じじぃの「科学・芸術_263_小説『星の王子さま』」

Antoine de Saint Exupery 動画 Youtube
https://www.youtube.com/watch?v=8hcpdhT8jyU
The Little Prince

宮崎駿サン=テグジュペリと飛行機』〜空のいけにえ〜「風立ちぬ」「紅の豚」をもっと楽しもう♪ 2013-09-06 カラー ハント パーティー
宮崎駿さんが、児童文学に興味を持っていた20歳の頃に読み、深く影響された、サン=テグジュペリの足跡を辿る旅のドキュメンタリーです。
サン=テグジュペリは「星の王子さま」などを書いた作家として有名ですが、実は貴族出身ながら、男の愛とロマンをもつ、やんちゃで憎めない飛行機の操縦士(野郎)でした。
(サン=テグジュペリについて語ると長いのでやめておきます。)
みどころは…、
サハラの上空で宮崎駿さんが
サン=テグジュペリに“一番”影響を受けたんですよ、ぼくは、けっきょく(感動泣)」
と涙を流し笑顔で言うシーンでしょうか。
https://ameblo.jp/colorhunt1/entry-11588850874.html
『世界文学大図鑑』 ジェイムズ・キャントンほか/著、沼野充義/監修 三省堂 2017年発行
涙の国というのは、本当に不思議なところなんだ 『星の王子さま』(1943年) アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ より
第2次世界大戦の勃発前後から、多くの作家が祖国からの脱出を強いられた。ロート、ブレヒトツヴァイクツェランといった作家が亡命生活で書いた作品の多くに、陰鬱で物悲しい強襲が表れている。アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリも亡命作家であり、ナチスに占領されたフランスを脱出して、ニューヨークで『星の王子さま』を書いた。
この時代のほかの傑作と同じく、『星の王子さま』も、戦争がもたらした政治的背景や社会状況影響を強く受けている。この作品はさまざまな観点から読まれてきた。普遍的な倫理を示す哲学的な寓物語として、子供向けのおとぎ話として、夢物語の形を借りた自伝として、そして時代状況の直接的な繁栄として、これらの解釈のすべてが亡命文学のほかの作品にもあてはまる。
亡命先で生まれた作品であることを考えると、この小説のタイトルでもある王子が荒涼とした砂漠に落ちてきた異星人の少年であることは不思議ではない。パイロットである語り手は、飛行機が不時着したその場所で少年に遭遇する。
捨てること、さすらうこと、逃れること、そして不安定であることが『星の王子さま』の物語の特徴である。一見子供向けの単純な話のようだが、この作品は大人と子供の両方に向けて書かれている。サン=テグジュペリは、子供時代は成長の一過程であり、この時期の最大の関心事は他人とのちがいだという考えを、児童文学の名作群から取り入れている。王子は地球をさまよう異星人であり、大人の世界で迷子になった子供である。しかし、戦争を引き起こした(サン=テグジュペリにとっては、自分を故国から追放した)大人の社会に疑問を投げかける道徳観が満たされている。子供が痛みとともに成長して、大人という未知の領域に足を踏み入れるように、亡命生活も世界での自分の居場所を失ってふたたび手に入れる過程なのだ。
大人の世界への違和感と、王子の異質性への称賛とが結びついたこの作品は、政治的批評としても読まれてきた。王子の故郷の星でバオバブの木が一気にひろがるさまは、ナチズムという時代の「病」と、そのナチズムがサン=テグジュペリの愛するフランスを含むヨーロッパ全土に拡大し、すべてを破壊していく状況を指していると解釈されている。