じじぃの「カオス・地球_438_現代ネット政治=文化論・第7章・ゲーム・ポケモンGO」

ポケモンGO】ついに新機能が登場!GOスナップショットでポケモンとふれあってAR撮影が出来る!?【Pokemon GO

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=XLVL_pG8-BU

ポケモンを捕まえる


AR+モードでポケモンを捕まえる

Pokemon GOヘルプセンター
AR+モードでポケモンを捕まえるためには、トレーナーはポケモンへ近づく必要がありますが、 事前にポケモンがいる場所まで安全に近づけるかを確認してください。

野生ポケモンと遭遇したときと同じように、ポケモンモンスターボールを投げましょう。 うまくいけば、ポケモンを捕まえることができます。
https://niantic.helpshift.com/hc/ja/6-pokemon-go/faq/28-catching-pokemon-in-ar-mode-1712012768/

『現代ネット政治=文化論――AI、オルタナ右翼ミソジニー、ゲーム、陰謀論アイデンティティ

藤田直哉/著 作品社 2024年発行

安倍元首相銃撃犯・山上徹也の深層、「推し」に裏切られた弱者男性、インセル陰謀論者、負け組、オタクたちの実存の行方、ニセ情報の脅威、倍速で煽られる憎悪…。揺らぐ民主主義と自由。加速するテクノロジー、そこに希望はあるのか!ネットネイティブ世代の著者が徹底検証。

Ⅶ ネット方面見聞録(『朝日新聞』2019年4月ー2023年12月) より

ドラクエが変える「現実」(2019年9月)

スマホでプレーする位置情報ゲーム『ドラゴンクエストウォーク』が9月12日に配信開始され、早くも500万以上もダウンロードされている。スマホの画面上にグーグルマップと連動した現実世界の地図が表示され、プレーヤーが歩くと、画面の中のキャラクターも地図の上を動く仕組みになっている。

現実世界を国民的RPGドラゴンクエスト』の世界に見立てて遊ぶようになっており、たとえば近所のお店や公園が、「悪戯の洞窟」や「ハイルの村」になり、そこまで歩いて冒険することになる。小さい頃に多くの人が「想像力」を使って行っていた「ごっこ遊び」を、現在ではスマホの支援のもとで、大人がやっているのだ。

いくつもの風景がまるでドラクエの世界のように見えて、冒険の気分になると普段は見過していた道や施設を思わず探索してしまう。そのことで日常の景色が変わり、新鮮に捉えなおすことができる。芸術分野でよく使われる「異化効果」に近いものを、私たちが生きているこの現実に施してくれることが、このゲームの魅力である。

ドラクエはかつてはゲームの世界であり、現実世界から切り離された別世界のように感じられた。

それが、「現実」の上に重ね合わせられるということの快感もある。スライムなどのモンスターも、スマホのカメラ越しに道路などにいるように表示できる。虚構の存在であるキャラクターたちが、確かな実在の手応えを得たように思われるのだ。それは4ドラクエの熱狂した世代、ゲーム世代の人々が「この世界」を生きることを勇気づけてくれるものであり、だからこがそ大ヒットしたのであろう。

スマホを使った位置情報ゲームは、ARゲームとも呼ばれる。AR(Augmented Reality)とは「拡張現実」のことで、この現実世界になにがしかの情報を上書きしたり追加するものである。先行作として『Ingress』、ポケモンGOなどがある。私たちは、キャラクターたちがいる世界で、まるでゲームのような冒険をしているかのように、この現実世界を感じたいのだ。もはや、デジタル世界と現実世界は、二項対立ではないかのようだ。

これらのゲームは人々を外に連れ出し、見知らぬ人々と出会わせ、協調行動をさせる。行動や世界の関わり方をも大規模に変える。運動の習慣が健康にも良いと、良い点はたくさんある。

しかし、懸念もある。ながら運転や、歩きスマホでの事故はそのひとつだ。そして、もっと深く静かに進む「想像力」の変化が気になる。事実の上に何かを「重ね書き」するという感覚が当たり前になってくると、私たちの世界の感じ方は変わらないか。「現実」を確固としたものと見なさず、いくらでも上書きできると感じるようにならないだろうか。新しいメディアが生み出す新しいリアリティーの行方を、注視したい。