じじぃの「緑のライオンと太陽・天空の錬金術!どんでん返しの科学史」

The green lion eating the sun

Cosmog, Cosmoem, Solgaleo and Lunala

Jun 28, 2019 Pokemaniacal
“The beast that devours the sun” is actually kind of an interesting motif in mythology too. Several ancient cultures attributed eclipses to powerful magical creatures that pursue and try to consume the sun (although I don’t think it’s ever a lion). Perhaps most famously, in Norse mythology, the great wolf Fenrir is supposed to devour the sun and moon at the end of time as part of Ragnarok, the great battle at the end of the world. In some versions, Fenrir has two children, Skoll and Hati (“treachery” and “hate”) who pursue the sun and moon respectively.
https://pokemaniacal.com/2019/06/28/cosmog-cosmoem-solgaleo-and-lunala/

『〈どんでん返し〉の科学史 - 蘇る錬金術、天動説、自然発生説』

小山慶太/著 中公新書 2018年発行

天空の錬金術 より

20世紀に入ると、太陽光のスペクトル分析から太陽の組成が詳しく測定できるようになり、そのほとんどが水素とヘリウムであることが明らかになる。また、太陽の中心部での圧力や温度に関する知見も得られるようになってきた。
こうした流れのなか、1938年、アメリカのベーテ(出身はドイツ)は太陽のエネルギー源が水素の核反応に求められるとする論文を発表した。その概略を述べると、次のようなプロセスになる。
2つの陽子(水素の核)が衝突して、重水素(陽子1個と中性子1個からなる水素の同位体)が形成される。このとき、陽電子が放出されるので、反応前後で電荷は保存される。さらに、こうして生まれた重水素が2個の陽子と合体してヘリウムの核がつくられる。要するに4個の陽子がくっついて、ヘリウムの核に変換されるわけである。
いままで見てきた放射性元素の崩壊やアルファ線、陽子の照射による原子核の人工的な破壊実験とは逆に、太陽(一般に恒星)の中心部では軽い元素の核が融合する現象が進行している。これは水素やヘリウムなどの軽元素に特有の反応になる。
そこで、反応前にあった4個の陽子の質量と反応後に生じたヘリウムの核およびその際、放出される陽電子の質量の和を比べてみると、後者は前者よりも少し軽くなっている。これを質量欠損という。こうして失われた質量はどこに行ってしまlったのかというと、アインシュタインの有名な式 「E=mc2」 に従ってエネルギーに生まれ変わるのである(Eはエネルギー、mは質量、cは光速)。光速は速度の上限で、大きな値になる。その二乗はさらに大きな値となる。したがって、ほんのわずかな質量でも核融合を通してエネルギーに変換されると、それは莫大な量に達する。これが太陽のエネルギー源である。つまり、太陽は核融合という錬金術を営みながら、輝きつづけているわけである。

緑のライオンと太陽 より

ところで、錬金術に関する書物を開くと、緑のライオンが太陽をくわえている奇妙な図柄の絵をよく見かける(画像参照)。
16世紀中葉に著された『哲学者たちのバラ園』という書物に描かれたものだという。そこに込められた寓意については、錬金術の神秘思想と物質観にもとづいて、いろいろな解釈がなされてきた。
それはそれとして、この絵を見ていると、こんなイメージが浮かんでくる。

ライオンを科学という人間の知的営みに仮託してみる。すると、太陽をつかまえたライオンの姿は、20世紀の核物理学が地上の生命を支える太陽のエネルギー原をついに捉えた成果を表わしているようにも映る。一度は否定される運命にあった秘術を象徴する絵に、現代科学を投影することができるわけである。

450年の時を超えて、こうしたある種のシンパシーと幻想を抱くような読み解きを誘発するところにも、錬金術の不思議な根深さがあるのかもしれない。

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どうでもいい、じじぃの日記。
国際熱核融合炉「ITER」・・・核融合炉は太陽が輝く原理と同じ反応を起こすため「地上の太陽」と例えられる。燃料1グラムで石油8トンと同等のエネルギーが得られるとされる。日米欧など7ヵ国・地域がフランス南部に建設中の国際熱核融合実験炉「ITER(イーター)」の主要部分となる核融合炉の組み立て開始式典が28日、現地で開かれた。建設に参加する量子科学技術研究開発機構などの研究者らもネット中継で見守った。2025年の運転開始を目指す。
「ところで、錬金術に関する書物を開くと、緑のライオンが太陽をくわえている奇妙な図柄の絵をよく見かける(画像参照)」
ライオン → シーサー(沖縄の守神)
シーサー → イーター(ITER
人工太陽が見られる日が近づいているようです?