【中1 理科 地学】 火成岩の分類 (12分)
玄武岩質のマグマができる過程
マグマのでき方1:中央海嶺とホットスポットのマグマ
大鹿村中央構造線博物館
マグマと岩石が共存している部分融解の状態では、融けやすい成分が多くマグマに入るので、かんらん岩質のマントルの部分融解により、玄武岩質のマグマができます。
https://mtl-muse.com/study/kashio-spring/magma1/
はじめに より
岩石に刻まれた記録を調べるほど、生物と無生物のどちらも含めた自然界が、何度も形を変えているのがわかる。
これまで語られなかった壮大で複雑に絡み合った生命と非生命の領域には驚きがあふれている。私たちはそれらを分かち合わなくてはならない。それは私たちが地球だからだ。地球上の物質すべて、私たちの肉体をつくる原子と分子も、地球から生まれ、地球に戻る。私たちの故郷を知ることは、私たちの一部を知ることなのだ。
第1章 誕生 地球の形成
第2章 大衝突 月の形成
第3章 黒い地球 最初の玄武岩の殻
第4章 青い地球 海洋の形成
第5章 灰色の地球 最初の花崗岩の殻
第6章 生きている地球 生命の起源
第7章 赤い地球 光合成と大酸化イベント
第8章 「退屈な」10億年 鉱物の大変化
第9章 白い地球 全球凍結と温暖化のサイクル
第10章 緑の地球 陸上生物圏の出現
第11章 未来 惑星変化のシナリオ
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第3章 黒い地球 最初の玄武岩の殻 より
元素のビッグ6
地球の初期の進化は、相互に絡み合った2つの化学的事実の結果だった。1つは宇宙化学(元素のできかた)、もう1つが岩石化学(岩石のできかた)である。まず現れたのが宇宙化学であり、恒星とすべての重元素――周期表の水素とヘリウム(原子番号1番と2番)より先の元素――の生成だった。この宇宙では、いくつかの化学元素が優勢を占めるよう運命づけられた。とくに岩の多い地球型惑星では、酸素、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、そして鉄が、他の重元素すべてより大きな影響力を持ち、これら6つの元素で地球の質量の98パーセントを占める。地球の衛星である月、水星、金星、火星でも同様だ。
これら”ビッグ6”の元素は、特有の化学反応を経験してきた。大衝突のあとそれぞれが独自の形で、地球がなるべき姿になるのを手助けしている。その鍵は化学的結合だ。原子には安定した電子配列の状態というのがあり、そのために必要な電子の数としてよく知られているのが、2個、10個、18個という魔法の数だ。原子には、もともと持っている電子の数を増やしたり減らしたりして、この安定した状態になろうとする性質がある。しかしそのためには、電子を手放す原子と、それを受け入れる原子が存在しなければならない。
酸素は地球で電子を受容する主たる存在だ。どの酸素原子にも、核に正の電荷を帯びた陽子が8個ある。そこに負の電荷を帯びた電子が8個あれば電荷的にバランスが取れる。しかし酸素には常にさらに2つの電子を求めて、魔法の数である10にしようとする。この性質のために、酸素は自然界でも屈指の、反応しやすく腐食性の高い気体となっている。実は厄介な物質なのだ。
玄武岩
基本的に、鉱物の進化の物語は、その岩石に起こるべくして起こった過去の出来事によって決まる。鉱物が形成されるどの段階も、前段階からの流れで必然的に起きたことだ。地球に初めてペリドタイトの地殻が生じたのは重要な出来事だが、原始のマグマの海に生じた未熟な段階であり、ほんの束の間のことだった。やがてそれが冷えて硬くなると、密度が高すぎて地表近くには留まれなくなり、再び地球の深みへと沈んだ。地球の表面をおおうのに求められたのは、もっと密度の低い別の岩石だった。それが玄武岩である。
すべての地球型惑星の表面近くの岩石には、黒い玄武岩が最も多い。小惑星衝突の傷跡が残る水星の外側はほとんどが玄武岩だ。温度が高く山の多い金星、乾燥した赤い星の火星も同様だ。黒い斑点のように見える月の海は、黒い玄武岩の溶岩が固まったもので、白っぽい斜長岩の高地と鮮やかな対照をなしている。そして地球に目を移すと、すべての海の底を含め、地表の70パーセントが玄武岩だ。
玄武岩にはさまざまな特徴を持つものがあるが、2種類のケイ酸塩鉱物が主な成分であるのはすべてに共通している。1つは斜長岩。これはアルミニウムを含み、地球型惑星と月において最も重要、かつ地球の地殻に最も多い鉱物である。私がMITで師事したデイヴィッド・ウォンズ教授がかつてこんなアドバイスをくれた――「素性がわからない石を見せられて、何の鉱物が訊かれたら、『斜長岩』と答えておけば、90パーセントは正解だ」。2つ目は輝石である。ありふれた鎖状ケイ酸塩鉱物で、ペリドタイト(カンラン石)にも見られる。輝石は一般的な鉱物としては珍しく、ビッグ6の元素すべて(さらにそこまで一般的でない元素も)を含む場合がある。
玄武岩の主成分である斜長岩と輝石の成り立ちを理解するには、溶けたり固結したりする岩石の奇妙な習慣を考える必要がある。45億年前、地球のマグマの海が冷えると、まずカンラン石が形成され、そして少量の灰長石、そして大量の輝石ができた。その結果生じたケイ酸マグネシウムの岩がペリドタイトで、上部マントルの大半を占めていた。ペリドタイトの塊が形成されて沈むと、再び熱せられて一部がまた溶けた。
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玄武岩質マグマが惑星の表面に現われるには、2つの補完的な方法がある。華々しいのは火山の噴火によるもので、ハワイやアイスランドなどで起こるように真っ赤なマグマが噴き出して川となって流れる。あのような劇的な噴火は、水をはじめとする揮発性物質が引き起こす。揮発性物質は2キロメートルもの地下では高い圧力がかかり、液状ケイ酸塩にずっと閉じ込められているが、地表近くでは爆発性のガスに変わる。爆発をともなう火山活動では、灰や毒性ガスを成層圏に放出し、車と同じくらいの大きさの”火山弾”を打ち込んで、周囲の土地を押しつぶすことがある。
こうして玄武岩が溶岩や灰として噴き出し、層が重なっていくうちに、数キロメートルに及ぶ高い山と何千平方キロメートルもの土地が黒い岩でおおわれる。このタイプの玄武岩質マグマと灰は、ガラス質が豊富で粒子が非常に細かいため、冷えるスピードが速く結晶化が起こる間もない。
その結果できたのが、溶岩が固まった、とりたてて特徴のない黒い地殻だった。他の特徴的なカンラン石玄武岩は、ペリドタイトが比較的浅いところ(地下30キロメートル以内)で部分的に溶けたときにしか生じないが、融解・凝固の第1段階に地下で形成された光沢のあるカンラン石結晶をいくらか含み、この緑色の結晶が黒色の岩石に彩を添えている。