じじぃの「人の死にざま_652_P・ディラック」

130921 NHKスペシャル 神の数式 第1回「この世は何からできているのか 〜天才たちの100年の苦闘〜」 動画 Youku
http://v.youku.com/v_show/id_XNjEzMjY3Mjk2.html
Legendary Physicist and Florida State Professor Paul Dirac 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=fWo010EsiYk
Dirac Delta Function 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=4qfdCwys2ew&feature=fvwrel
NHKスペシャル 「神の数式 第1回 この世は何からできているのか 〜天才たちの100年の苦闘〜」 2013年9月21日
2千年以上に及ぶ人類の思索の歴史。それは、全宇宙の謎を解く唯一無二の“神の数式”を追い求めた歴史でもあった。ニュートンアインシュタイン以来、科学者たちは「あらゆる自然現象は、最終的には一つの数式で説明できるはずだ」と信じてきたのだ。そして今年、ヒッグス粒子の発見によって、人類は“神の数式”の完成に向け、大きく前進しようとしている。この番組は、“神の数式”の探求に挑んだ天才たちの、苦悩と創造、ときには狂気さえはらんだ思索のドラマをビジュアル化することを目指す、野心的シリーズである。
第1回は、「なぜモノに重さ」があるのかという、素朴とも言える問いに挑んできた天才たちの物語。ヒッグス粒子の発見は、ノーベル賞を受賞した南部陽一郎博士らの「標準理論」と呼ばれる数式が、全ての物質を書き表す数式であるということを証明するものであった。その本質は、「もともと対称だった世界が、対称でなくなることで重さが生まれる」という奇想天外なものであった。あまりの大胆さ故に一度は葬られた南部博士の理論がどのようにして蘇り、ついには実験で確認されたのか、今年91歳になる南部博士らの証言ドキュメントと最新CGによって、知的興奮に満ちたドラマと斬新な世界観を描いていく。
「多くの物理学者はディラック方程式を目にしてその美しさに涙を流す」
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2013/0921/index.html
ポール・ディラック ウィキペディアWikipedia)より
ポール・エイドリアン・モーリス・ディラック(1902年8月8日-1984年10月20日)はイギリスの理論物理学者。量子力学及び量子電磁気学の基礎づけについて多くの貢献をした。1933年にシュレーディンガーと共にノーベル物理学賞を受賞している。
彼はケンブリッジ大学のルーカス教授職を務め、最後の14年間をフロリダ州立大学の教授として過ごした。
【業績】
ハイゼンベルクによる量子力学の定式化(行列力学)を受け、1925年に量子力学での力学変数の間の交換子と古典力学でのポアッソン括弧の関係を見出した。1926年にシュレーディンガーによって提案されていた波動力学行列力学との間の等価性を、シュレーディンガーと独立に証明した。また、パウリの排他律を満す粒子の統計力学フェルミディラック統計)をフェルミと独立に考察した。ここでディラックはある粒子系の波動関数が粒子の入れ換えについて対称(反対称)である事が、その粒子がボース・アインシュタイン統計(フェルミディラック統計)を満すことと対応する事を見出している。
1928年に電子の相対論的な量子力学を記述する方程式としてディラック方程式を考案した。この方程式から導かれる電子の負エネルギー状態についていわゆるディラックの海と呼ばれる解釈を提案した。この解釈では電子の電荷と符号が逆で大きさは同じ電荷を持ち、電子と同じ質量を持つ粒子(反粒子)の存在が予言される。ディラックは当初この予言された新粒子を陽子ではないかと考えたが、後に電子の反粒子である陽電子がアンダーソンにより1932年に実験的に発見された。
彼は数学の分野にも大きな影響を与えた。「ディラックデルタ関数」と呼ばれるδ関数は、数学における超関数理論へと発展し、ディラック方程式においてはスピノールなど新しい数学的概念を生み出した。また波動関数の位相に関する考察から量子力学の枠内で磁荷を持つ粒子、磁気単極子、の記述を考案し、更に磁気単極子の存在が電荷量子化を説明する事を見出した。ここでの彼の考察は数学者によって独立に考えられたファイバー束の数学と本質的に同一であった。磁気単極子を扱った論文で、彼は物理学における数学的な美の重要性を強調している。
量子力学に関する洞察をそのまま記号形式に置き換えたようなブラベクトル、ケットベクトルを駆使して記述した著書『量子力学』(Principles of Quantum Mechanics)は、名著と言われている。ファインマンはこの著書からヒントを得て経路積分を考案した。

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『ワープする宇宙―5次元時空の謎を解く』 リサ ランドール/著、向山信治/翻訳、塩原通緒/翻訳 NHK出版 2007年発行
素粒子物理学の標準モデル――これまでにわかっている物質の最も基本的な構造 (一部抜粋しています)
場の量子論では、それぞれの粒子にかならずその対となる粒子が存在するとも言われる。それが反粒子である。劇作家のトム・ストッパ−ドによる『ハップグッド』という戯曲のなかに、こんな説明がある。「粒子と反粒子が出会うと、両者はお互いを滅ぼし、エネルギーのぶつかりあいを起こす」というのだ。SFファンなら反粒子についてはよくご存じだろう。これを使って宇宙を破壊する銃がつくられたりもするし、『スター・トレック』のUSSエンタープライズ号に動力を与えているのもこれだ。
これらの適用例はフィクションだが、反粒子はフィクションではない。反粒子は本当に素粒子物理学から見た世界の一部をなしている。場の理論と標準モデルでは、反粒子は粒子と同じように不可欠なものだ。実際、反粒子はまったく粒子とそっくりであり、荷重(訳注、各種の相互作用に関与する強さを決める特性値。電磁気学の場合は「電荷」といい、強い力の場合は「カラー荷」、弱い力の場合は「ウィーク荷」という)が逆であることしか違いがない。
ポール・ディラックが初めて反粒子に遭遇したのは、電子を記述する場の量子論を構築したときだった。量子力学特殊相対性理論の両方と矛盾なく一致する場の量子論には、かならず反粒子が含まれることに気づいたのである。ディラックは故意に反粒子を加えたわけではなかった。特殊相対性理論を組み込むと、理論上どうしてもそれが出てくるのだ。反粒子は相対論的な場の量子論の必然的な帰結なのである。
なぜ特殊相対性理論から反粒子が出てくるかを簡単に説明しておこう。荷重を帯びた粒子は空間内を前後に移動できる。単純に考えると、そうであれば特殊相対性理論から、それらの粒子は時間においても同様に前後に移動できるはずだと推測される。しかし、これまでわかっているかぎり、粒子はもちろん私たちの知るほかのなにものであれ、実際に時間のなかを後退できるものはない。では実際に何が起こっているかといえば、逆の荷重を帯びた反粒子が「時間をさかのぼる粒子」に代わって発生しているのだ。時間をそかのぼる粒子が示すはずの効果を反粒子が再現しているので、時間をさかのぼる粒子がなくても、場の量子論の予言は特殊相対性理論と矛盾なく両立できるのである。
負の電荷を帯びた電子の流れがある点から別の点へと進んで録画したと想像してみよう。そして、そのビデオを巻き戻して映してみる。当然、負の電荷は後ろ向きに進むだろう。しかし、それと同等に(電荷に関するかぎりは)。正の電荷が前向きに進んでいることにもある。電子の反粒子である正の電荷を帯びた陽電子の流れが、このような正の電荷を帯びた前向きに進む流れを生み、結果として時間をさかのぼる電子の流れのような作用を果たすのである。
場の量子論では、電子のような何らかの荷重を帯びた粒子が存在するなら、かならずそれに対応する、逆の荷重を帯びた反粒子も存在するとされる。たとえば1個の電子はマイナス一の電荷をもっているから、それに対応する陽電子はプラス一の電荷をもつ。この反粒子は、電荷以外のあらゆる面で、電子とそっくり同じである。陽子もプラス一の電荷を持っているが、陽子は電子より2000倍も重いので、電子の反粒子ではありえない。
ストッパードが言ったように反粒子はたしかに粒子と接触すると、粒子を滅ぼす。ある粒子の荷重とその反粒子の荷重はつねに和がゼロになるので、粒子が反粒子に出会うとお互いがお互いを亡ぼし、消滅させられる。粒子と反粒子があわさって荷重がなくなることにより、アインシュタインの関係式 E = mc2 に表れているとおり、質量はエネルギーに変換することができる。
一方、エネルギーは充分な量があれば、1対の粒子と反粒子に変換できる。高エネルギー粒子加速器のなかでは粒子の消滅と粒子の生成のどちらも起こるので、物理学者はこれを使って重い粒子を調べる実験をしている。そうした粒子は質量がありすぎて、通常の物質のなかにはみつからないのだ。このような加速器のなかで、粒子と反粒子は出会い、お互いを滅ぼし、その結果としてエネルギーの爆発を生む。そのエネルギーから、新しい1対の粒子と反粒子が現れてくる。
物質――とくに原子――は反粒子ではなく粒子からなっているので、通常、陽電子のような反粒子は自然には見つからない。しかし加速器の内部や、宇宙の高温の領域などで、一時的になら生成される。病院のなかで生まれることもある。がんの兆候をスキャンするのに陽電子放出断層撮影(PET)が使われているからだ。

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