じじぃの「人の生きざま_147_S・ブレナー」

シドニー・ブレナー - あのひと検索 SPYSEE
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線虫2 mag. x100 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=BdPZaBqAVAI
DNA二重らせん発見50周年記念講演会 〜ノーベル生理学・医学賞受賞者 シドニー・ブレナー博士〜 サイエンス チャンネル
http://sc-smn.jst.go.jp/playprg/index/1729
シドニー・ブレナー ウィキペディアWikipedia)より
シドニー・ブレナー (Sydney Brenner, 1927年1月13日 - )はイギリス人の生物学者。現在はアメリカで活動する。 線虫を用いたアポトーシス研究によりロバート・ホロビッツとジョン・サルストンとともに2002年にノーベル生理学・医学賞を受賞。
【経歴】
南アフリカ共和国のジャーミンストン生まれ。1960年代に登場した分子生物学の分野において、フランシス・クリックらとともに、翻訳における遺伝子暗号の解読をはじめとした独創的な貢献をした。
その後、MRC分子生物学研究所にて線虫 C. elegans をモデル生物として用いた動物の発生研究を樹立し、神経系形成などを解明した。C. elegans は 体長 1 mm ほどの小さな土壌動物で、透明な体に単純ながら一通りの多細胞体制をもち、発生生物学研究に適した生物であった。また飼育が容易であり、生活環が短く、遺伝学用いた研究手法も行いやすい。ブレナーはこの生物を用いてゲノムプロジェクトを立ち上げ、多細胞生物におけるゲノミクスの先駆けとなった。その後、トラフグのゲノム解読も手がけた。

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『遺伝子はダメなあなたを愛してる』 福岡伸一/著 朝日新聞出版 2012年発行
もっとも役に立つ生物を挙げるとしたら何ですか?
線虫という生物をご存知でしょうか。ムシとは名がつくものの昆虫ではありません。体長1ミリ程度。透明で、細長く、体をくねくねさせて進みますが、ミミズのような節があるわけではありません。分類学的には寄生虫の曉虫(ぎょうちゅう)に近い生物ですが、多くは地中で自活して生きています。エサは土壌中の微生物です。
実は、この線虫、生物学的にたいへん大きな寄与を果たしました。最初の生命体は約38億年ほど前に発生したと考えられています。そのとき生物は単細胞生物でした。そのあと28億年ほどの膨大な時間をかけて生物はゆっくり進化を遂げていきますが、この間、生物はずっと単細胞のままでした。
ところが今から10億年ほど前、生命の進化に大きなジャンプが起こりました。それゆえに今日、私たちヒトも存在するのです。
それは多細胞化したということでした。それまで単細胞生物は分裂すると2つに分かれて、はいさとうなら、とそれぞれ別々の道を歩みました。
ところが、細胞は分裂してもくっついたままでいることを選んだのです。それだけではありません。細胞は増殖するにつれ、2、4、8、16、32と数が増えます。そのまま集合しているだけでは単細胞生物が群体を形成しているにすぎません。
多細胞生物では、ここに細胞の「分化」が起こりました。つまり専門化と分業です。外側の細胞は守備と栄養素の吸収を、内側の細胞は代謝やエネルギー生産を担います。
現在、私たちのからだはこのような分化によって皮膚の細胞、消化管の細胞、筋肉の細胞、内臓の細胞というように、それぞれの細胞が役割を分担しています。
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私たちヒトは、約60兆個もの細胞からできている多細胞生物です。これはあまりにも多すぎ、複雑すぎます。かって細胞分化の研究は、ウニや、イモリの卵を使っていましたが、それでも複雑でした。
もっと細胞の数が少ない多細胞生物はいないものだろうか。1960年代の終わりごろ、生物学の将来を見すえていたシドニー・ブレナーという人が、研究のための材料探しを始めました。そして行き着きたのが、この線虫でした。飼育は簡単です。口も消化管も肛門もあります。筋肉細胞も神経細胞もあります。匂いをたよりに餌を探せますし、棒でつつくと反対方向に逃げます。細胞の数は全部で959個。1個の細胞がほんの10回ほど分裂すれば完成し、しかもそれぞれ分化した細胞になっているのです。
多細胞生物のもっとも重要な特性は、分化の結果、生殖専門の細胞、つまり精子卵子ができるということです。線虫には、それらがちゃんとあります。
ブレナーとその仲間たちは、線虫を丹念に観察し、細胞と細胞がコミュニケーションをしながら分化していく正確な系譜図を作りました。
ブレナーさんとお会いしてお話ししたことがありますが、小柄で気さくなおじさんでした。今日、彼の仕事は、生物学史上、もっとも重要な達成のひとつに数えられています。

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