じじぃの「科学・芸術_242_ベルギー人気質」

Brussels in 4K 動画 Youtube
https://www.youtube.com/watch?v=vUCJbjJw1CM
Grand Place of Brussels

ベルギー王室御用達チョコレート一覧 BELPLUS
「ひと粒ひと粒、職人が手作りした本物のベルギーチョコレートをより多くの方に味わってほしい」という信念のもと、厳選された素材でチョコレートを追求し続け、1994年には異例のスピードでベルギー国王アルベール2世より「ベルギー王室御用達に認定されたチョコレートのエリートです。
https://allaboutbelgium.com/belgium-royal-chocolates/
『ベルギー人のまっかなホント』 アントニー・メイソン/著、北条元子/訳 マクミランランゲージハウス 2000年発行
気楽な教会 より
ベルギー人の80パーセントが、カトリック信者だ。事実上どこ地域にも教会があり、地元の人はそこで洗礼を受け(このとき、白鳥や天使の形の磁器の器に入ったアーモンドの砂糖がけが配られる)、堅信式を挙げ(まだ若すぎて異議の1つも唱えられない天使のような年頃だ)、結婚し(これぞ盛大な飲み食いのチャンス!)、そして正規にあの世に送られる(近所の全員、友達も、敵も、見ず知らずの人も、全員が出席する)。
こうした儀式以外の時、平均的ベルギー人はそれほど教会とかかわりをもたない。みんな避妊もするし、離婚もする。結婚していないカップルが同棲したりもする。神父は目立たないよう心掛け、酒も飲むし煙草も吸い、教区の人たちとブリッジに興じることもある。アイルランドの聖職者のように、どこにでもいて人々に罪の恐ろしさを思い出させるような存在ではない。
こうなるともう、ベルギー人は、前の戦争以来、神を自分たちの社会から締め出し始めたのかと思わずにはいられなくなる。
ヨーロッパの首都ブリュッセル より
多くのヨーロッパ人にとってブリュッセルと言う名は、闘牛士のかざす赤い布のようなものだ。まるでヨーロッパ中心主義の諸悪の根源、正当な理由のないおせっかいのように
考えられている。それよりは多少好意を寄せられているEUでさえ攻撃の的となる。こんなジョークも多々ある。
 Q ここでは一体、どのくらいの人が働いていらっしゃるんですか?
 A だいたい3分の1くらいでしょう。
それでも、ベルギー人は、一般的に言ってヨーロッパの統合には賛成だ。上品なブルーの地に星を散らしたデザインは、秦、車のステッカー、葉書、傘、通学カバン、メモ用紙、そして歯ブラシにまで見られる。小便小僧さえ、星を散らしたユーロ服をもっている。このユーロ服はユーロ懐疑派からの贈り物とは言わないまでも、ユーロ懐疑派に贈られたものだ。
ブリュッセルの人たちが熱心になる理由はすぐ分かる。まず第1に、これだけの注目と資本を集めること自体、大変な利益だからだ。事実、ブリュッセルの人口の28パーセントが外国人で、その半数以上がEU関係だ。ブリュッセル内でもEU関係の仕事が5万4千もあえい、しかもその数は増えつつある。ベルギーの懐に転げ込む経済的利益となると、年間およそ3兆3千億円にものぼる。
一方政治的には、ベルギーはヨーロッパのまとまりを第1の、究極の希望としている。と言うのも、国家主義に根を発するいさかいの結果、あまりにも多くの戦いがベルギーの土地の上で戦われたのを見てきたからだ。それに、ベルギー人は根っからの商売人だから、公開市場で利益を得たがる。さらに、もしベルギー人が連邦に成り下がってしまうことがあるならば、国家間の境界線が流動的で、地域的にも好きなところと付き合う自由の許されるヨーロッパという大きな傘の下でのほうがまだましというわけだ。
確かに、ベルギーの国家意識の希薄さは、EUの本部をおくにはぴったりなのかもしれない。

じじぃの「原子はなぜ安定に存在できるのか?量子論はなぜわかりにくいのか」

Electron 動画 britannica.com
https://www.britannica.com/science/electron

量子論はなぜわかりにくいのか 「粒子と波動の二重性」の謎を解く』 吉田伸夫/著 技術評論社 2017年発行
波と量子 (一部抜粋しています)
19世紀後半、化学反応の量的関係から原子の存在が確実視されてようになると、次の段階として、原子の実態を解明するための実験が次々と試みられる。ところが、こうした実験を通じて浮かび上がってきたのが、原子の不可解さである。中でも最大の謎とされたのが、「原子はなぜ安定に存在できるのか?」だった。
強い電圧を加えたとき、真空管のマイナス電極からビームが放出されることは、19世紀半ばから知られていたが、このビームに磁場をかけるとニュートン力学に従う粒子と同じように曲がることから、一定の質量と負電荷を持つ粒子の流れだと解釈された。電子と名づけられたこの粒子は、原子よりもはるかに軽く(最も軽い水素原子の約2000分の1)、あらゆる物質の内部に存在することも確かめられた。このため、原子は、質量の大部分を占める重い正電荷と、強い電圧を加えると正電荷から引き離すこともできる複数の電子から構成されると推測できる。しかし、具体的なモデルを構築することは、困難を極めた。
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シュレディンガーは、原子物理学の専門家ではなく、科学全般に興味を持つジェネラリストだったが、その広範な知識が役立つ。彼は、「電子に付随して原子核の周りを回る波」というド・ブロイの曖昧なイメージを捨て、この波を、原子核の周囲に形成される定在波と解釈し直した。この再解釈によって、電子の軌道という概念は完全に姿を消し、原子全体にわたって波が拡がっているという描像が得られる。その上で、ド・ブロイの関係式を満たすような定在波を形成する方程式を逆に求めることで、有名なシュレディンガー方程式に到達したのである(1926)。
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ただし、波動関数が場の状態と無関係だとも言い切れない。台風の予報は、あたかも物体であるかのように移動する台風の位置を表すものだが、その背後には、地表に遍く存在しあらゆる気象現象を生み出す大気がある。台風の予報の中には、間接的に大気に関する情報が含まれている。同じようにシュレディンガー波動関数も、電子という粒子の位置を表すものではあっても、その背後に電子を生み出す場の状態があり、波動関数にその情報が含まれると考えることは無理ではない。シュレディンガーは、やや勇み足気味に、自分の考案した波動関数で全ての物理現象が表されると考えたが、たとえ、そのアイデ自体が否定されたとしても、定在波を使って原子の状態を導き出した天才的な洞察は、何らかの形で生かすことができないだろうか?
しかし、そうした議論をする前に、シュレディンガーを批判したハイゼンベルグらが、波動一元論に代わる正当な世界観を掲示し得えたかどうかを検証する必要がある。もし、リアルな波に言及することのないハイゼンベルグらの方法論が全面的に正当であるならば、シュレディンガー流の波動一元輪はもとより、その背後にある場に関する理論を模索する必要もないはずである。果たして、ハイゼンベルグの見解は、正当なものと言えるのだろうか。

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どうでもいい、じじぃの日記。
図書館で新刊書コーナーを覗いてみたら、吉田伸夫著 『量子論はなぜわかりにくいのか 』という本があった。
パラパラ、ページをめくってみたら、数式だらけというほどでもない。
「原子はなぜ安定に存在できるのか?」
私たちの体は原子からできている。その原子は原子核と電子から成り立っている。
原子核と電子の距離は途方もない距離だ。原子と原子の距離も途方もない距離だ。
よくまあ、こんな体に出来上がったものだ、不思議な感じだ。
光は粒子的な性質と波動的な性質の両方を持つといわれている。
この本によれば、光は粒子の振る舞い(もどき)をする波なのだそうだ。
ハイゼンベルク不確定性原理があるため、私たちの体はバラバラにならなくてすんでいるのだとか。
こんなことを考える機会を与えてくれた、先人たちに感謝します。