じじぃの「謎の天体・ブラックホールを解き明かせ・謎に挑んだ一人の日本人!サイエンスZERO」

サイエンスZERO 「ブラックホールはくちょう座X-1」  2012年4月29日 スペシャル動画
http://www.nhk.or.jp/zero/movie/mov016.html
A Black Hole - Cygnus X-1 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=jri5vVt-tvo&feature=related
ブラックホール はくちょう座X-1の発見 動画 Ustream.tv
http://www.ustream.tv/recorded/16610966
小田稔 画像
http://www.isas.jaxa.jp/ISASnews/No.242/GIF242/oda-00.jpg
はくちょう座ブラックホール November 28, 2011 ナショナルジオグラフィック
はくちょう座X-1と呼ばれる連星系の想像図。ブラックホールが近接する恒星から物質を引き寄せている。ブラックホールに落ち込む物質はブラックホールの周囲に円盤を形成し、この円盤が放射する強力なX線が今から50年以上前に初めて観測された。
この有名な連星系に属するブラックホールのより正確な想像図は、先ごろアメリカ国立科学財団(NSF)の超長基線アレイ(VLBA)を構成する複数の電波望遠鏡を使って収集したデータを基に描かれたもの。
このブラックホールは地球から6070光年の距離にあり、質量は太陽の約15倍、1秒間に800回以上回転していると考えられている。
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2011112804&expand#title
牧島一夫 〜ブラックホール天文学の最前線〜 JAXA
1962年に、太陽系よりさらに遠い宇宙から、X線が来ていることが発見されました。さらに1970年、「ウフル」という衛星が打ち上げられ、X線天文学は画期的な展開を迎えたわけです。その開祖となったのが、本日おいでのジャッコーニ博士、そして先ほどからお名前がでております小田稔先生でした。小田先生は、我々の世代にとって共通の先生でしたが、本当に残念なことに、3年前に他界されてしまいました。
その小田先生がとりわけお好きだった天体が、はくちょう座の白鳥の首のところにある、「はくちょう座X−1」という強いX線天体です。ジャッコーニ博士が中心となって「ウフル」衛星が打ち上げられると、さっそく小田先生たちは、この衛星を使って「はくちょう座X−1」を観測しました。すると1秒ほどの短い時間で、バタバタとそのX線の強度が変動していたのです。小さいハツカネズミはちょこちょこ動き、大きなゾウはゆっくりと歩きます。そこで、これほど速く変動する天体は、きっと小さいだろうと想像できます。しかも普通なら出ないX線がここからは出ている……。となれば、単に小さいだけでなく、特別な天体でありましょう。そこで1971年に小田先生たちは、「はくちょう座X-1はブラックホールかもしれない」という論文をお書きになりました。これが、実在の天体とブラックホールを結びつけた、世界で初めての成果になったわけです。
http://www.jaxa.jp/article/interview/no7/p3_j.html
すだれコリメータ 画像
http://www.isas.jaxa.jp/ISASnews/words/GIF/word-24713.jpg
用語解説 すだれコリメータ
平行に置かれた2枚の「すだれ」を通して遠方を見ると見る方向によってものが見えたり見えなかったりする。「すだれコリメータ」(図参照)はこの原理を応用したもので、鏡で反射させたりレンズで屈折させたりすることができない光子エネルギーの大きなX線(硬X線)やガンマ線の入射方向を調べるのに使われる。故小田稔先生(元宇宙科学研究所所長)が考案、世界にさきがけ天体観測に使用した。
http://www.isas.jaxa.jp/ISASnews/words/words-24713.html
小田稔 ウィキペディアWikipedia)より
小田稔(おだみのる、1923年2月24日 - 2001年3月1日)は、日本の天文学者、宇宙物理学者。大阪帝国大学理学部物理学科菊池正士研究室出身だが、菊池の弟子・渡瀬譲に師事したので、小田は菊池の孫弟子といえる。はじめ実験物理学を専攻したが、その後電波天文学に転向し、さらに宇宙線物理学及びX線天文学を専門とするに至った。旺盛な好奇心と夢のような発想の持ち主で、研究者仲間から「星の王子さま」の愛称で呼ばれた。北海道札幌市出身。
父は医学者で台北帝国大学教授を務めた小田俊郎、母方の祖父は台湾の医学教育に尽くした堀内次雄。元国際司法裁判所判事の小田滋は弟。
【業績】
X線天体観測機「すだれコリメータ」を1966年に発明し、X線源の精密な位置決定を可能にした。これにより1975年に学士院恩賜賞を受賞した。

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サイエンスZERO 「謎の天体 ブラックホールを解き明かせ!」 2012年4月29日 NHK Eテレ
【司会】南沢奈央竹内薫中村慶子 【ゲスト】牧島一夫(東京大学理学系研究科教授) 【語り】土田大
一般相対性理論で存在が予言されたブラックホール。実際に観測で確かめられるまでには長い道のりがありました。突破口となったのはX線観測。強力なX線を発する天体を探っていくと、巨大な質量を持ちながらその存在が見えない天体=ブラックホールが明らかになったのです。そして今巨大なブラックホールが星を飲み込む姿や、直接見た場合のブラックホールの姿が解き明かされてきました。ブラックホールの最新研究に迫ります。
http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp383.html
どうでもいい、じじぃの日記。
4/29、NHK EテレサイエンスZERO』で「謎の天体 ブラックホールを解き明かせ!」を観た。
大体、こんなことを言っていた。 (手抜きしている)
チリ・アタカマ高地にあるたくさんのアンテナの映像が出てきた。
今、世界中の巨大な望遠鏡が捉えようとしている謎に満ちた天体、ブラックホール。多くの天才科学者を悩ませてきたその正体を観測によって解き明かそうというのです。
左右に同じような天体の画像が並んでいるが、右側の画像に小さなシミのような点が付いているのが出てきた。
映し出されたのは巨大なブラックホールが星を飲みこんでいる瞬間。さらにブラックホールはどのように見えるのか、計算によって少しずつ明らかになってきました。今夜は謎の天体、ブラックホールの最新研究に迫ります。
謎の天体 ブラックホールを解き明かせ!
台風の目のように、渦巻いている中心に穴がある画像が出てきた。
中村アナ、「これは観測データを元に作られたイメージ図です。このガスの渦の中心にあるのがブラックホールはくちょう座X-1)です。それと対になっているのが、こちらの青い星です。これはブラックホールの周りを回っている恒星です。このガスをブラックホールが吸い込んでいるんです」
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1932年、中性子星の発見により新たな理論が提唱されます。原子核は陽子と中性子からできていると分かったのです。そのため、きわめて強く圧縮されると陽子が電子と合体して中性子となり、さらに縮むことができるというのです。
白色矮星が爆発し、飛び散っている映像が出てきた。
これにより、星の残骸の質量が太陽の1.4倍以上の場合、ブラックホールではなく中性子星のいずれかになると考えられました。こうして当時のほとんどの科学者は死んだ星は白色矮星か、中性子星のいずれかになると考えました。しかしさらに、これに異を唱える研究者が現れます。プリンストン大学の物理学者ロバート・オッペンハイマーです。計算の達人と言われたオッペンハイマーはチャンドラセカールのように中性子星を計算しました。その結果、太陽質量の3倍以上ある場合は中性子星のままでは止まらず、無限に縮むという結果になりました。自らの重力に耐えきれなくなって重力崩壊を起こすのです。死を迎えた巨大な星は自らの重力に耐えきれず、無限に縮み続け、こうしてブラックホールが生まれることが明らかになったのです。
アインシュタインの映像が出てきた。
アインシュタインが生み出した一般相対性理論。これによればブラックホールは不思議な性質を持っています。一般相対性理論では重力の正体は時空のゆがみです。つまり重力によって空間がゆがむというのです。そして、空間のゆがみは重力の強さによって変わります。重力の強い星ほど空間を大きくゆがめるため、直進する光でさえ曲げられてしまいます。このことは観測からも確かめられています。
ブラックホールは「とてつもなく質量が大きい天体」と定義することができます。そして、ブラックホールの質量が大きいということは「光さえも抜け出せない」ということを意味しています。
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ここまでX線によるブラックホールの観測について見てきましたが、この方法でブラックホールを初めて観測したのは1971年のことでした。そこにはある一人の日本人の活躍がありました。
アメリカ・ボストンにあるマサチューセッツ工科大学 (MIT) の映像が出てきた。
X線を使ったブラックホールの観測。この技術の実現に大きく貢献した日本人とは!
マサチューセッツ工科大学客員教授として招かれていた宇宙物理学者の小田稔さんです。
マサチューセッツ工科大学の研究グループは最新鋭の観測機器をロケットで打ち上げ、宇宙からのX線を観測していました。そして、思いもよらぬほど強いX線を捉えます。はくちょう座の方向からX線は放たれていました。しかし、この領域には星が多すぎてどこからX線が出ているのか、分かりませんでした。
一体どうすればX線の源の正確な位置が分かるのか、小田さんは通っていたペットショップでそのヒントを見つけました。
回し車の中のハムスターが終わりのない回転を続けている。回っている車越しに向こう側が見える。
回し車の向こう側が見えたり、隠れたりする様子を見た小田さんは、日本に帰国後、この原理を応用した装置の製作を始めます。小田さんたちが作った模型です。細い金属と金属の隙間がすだれのように見えることから、「すだれコリメータ」と名付けられました。
すだれのような金属の線が2組入った装置の映像が出てきた。
左側にX線源があり、右側に検出器がある。検出器の前にすだれコリメータがある画像が出てきた。
検出器の前に2枚以上のすだれを置くと、X線が飛び込んでくる方向がわずかに違うだけでもX線が通ったり、通らなかったりします。こうしてX線の飛んでくる方向を絞り込もうとするアイデアです。
1966年、小田さんはすだれコリメータを使って、宇宙からX線の観測に挑みます。すだれコリメータを使ってX線の源の正確な位置が絞り込まれました。さらに、小田さんはアメリカの衛星によるX線観測にも参加。X線源はさらに絞り込まれたのです。
では、何がX線を出しているのか。精密な観測によって意外なことが分かってきました。X線が出している場所に星はなく、その近くに太陽の質量の30倍もある巨大な青い星がありました。研究者たちはこの青い星から出る光を分析しました。すると星の色がわずかに変化していたのです。
人のバイオリズムのように変化している曲線(星の公転周期)が出てきた。
これは星が動いていることを示しています。分析の結果、巨大な星は5.6日という短い周期で何かの周りを公転していることが分かりました。太陽の10倍という重い星なのに、そこには星が見えない。しかも、強いX線を放射している。そうです。これこそがブラックホールだったのです。
人類が初めて観測によって発見したブラックホールは「はくちょう座X-1」と名付けられました。
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じじぃの感想
「1966年、小田さんはすだれコリメータを使って、宇宙からX線の観測に挑みます。すだれコリメータを使ってX線の源の正確な位置が絞り込まれました。さらに、小田さんはアメリカの衛星によるX線観測にも参加。X線源はさらに絞り込まれたのです」
この番組を観るまで、ブラックホールの謎の解明に日本人が大きく関わっていたことを知らなかった。
こんな、日本人がいたんだ。