じじぃの「未解決ファイル_46_ベニクラゲ」

科学技術の進歩と倫理 不老不死のベニクラゲ 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=LM25Ztp35v4
不老不死の生物 ベニクラゲを歌う 京都大学 久保田信
http://www.benikurage.com/
zukan.tv Video interview 動画 Shin KUBOTA
http://www.zukan.tv/2009/09/13/shin-kubota/
『クラゲのふしぎ 海を漂う奇妙な生態』 ジェーフィッシュ/著 久保田信/上野俊士郎/監修 2006年発行
不老不死クラゲ――若返るベニクラゲのなぞ (一部抜粋しています)
ベニクラゲの体を上下半分に裂いてみると、双方とも若返ります。傘の縁をほんの少し切り取ってみると、その小片から若返りを果たします。誠に驚くべき若返り能力です。多細胞動物の中で、ベニクラゲだけがもっている繰り返し若返る秘密を、現在まで分かっている事柄を元に、想像も交えながら解き明かしてみましょう。
ベニクラゲが、なぜこのような若返りが可能かというと、ベニクラゲの細胞が用途に合わせて生まれ変わることができるからです。例えば、ベニクラゲの筋肉細胞は、ポリプの細胞に変化します。細胞を変化させる理由は、いくらベニクラゲといえども、筋肉細胞をそのままの状態で、性質も役割も全く違うポリプの細胞として置き換えることはできないからです。
筋肉細胞が変化する場合、まず筋肉細胞であることをストップします。そして、筋肉細胞は分裂を行いながら、ポリプの身体を構成する別の性質をもった細胞に変化していきます、その後、完全にポリプの細胞に変化すると、ポリプの体に組み込まれます。このような細胞の変化を、分化転換と呼びます。
普通の動物の場合、いったん分化し終わった細胞が分裂を起こすことはありません。他のヒドロクラゲ類が、肉団子からポリプに再び成長できないのは、これが理由です。ベニクラゲは、分化し終わった際細胞を分裂させる上に、分化転換まで果たすのですから、全く驚きです。
このベニクラゲの細胞が持つ驚異の分裂能力は、染色体が大きく係っていると考えられます。すべての動物細胞も染色体にはテロメアと呼ばれる部分があります。テロメアは、染色体の末端に存在し、その長さによって、細胞分裂の回数を制限しています。通常の細胞は、分裂を繰り返すごとにテロメアが短くなっていき、最後には分裂できなくなります。つまり、テロメア細胞分裂を行うためのチケットの役割を果たしているのです。
ベニクラゲの染色体にも、このテロメアは存在します。しかし、ベニクラゲの細胞は無制限に分裂することができます。これは恐らく、ベニクラゲの細胞内には、分裂ごとに短くなっていくテロメア酵素などによって修復していき、いつまでも同じ長さに維持するシステムが確立しているのだろうと推測されています。この特別なシステムを動かすために、ベニクラゲの体には、外敵に傷つけられたり、生活環境の激変によって引き起こされる異常を細胞が感知すると、それを遺伝情報にまでフィードバックさせ、若い時の遺伝子を読み直して、細胞を作りかえるような機構が働いている可能性もあります。
ここで述べたベニクラゲの若返りシステムは、まだ想像の部分が多く、はっきりと分かっていません。今後、研究が進んでいけば、その全貌も少しずつ明らかになるはずです。ベニクラゲの若返りの謎が解き明かされれば、人類の病気や延命などに応用させることができるでしょう。もしかしたら、人類が古来から見続けていた"不老不死"が実現する日が来るかもしれません。
ベニクラゲには、人類の未来を左右する可能性が秘められているのです。

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どうでもいい、じじぃの日記。
去年の12月に、フジテレビ 「さんま・福沢のホンマでっかニュースSP!」を観た。
血液中のテロメアを検査すると寿命が分かるというもの。土田何とかという若い芸能人が出ていて、この人のテロメアを検査したら寿命は57歳とのことだった。
テロメアは染色体の末端に相当し、生物の寿命をントロールしていている。細胞分裂するごとに、このテロメアが短くなり、テロメアが無くなると細胞分裂ができなくなり、一巻の終わりということらしい。
『クラゲのふしぎ 海を漂う奇妙な生態』に「ベニクラゲ」のことが書かれている。
なんと、このクラゲ、短くなったテロメアを修復するのだという。
昔から、お釈迦さま、プラトン鴨長明が「万物流転」を言ってたではないか。
このベニクラゲ、お釈迦さまのお教えを何と心得ているのだろうか。