じじぃの「未解決ファイル_173_パラダイムシフト」

LIGO: The First Observation of Gravitational Waves 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=wrqbfT8qcBc
What is Gravity? - Newton vs. Einstein 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=6MJ0lTEhoL8
エレガントな宇宙(超ひも理論)第1回アインシュタインの見果てぬ夢 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=479SrqufkDk
南部陽一郎

数学ミステリー白熱教室 第4回「数学と物理学 驚異のつながり」 (追加) 2015年12月4日 NHK Eテレ
【講師】エドワード・フレンケル(カリフォルニア大学バークレー校教授)
抽象的な数学を突き詰めれば、やがてこの宇宙の法則を次々と解明することに繋がるとも考えられるのだ。
それにしてもなぜ、抽象世界を描くはずの純粋数学が、現実を記述する物理学と深いつながりを持つのか。
今回、特に話をしたいのは、量子物理学とのつながりだ。
数学とは全く異なる、物理学の世界ともつながりがありうる。
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最後に伝えたい言葉がある。
アイザック・ニュートンの言葉だ。
 私は浜辺で遊ぶ子どものようだった。
 浜辺ですべすべした小石や美しい貝殻を拾って喜んでいた。
 しかし、私の目の前には真理の大海原が発見されることなく広がっていたのだ。
http://www.nhk.or.jp/hakunetsu/math/detail04.html
ヒッグス粒子ノーベル賞=提唱の英教授ら、物理学賞 2013/10/08 時事ドットコム
スウェーデン王立科学アカデミーは8日、2013年のノーベル物理学賞を、万物に質量を与える「ヒッグス粒子」の存在を提唱した英エディンバラ大のピーター・ヒッグス名誉教授(84)とベルギーのブリュッセル自由大のフランソワ・エングレール名誉教授(80)に授与すると発表した。ヒッグス粒子を発見したスイスの欧州合同原子核研究所(CERN)の実験には、多数の日本人研究者が貢献した。
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013100800904
パラダイムシフト」、ガリレオがひっくり返した科学 2009年10月27日 AFPBB News
今からちょうど400年前にガリレオGalileo Galilei)が空をのぞいた望遠鏡は、今では子どものおもちゃ程度のものでしかない――しかしその望遠鏡は、われわれの知識の根幹を覆し、宇宙に関する概念を変えた。
ガリレオが発明した筒眼鏡(望遠鏡)は、遠くの対象物を9倍に拡大して見せるものだったが、当初は天文学の用途としては受け取られなかった。この装置が初めてベネチアで公開されると、議員らの頭には軍事面での有用性が浮かび、喜んだ彼らはガリレオの給料を倍にするとともにベネチアの最高学府の終身教授に任命した。
1609年10月、45歳のガリレオは自ら製作した屈折望遠鏡を空に向けたが、彼がこの高倍率の望遠鏡で「のぞいたもの」はのちに科学革命、つまり「パラダイムシフト(これまでの概念が覆され、新たな概念が主流となること)」をもたらすことになる。
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2657101/4816226
宇宙の未来を探る 2010年5月6日 KEK高エネルギー加速器研究機構
宇宙のほとんどはダークマタ―とダークエネルギー(右)。星や私たち自身を形作る通常の物質は4%にすぎません。色のついたゼリービーンズの数(左)がそれに相当します。
それらは「宇宙膨張を減速させる成分(A)」と「宇宙膨張を加速させる成分(B)」です。(A)は宇宙にある物質の量に関連があります。物質と物質の間では重力が働きます。この重力が引力となるので、宇宙膨張は減速されます。一方、(B)は物質とは反対の負の圧力をもつ成分で、アインシュタインが、宇宙の膨張や収縮を防ぐために方程式に導入した「宇宙項」としても知られています。この成分は全く正体不明なため、「ダークエネルギー」または「暗黒エネルギー」と呼ばれています。最近の超新星の観測から、現在宇宙膨張はどんどんと加速されているということが分かり、暗黒エネルギーが現実に存在する可能性が高くなってきました。
更に2つの成分の比率も分かってきました。(A)は宇宙の27%、(B)は73%。なんと、宇宙の大半がダークエネルギーで占められているという訳です。しかも、これまでに私たちが知っている原子を作っている物質は、宇宙を満たす物質やエネルギー全体の4%にしかすぎないため、残りの23%を占める未知の物質があることも分かったのです。物理学者は、この正体の分からない物質をダークマター(「暗黒物質」とも呼ばれます)と名づけました(図1)。
http://legacy.kek.jp/newskek/2010/mayjun/darkmatter.html
クローズアップ現代 「ヒッグス粒子発見 巨大実験の舞台裏」 2012年7月19日 NHK 動画あり
【キャスター】国谷裕子 【ゲスト】村山斉(東京大学数物連携宇宙研究機構長)
宇宙の成り立ちに欠かせないものとして、半世紀近く前にその存在が予言されながら、見つけることができなかった謎の素粒子ヒッグス粒子」。日米欧などの国際的な研究グループが、巨大な「加速器」と呼ばれる実験装置を使って探し続けた結果、ついに、そのヒッグス粒子と見られる素粒子が見つかった。世界各国の科学者6千人の力を結集した巨大実験は、どのように行われたのか。日本の科学者を中心に取材し、“世紀の発見”までの知られざる舞台裏に迫る。
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3231_all.html
パラダイムシフト ウィキペディアWikipedia)より
パラダイムシフト(英: paradigm shift)とは、その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが革命的にもしくは劇的に変化することを言う。パラダイムチェンジとも言う。
科学史家トーマス・クーンが科学革命で提唱したパラダイム概念の説明で用いられたものが拡大解釈されて一般化したものである。
パラダイムシフトは、狭義では科学革命と同義である。
【要因】
パラダイムシフトの例として、まず旧パラダイム(例:天動説)が支配的な時代は、多くの人(科学者)がその前提の下に問題解決(研究)を行い、一定の成果を上げるが、その前提では解決できない例外的な問題(惑星の動きがおかしい)が登場する。このような問題が累積すると、異端とされる考え方の中に問題解決のために有効なものが現れ、解決事例が増えていくことになる。そしてある時期に、新パラダイム(地動説)を拠り所にする人(科学者)の数が増えて、それを前提にした問題解決(研究)が多く行われるようになる。以後、以上の動きが繰り返される。
クォーク ウィキペディアWikipedia)より
クォーク (quark) とは、素粒子のグループの1つである。レプトンとともに物質の基本的な構成要素であり、クォークハドロンを構成する。クオークと表記することもある。
【概要】
クォークは、現在の実験的事実から内部構造を持たないとされており、レプトンゲージ粒子およびヒッグス粒子とともに標準模型を構成する素粒子のグループである。クォークどうしは結合してハドロンと呼ばれる複合粒子を形成する。最も安定なハドロンは、原子核の構成要素である陽子および中性子である。
クォークは、6種類(フレーバーと呼ばれる)存在し、三つの世代を形成する。すなわち、第一世代のアップ、ダウン、第二世代のチャーム、ストレンジ、および第三世代のトップ、ボトムである。各世代は、電荷が正のものと負のもので対を作っている。クォークの質量は世代が上がるごとに増加する。より重たいクォークは粒子崩壊(高質量状態から低質量状態への変換)の過程を経てすぐにアップおよびダウンクォークに変化する。このようにアップおよびダウンクォークは安定であり、宇宙の中で最も多く存在するクォークである。一方のチャーム、ストレンジ、トップおよびボトムは、宇宙線や粒子加速器の中で起こるような高エネルギー衝突の中でしか生成されない。

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『マンガ超ひも理論 我々は4次元の膜に住んでいる』 川合光/著、高橋繁行/画 講談社 2002年発行
中学生から理解できる世界初のマンガ版!!
なんと、「キミがヒモからできている」「宇宙もヒモからできている」!! 最新・究極の物理学「超ひも理論」がマンガで簡単にわかる。この1冊でアインシュタインを超え、ノーベル賞に一歩近づける!!

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ヒッグス粒子の発見』 イアン・サンプル/著、上原昌子/訳 ブルーバックス 2013年発行
南部陽一郎の論文と出会って
物理学科でのヒッグスは、秘書のオフィスに毎週持ち込まれる学術誌の管理を引き受けた。彼はそれらにザッと目を通し、拍子に日付を記して、他の研究者のために書棚に整理していた。
1961年の春、新しく届いたばかりの雑誌の1冊を手に取り、ページをめくっていたヒッグスは、ふとある記述に目を止めた。シカゴ大学の物理学者、南部陽一郎が、素粒子はどのようにしてその質量を獲得したのかを説明するために、超伝導体の理論を利用した論文を書いていたのだ。南部はシカゴにやって来る前に、アインシュタインとともに研究に取り込み、大きな評判を得ていた。同僚たちは南部について、「はるか先を行っていることが多いので、人は彼のことが理解できない」と語っている。
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南部の発想の大転換は、宇宙で起こった他の対称性の破れが、質量のない書粒子に質量をもたらしたのではないかというものだった。彼の論文は結果として、陽子や中性子、その他いくつかの素粒子に質量を与える対称性の破れがどのようにして起こりうるかを大まかながら説明していた。その研究は、何1つ確かめられていなかったが、ヒッグスを含め、多くの科学者たちの心に種をまいた――「対称性の破れ」は、質量の起源を探るカギになるかもしれない。

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『現代素粒子物語』 中嶋彰/著、KEK協力 ブルーバックス 2012年発行
覆った自然科学 (一部抜粋しています)
パラダイム・シフトという言葉がある。
人類は神が創ったと聖書の教えを素朴に信じていた人々は、本当は人類という種は猿が進化した生き物だと知った時、冷静を保てただろうか。アインシュタインの考案した相対性理論によってニュートンの力学が陳腐化した時、当時の知識人はどれほど驚いただろうか。
このように時代や集団を支配していた世界観や常識が劇的に変化し覆ってしまう事態を指す言葉がパラダイム・シフト。本章の主題となる暗黒物質ダークマター)もまた現代にパラダイム・シフトをもたらした巨大な存在であることは間違いない。
私たちはこの世界のありとあらゆるもの――花もドレスもスマートフォンも――は原子でできており、さらに原子は原子核と電子からなり、そして原子核は陽子と中性子で構成されている、と学校で教えられてきた。
ところが宇宙物理学の最新の成果によれば、これら目に見える物質は宇宙の4%ほどを占めるに過ぎなかった。肉眼では見ることはできないが暗黒物質という謎の物質が、今、この本を読んでいるあなたのまわりのそこかしこを飛び回り、宇宙の約23%に達するというのだ。
つまり暗黒物質は通常の物質の5倍以上もある。
古代ギリシャの哲学者デモクリトスは「あらゆるものは原子でできている」と有名な原子論を唱えた。だが今や旧来の教えは通用しない。原子は宇宙の4%ほどしか占めていない。私たちがこれまで信頼してきた自然科学の常識はひっくり返ったのである。
もっと驚くべきは、暗黒物質がもしなかったら、いまの宇宙は成り立たなかったことだろう。ビッグバンの直後に生まれた暗黒物質の群れは巨大な重力で他の暗黒物質の集団や、陽子や中性子などの通常の物質を引き寄せ、やがて恒星や銀河、銀河団をつくっていった。
いわば地球や太陽系があるのは暗黒物質のおかげ。もし暗黒物質が今、宇宙からなくなれば宇宙はバラバラになってしまう。地球も、その上にいるちっぱけな私たち人類も運命は同じである。

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どうでもいい、じじぃの日記。
2012年7月4日、万物に質量を与えると考えられてきた「ヒッグス粒子」を発見したと、スイスにある欧州合同原子核研究機関(CERN)が発表した。
このヒッグス粒子の発見後に書かれた本は、発見前に書かれた本とでは内容が異なるのだろうか。
図書館で新刊書コーナーを覗いてみたら、中嶋彰著、KEK協力 『現代素粒子物語』があった。発行日が2012年6月20日になっている。
ヒッグス粒子発見の直前に出た本だ。ぱらぱら、本をめくったら、ヒッグス粒子発見を前提にして書かれている。まあ、現段階では素粒子について書かれた最新の本なのではないだろうか。
少しまとめてみた。
素粒子は物質を構成する最小単位だ。物質をつくる12種類と、物質に力を伝える5種類の計17種類がすでに確認されている。しかし、標準理論(素粒子物理学の3つの基本的な力、強い力、弱い力、電磁力を記述するための理論)の重要な骨格となるヒッグス粒子だけが見つからずにいた。ヒッグス粒子は物質に力を伝える5種類のうちの一つだ。しかしヒッグス粒子が見つかり、標準理論が完成しても標準理論で説明できるのは宇宙を構成する物質のうち全体の4%だけにすぎないことが分かってきた。宇宙を構成する物質のうちの残りの96%は正体不明の暗黒物質ダークマター)や暗黒エネルギーが占めているのだという。
       NHK クローズアップ現代 「ヒッグス粒子発見 巨大実験の舞台裏」 2012年7月19日 より
国谷 見つけてみたら、ヒッグス粒子ってどんなものだったんですか?
村山 これが奇妙なんです。今まで見たこともない粒子。今まで見たことがある素粒子は16個あるんですが、そのうち12個は物質を作る粒子で、あと4種類は物と物が力を及ぼす粒子。どちらもわけが分かった粒子です。ところがこのヒッグス粒子は完全に性質が違う。物質でもないし、力でもない。物に秩序を作るという、まったく違う働きをしている。秩序を作るといっても1人でなのか、2人でなのか、本当にところはまだ分からない。見つかってみると、このヒッグス粒子はどこから来たのか、どんな人なのか、何人いるんだろう、と分からないだらけなんです。
国谷 初めて見たヒッグス粒子から、これからの研究はどんなふうになっていくのですか?
村山 ヒッグス粒子のおかげで、どうして原子ができたかということが分かった。でも驚くことに宇宙の中で、私たち原子が占める割合は実は5%に満たないんです。せっかく原子ができて、それを集めて、星をつくる。銀河をつくる。そして人間をつくってと。そのためには暗黒物質といわれる全く未知の物質が必要なんです。ヒッグス粒子が開いた窓を通して、向こうの世界が見えてくるんじゃないかということを期待しています。
この本によると、我々の世界は、
素粒子は大きく2種類に分類され、物質を構成する粒子をフェルミ粒子、力を媒介する粒子をボース粒子と呼ぶ。物質を構成するフェルミ粒子は更に、クォークレプトンに分類される。
我々の世界はメンデレーエフ周期表の世界だ。自分の目で確認できる「原子」からなる世界だ。原子は原子核(陽子と中性子からなる)と電子から成り立っている、と学校で教わった。
陽子と中性子に電子を加えれば100以上の種類があるすべての原子を作ることができる。
現代の科学では陽子と中性子素粒子の席から退き、代わってクォークが誕生してきた以上、アップクォークダウンクォークと電子さえあれば、私たちの身のまわりにあるあらゆるものを作ることができる。と書き直さねばならない。
クォークは全部で6種類が発見されている。だが地球上の元素を作るにはアップ、ダウン以外はいらない。他の4つは通常の物質の中には存在せず、宇宙から降ってくるか粒子加速器の中などでしか見ることができないクォークだ。陽子と中性子の構成要素はアップクォークダウンクォークだからだ。
私たち生き物の体を構成している細胞は、酸素や水素、炭素、窒素などのさまざまな種類の原子が組み合わさってできている。そして、こうした元素は例外なく2種類のクォークと電子でできているのである。
真理は単純で美しい。わずか2種類のクォークと電子だけで、この世に存在する原子をすべて創り出てしまう素粒子はなんと単純明快で美しい存在なのだろうか。
これが、我々の世界だ。宇宙を構成している4%の世界。後の96%は未知の世界なのだ。
さらに、この本では南部陽一郎博士のことに多くの説明をしている。
予言者と呼ばれた南部
南部陽一郎素粒子物理学の世界で「予言者」という異名を持っている。自発的対称性の破れにみるように、数年後に流行するアイデアをいち早く考案する先見性のゆえんである。
クォーククォークの間で働く強い力の源泉である「色荷」という概念の提唱。世界に先駆けた南部のアイデアを元に素粒子の標準理論の一翼を担う量子色力学は発達した。
クォークを「粒」ではなく、一次元の「ひも」と考える「ひも理論」の創始者もまた南部。
超ひも理論」として再び表舞台に登場している。
今から約400年前、ガリレオが空をのぞいた望遠鏡は、今では子どものおもちゃ程度のものでしかない。しかしその望遠鏡は、われわれの知識の根幹を覆し宇宙に関する概念を変えた。
日本の南部陽一郎博士の自発的対称性の破れ、ひも理論は、ガリレオの望遠鏡のような、パラダイムシフトを与えようとしている。