

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『巨匠たちの映画術』 西村雄一郎/著 キネマ旬報社 1999年発行
野村芳太郎 こうすればディテールが克明に描ける (一部抜粋しています)
「張込み」は、松本清張が「ある『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞した後に書いた推理小説の第1作である。その長さは文庫本にして30ページ弱の短編で、ストーリーはまったく簡単明瞭だ。
深川で起きた質屋殺しの犯人(田村高廣)を追って、ベテランの下岡(宮口精二)と若手の柚木(大木実)の2人の刑事が佐賀市へやって来る(原作では柚木ひとりが来る)。そこには犯人の昔の恋人、さだ子(高峰秀子)が後妻となって嫁いでいた。警察は犯人が立ち回ると予想し、彼女の家の前に建っている安宿の2階に張り込む。その犯人逮捕までの7日間が描かれるわけだが、ストーリーはたったそれだけ。しかし、その女の平凡な日常生活のディテールを執拗に描写することによって逆に犯人はまだ来ない、まだ来ないというサスペンスが形成されていく。
このように、ディテールを克明に描こうと思ったら、シチュエーションを単純にすることが絶対条件なのだ。なぜなら、波瀾万丈の筋を持ったストーリー重視の映画では、作る方も見る方も、ストーリーを追うだけで精一杯で、とてもそこまでは気が回らない。
百姓が侍を集めて野武士と戦う「七人の侍」、腹を斬る場だけを舞台として主人公の復讐譚が次々に語られる「切腹」(62年)、明石藩主を中山道の1宿に追いつめて暗殺する「十三人の刺客」(63年)、ノンストップで突っ走る新幹線を停めようとする警察側と犯人側のシーソー・ゲームだけを描いた「新幹線大爆破」(75年)。これらはすべて、舞台を限定し、シチュエーションをとことん単純化して、そのディテールに凝ろうとした映画であった。そして、このことは高質のアクション映画を撮ろうとする時の条件でもあるのだ。複雑で紆余屈折としたストーリーを持った映画では、純粋にアクションに酔うことができない。観客はもっとスパッと単純に愉しみたいと思うに違いない。
七人の侍」「切腹」がそうであるように、こうした映画は、橋本忍シナリオの土壇場であった。野村監督が橋本忍にぜひにと頼んだのも、そうしたもくろみがあったからにほかならない。
「張込み」は、刑事が佐賀に着く所から始まり、去る所で終わる。舞台は全編佐賀のみ。その間、間に東京における捜査経過や柚木刑事の恋愛問題のシーンが、適宣インサートされていくこうした。ガッチリとした構成力によって支配されるシナリオを、橋本忍は得意とした。
この万全の青写真があったからこそ、野村芳太郎はそのうえに強固なディテールを構築することができたのだ。

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