じじぃの「チカラシバ・手で握ると毛虫のようでおもしろい?目からウロコの自然観察」

ポージィの花etc.記

2007/10/23
●久し振りの チカラシバ
子供のとき、チカラシバの穂を親指から中指までの3本の指先でギュッと摘まんで、下から上へしごいて茎から外し「ほらっ、栗だよ!」と見せ合いっこするという瞬間遊びをしたことを思い出します。
http://fshop-posyposy.cocolog-nifty.com/posyposy/2007/10/post_d6cb.html

チカラシバ

ウィキペディアWikipedia) より
チカラシバ(力芝、学名:Pennisetum alopecuroides)は、単子葉植物イネ科の多年草。道端によく見かける雑草のひとつで、ブラシのような穂が特徴的である。
役に立つ面は少ないが、子供のおもちゃになることがある。穂をちぎって手のひらの中に握り込んで、ゆるゆると握ったり開いたりすると、小穂の毛が斜め上に向いているから、次第に穂の下側の方へと進んで行くのが、毛虫のようでおもしろいと言う。また、これを穂の下側の方から、長ズボンの裾から送り込んでやると、引っ張り出すのが難しく、体が動くにつれて中へともぐりこんで行く。それを見て笑うのであるが、うっかりするとパンツの中までももぐりこむので、結構痛い思いをする。

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『カラー版 - 目からウロコの自然観察』

唐沢孝一/著 中公新書 2018年発行

犬の天敵、チカラシバ より

9月下旬~10月ころの江戸川では、土手一面にキンエノコロやアキノエノコログサチカラシバ、カゼクサなどの穂が伸びて、逆光に輝くながら風に揺れて実に美しい。
注目したいのはチカラシバやカゼクサの群落が、土手の上の遊歩道や管理用の車道に沿って発達していることだ。特に車道では、車の轍(わだち)のあいだにはカゼクサが、道の両脇にはチカラシバが分布している。これらの雑草は、ひたすら踏みつけに耐えることにより他の雑草との競争に打ち勝ってきたのである。
皇居北の丸公園で行った木鳥会(目黒区)の秋の観察会でのこと。チカラシバチカラシバの穂が見頃だったので、イネ科植物の芒に注目し子どものころの遊びをいくつか紹介した。
農道の両側に沿って生えているチカラシバの葉を結んで輪をつくり、そうとも知らない友達が足をひっかけて転ぶ、という悪戯(いたずら)。あるいは、穂を手にとり、握ったり放したりを繰り返すと、穂がどんどん上に移動するマジックなど。チカラシバの話題で盛り上がったとき、参加者の1人である愛犬家の女性が、「チカラシバは犬の天敵なんですよ」という。種子が犬の毛に付着し、内へ内へと移動し、ついには皮膚に食い込んで出血するという。
そういえば筆者も、チカラシバの種子が靴下に食い込み、皮膚に刺さったという痛い経験をしている。穂から小穂(種子)を抜き取り、ルーペで拡大してみると、小穂の基部から沢山の芒がほうき状に出ているのが見える。芒にはびっしりと小突起があり衣服に付着する。また小穂の柄には細かい逆刺(ぎゃくし)が密生しており、犬や靴下に付着すると、振動するたびに内側へ食い込んでくる。
イネ科植物の芒は、農家にとっても、犬にとってもやっかいものであるが、チカラシバの立場から見れば、これほど重要なものはない。スズメやカワラヒワなどの種子食の鳥は、逆刺のある芒を嘴でいちいち取り除かねばならない。また、犬の毛や靴下に食い込んでいく推進力は、種子が土に向かって進んでいくのに役立っている。