じじぃの「いまだによくわからない」反論

産経抄9月9日 2009.9.9 MSN産経ニュース
なかなかご立派な宣言ではある。1週間後に首相のイスに座る民主党鳩山由紀夫代表は、平成32(2020)年に温室効果ガスを平成2年に比べて25%削減すると大見えを切った。現政府案とはえらく違うが、将来の予行演習なのだろう。公明党環境相が歓迎するおまけまでついた。
▼産業界は「荒唐無稽(むけい)だ」「経済活動に制約が出る」と強く反発しているが、「環境」と「エコ」の二枚看板は、今や黄門様の印籠(いんろう)と同じ。反対派はいずれ、「守旧派」のレッテルをはられ、恐れ入りましたと平伏せざるを得ないのだろうが、どうも胡散(うさん)臭い。
二酸化炭素(CO2)が増えるとなぜ地球が温暖化するのか、いまだによくわからない。もっとわからないのは、発展途上国に省エネ技術や資金を提供することで、温室効果ガスを削減したとみなす排出量取引だ。
▼省エネ技術や資金を得た途上国が、それを生かして工業を活性化させれば、むしろCO2は増えるのではないか。しかも排出枠を買うためには年数千億円かかるといわれるが、そのカネは国民の財布から出る。どこかの政治資金管理団体のように死んだ人が献金してくれるわけではない。
▼新政権が、CO2を確実に増やしてくれる高速道路無料化とガソリン税暫定税率廃止を公約通り進めようとしているのも不思議な話だ。自動車から出るCO2は、経済活性化に役立つので計算しなくていいのだろうか。
▼世界の総排出量の4割を占める米国と中国は、いまだに温室効果ガス削減に消極的だ。むろん、鳩山新首相が米中両国を説得し、かつ画期的な新技術が開発されて、目標を達成する可能性はゼロではない。そのときは小欄も「へ、へー」と音羽鳩山御殿で平伏するつもりでいる。
http://sankei.jp.msn.com/life/environment/090909/env0909090258000-n1.htm
【後編】“明るい未来”が環境問題と高齢化社会の向こうに見える 2009年04月27日 ECO JAPAN
三菱総合研究所理事長 新成長論】小宮山宏
小宮山 20世紀の後半から21世紀の初めにかけて起こった重要な変化は、「(人類に対して)地球が小さくなったこと」と「高齢化社会の進行」です。この2つは社会や経済の形に大きな影響を及ぼすものだと思います。しかし、それらを悲観的にとらえる必要はありません。むしろ前向きにとらえ、新産業やニューサービスの開発に結び付けていくべきです。そのためには「どうすればもっと面白い、明るく楽しい社会にできるか」を考えることが重要です。
 「地球が小さくなった」ことの要因には、まず環境や資源容量の問題があり、そして急速なIT(情報技術)の進歩と普及、新興国の経済発展、爆発的な人口増加が挙げられます。それが原油の争奪戦などのエネルギー問題を引き起こしてもいるわけです。だが、それは同時に、非化石エネルギーに対する需要が高まることでもあり、その一例が太陽電池原子力発電への評価の高まりに現れているわけです。水資源の問題も原因は同じだと思います。
―― 環境問題の克服を経済の発展に結び付けようとする動きは世界で出始めています。小宮山さんが二大難問に挙げるもう一つの問題、社会の高齢化に“明るさ”を見出せるものでしょうか
小宮山 高齢化の問題も社会の活力が減退し、負担が増えるというような悲観的な見方は正しくない。高齢者が増えれば、例えば健康維持や移動手段などに関する新たなニーズが生まれ、かつ多様化していくでしょう。それに対応する技術やサービスが開発されれば、決して高齢者のためだけではなく、社会全体の医療や福祉の水準を高めることになる。
 これは、新しい市場や産業を生み出す契機となり、多くの人々がその恩恵に浴するようになるでしょう。いずれ、世界的にもそうしたニーズは広がり、高齢化への対応がしっかりできれば、必ず日本発の技術やサービス、あるいは制度を世界が求めてくるときがやってきます。
小宮山 そうしたビジョンを描き、社会や経済を方向付けしていくうえで、政府の役割は大きい。それを私は「プラチナ・ニューディール」と呼んでいます。プラチナの方がシルバーより輝きがあっていいでしょ(笑)。
 医療分野では高度できめの細かい、かつ手軽で簡便な医療へのニーズが高まっていくと思います。そう考えたとき、例えば、センサやICチップをコンパクトに組み込んだ血液検査器具などが有望です。自宅で採血し、そのデータを病院に送って診断してもらえるようになれば、高度な健康管理が日々可能になる。このように新しいビジネスを生み出す素地があるわけです。
 また、高齢者の運転は危ないからと免許を返上させるような動きもあるようですが、そうではなくて、安全で小回りが利く新しい輸送機械や交通システムをつくり出していく。そういう発想が大事だと思います。例えば、ゴルフ場で使っているカートのように、電気自動車を目的地まで安全に誘導していく交通システムなどです。交通事故がなくなれば、社会全体にとって画期的なことです。
―― 低炭素革命に関連するものでは、エコカーをはじめ様々な商品が開発、販売されています。この市場が本当に大きく成長していくには、消費者の意識の変化というか、消費者がそのことに幸福を感じるかどうかが大きいと思います。小宮山さんはご自宅を、いわゆるエコハウスにしました。プリウスにも乗っていらっしゃる。実感としてエコ生活はどういうものですか。
小宮山 プリウスに関して言えば、ゲーム感覚があるのが面白い。最初はリッター18kmしか走れなかったけれど、走行の仕方と燃料消費の関係を見ながら運転していくうちに、どういう運転をすればエコなのかが分かってくる。「ここはガソリンを使わないで走っていける」というような状況が感覚的につかめるようになってくるのです。すると、挑戦する気持ちが出てきて、リッター23kmで走れるようになりました。ゲームに参加しているような気分と、達成感や満足感が得られ、それがまた効率運転への動機になっていく。実際、けっこう楽しいですよ。
 エコハウスの快適さも肌で実感できるものです。我が家は床面積で200m2ほどあるのですが、断熱性が高いものだから、たった1台のエアコンで家中を快適な温度に保てる。冬でも薄着で、どの部屋も寒さを感じずに楽に過ごせます。「暖房費がもったいないから、いつも使う部屋だけ暖める」という人もいますが、これは不便なだけではなく、高齢者だと寒い部屋に移ったときにヒートショックに襲われる危険だってある。エコハウスならその心配もありません。
 高齢者が快適に過ごすには、よくバリアフリーが必要だと言われますが、それ以上に部屋の温度差の問題が大きいかもしれないですよ。そのためにも、高気密・高断熱でエネルギー効率のいい住宅にすることが一番です。高気密と聞くと風通しが悪いように感じる人もいるようですが、自然の光や風が欲しくなれば、窓を開ければ済む話。全然問題ありません。
―― よく「高気密・高断熱は息苦しそう…」という話を聞きますが、そんなことはないわけですね。むしろ高齢者には優しいとなると、もっと低コスト化などを図って普及を促進すべきですね。
小宮山 確かにそうなのですが、エコハウスと言っても、全国どこでも一律というわけにはいかないでしょう。雪の多い北陸、雨の多い南紀と地域によって気候が違いますし、生活習慣も違いますから。とはいえ「太陽電池×断熱ガラス×断熱壁×高効率給湯器」といった基本的な要素は共通しているので、これらの要素をベースに地域特性に合わせて最適な組み合わせをデータベース化できれば、普及にも役立つでしょう。
 実際、東京大学でデータ収集と研究に取り組んでいる先生がおられます。エコハウスを要素に分解して、地域環境に適合するように要素を統合し直す。これを「エコハウスの知の構造化」と呼んでいます。
―― 小宮山さんは東京大学の時代から「知の構造化」の重要性を訴え、大学の中でも具体的な取り組みを進めてきました。「エコハウスの知の構造化」もその一つというわけですね。
小宮山 住居の形は世界中の地域環境や伝統などに裏付けられた非常に多様なものです。しかし、世界が低炭素化を進めていこうとしたら、やはり住宅のエネルギー効率の向上は欠かせない要素になってくると思います。ですから、そういう認識を世界が共有する必要があると考えているわけですが、私は地域の多様性を尊重しながらも、“エコハウスのグローバリゼーション”は可能だと思っています。そのための基礎となる取り組みが「エコハウスの知の構造化」なのです。
 住宅にも食べ物にも地域に合った形があります。環境のためだからといって、一つの型にはめ込むのは大反対です。かといって多様性だけが行動の根拠になれば、世界の協調は難しくなる。環境問題については世界が認識や方向性を共有し、対応策についてはいかに多様性を維持するか大事です。そのためにも「知の構造化」は重要な取り組みだと考えています。
―― 低酸素社会を実現するには、国家でも企業でもリーダーの役割が重要になります。小宮山さんご自身にも、その役割が期待されるところです。大学から離れましたが、今後についてはどうお考えでしょう。
小宮山 私の仕事は「日本のイノベーションを推進するためのネットワークを創る」ことだと考えています。世の中には「今のままの日本ではいけない」と思っている人たちがたくさんいる。私の個人的な人脈や三菱総研という組織が持つ各方面との関係を生かしてそういう人を束ね、イノベーションを推進するためのネットワークのハブをつくることが当面の目標です。
 三菱総研は、シンクタンクとしては科学技術に強いという特徴を持っており、「技術×経済」の仕事、政策提言ができる組織です。現在は官需が70%、民需が30%ぐらいの構成ですが、日本のイノベーションをリードする、そのための政策をつくり、世の中を動かすシンクタンクとして機能できる素地は十分にあると思っています。
 それを実現するために必要なのは、イノベーションネットワークで、「知の構造化×IT×人間のつながり」がそのポイントです。「知の構造化」には様々な分野のエキスパートの協力が不可欠ですが、学界、官界、それに民間企業にも友人、知人がたくさんいるので、それは可能だと思います。それをもとに「自律分散協調系」の組織をつくるつもりです。
 自律分散協調系は生命体を表現する概念で、「心臓や肝臓などは体内に分散し、それぞれが自律的に動いているが、全体としては協調的に機能し、生命が保たれている」ということが基になっています。
 私は、これが組織のあるべき姿だと思うのですが、現実には「自律分散」が強く、「協調」が弱かったりします。分散している知識を統合するための知の構造化を基盤とし、それぞれ優れた専門知識もつ人々のネットワークが自律分散協調系として機能する仕組みを実現できれば、研究開発の効率も飛躍的に向上するはずです。環境問題や高齢化社会の問題を解決するうえでも大きな力を発揮できると考えています。
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/special/20090424/101320/
『プライムニュース』「経済再生への14の提言 新時代の日本の姿」 5月29日 BSフジ
【キャスター】秋元優里、反町理 【解説委員】安倍宏行 【ゲスト】三菱総合研究所理事長 小宮山宏慶應義塾大学大学院准教授 小幡績ソフトブレーン マネージングアドバイザー 宋文洲
PRIME NEWSが始まって2ヵ月。早くも80もの提言が集まった中で最も多かったテーマは、“今の経済危機からどのように脱出するか”だった。このテーマに対しての14の経済再生への提言が集まった。
今回はこれら提言を振り返って紐解きながら、日本の向かうべき道を改めて探っていく。
http://www.bsfuji.tv/primenews/text/txt090529.html
どうでもいい、じじぃの日記。
ちょっと前になるが、5/29、BSフジ 「経済再生への14の提言 新時代の日本の姿」を観た。
『プライムニュース』に出演された14人のゲストをまとめて放送した番組だった。出演された14人の1人で三菱総合研究所理事長、小宮山宏さんの言われていた事が印象に残っている。
小宮山さんの提言は「低炭素化で元気になろう 生活を良くして経済再生」だった。
先進国の需要は飽和状態だ。今後、成長が見込める分野は次の2つ。内需創出は「グリーン」、「プラチナ」にある。
●環境エネルギー グリーン
●高齢化      プラチナ
アジアもいずれ、高齢化してくる。
「日本の内需は外需に繋がる。必然的に世界をリードしていく」というものだ。
9月9日の【産経抄】に「二酸化炭素(CO2)が増えるとなぜ地球が温暖化するのか、いまだによくわからない」がある。
日本が世界をリードするために「低炭素化」(CO2の排出量削減)があるんですよ。
と、どっかのじじぃがいってました。