じじぃの「未解決ファイル_102_日本語のルーツ」

日本語の起源 フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』 (一部抜粋しています)
日本語の起源は、現在日本語として同定される言語体系の起源をいい、言語学上の論点のひとつである。言語学では日本語系統論ともいわれる。
【概要】
日本語は系統関係の不明な孤立言語のひとつであり、系統はいまだ明らかになってはいない。これまでにいくつかの系統関係に関する理論仮説が出されてきたが、いまだ総意を得たものはない。これまでの理論仮説、そして類縁関係が強いと想定される言語、には以下のものがある
琉球語との系統関係
 琉球列島の琉球語(あるいは琉球語派)と、日本語(あるいは日本語派)との系統関係は明らかである。日本語の起源論では、琉球語と日本語の系統関係は証明済みとし、「日本語の起源」という言葉で「日本語+琉球語」全体の起源を論ずるのがふつうである。なお、日本語と琉球語で日本語族とする説と、琉球語を日本語の琉球方言とする説とは、日本語の起源論においては単なる言葉の定義の問題であり、本質的な争点とはならない。
アルタイ語族
 アルタイ語族仮説では、日本語、朝鮮語は共にアルタイ語族の一員とされる。
朝鮮語との系統関係
 朝鮮語は、文法構造に類似点が多いものの、基礎語彙が大きく相違する。音韻の面では、固有語において語頭に流音が立たないこと、一種の母音調和がみられることなど、上述のアルタイ諸語と共通の類似点がある一方で、閉音節や二重子音(中期朝鮮語の場合)が存在するなど大きな相違もある。朝鮮半島の死語である高句麗語とは、数詞など似る語彙もあるといわれるが、高句麗語の実態はほとんど分かっておらず、現時点では系統論上の判断材料にはなりがたい。
アイヌ語との系統関係
 アイヌ語は、語順(SOV語順)において日本語と似るものの、文法・形態は類型論的に異なる抱合語に属し、音韻構造も有声・無声の区別がなく閉音節が多いなどの相違がある。基礎語彙の類似に関する指摘もあるが、例は不十分である。一般に似ているとされる語の中には、日本語からアイヌ語への借用語が多く含まれるとみられる。目下のところは系統的関連性を示す材料は乏しい。

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『日本語はどのようにつくられたか』 安本美典/著 福武書店 1986年発行
稲作とともに言葉が流れこむ (一部抜粋しています)
紀元前2、3世紀ごろまでは、おそらく、日本列島は言語的に統一されていなかったであろう。今日的な意味での「国家」は、日本ではまだ成立していなかったとみられる。そして、「古極東アジア語」の系統をひく言語や、インドネシア語や、クメール語の系統ををひく言語を使っていた集団が、部族として各地に分布していたであろう。
弥生時代の始まる、紀元2、3世紀の前後に、おそらく稲作などとともに、第三の波として、主に、中国の江南地方から、ビルマ系の言語が日本に押し寄せたようである。
ビルマ系諸言語のなかには、特に身体語において、日本語に近い形をしているものをたくさん含んでいる言語がある。
日本語とビルマ系言語の身体語くらべ (例)
                 手   足     鼻    目   口    歯

                                                                                                                                • -

日本語  上古(代)語   te   asi    fana   me   kuti   fa
ボド語群  Lalung      ja  ja-thang gung    mu   khu   ha
上の表は、グリアソン監修の『インド言語調査』による、『ビルマ系諸言語』のなかのいくつかの言語と、日本語との身体語を比較したものである。
『インド言語調査』には、限られた単語のリストしかのっていないので、これによって基礎200語の表をつくることはできない。
上の表では、グリアソンのとりあげた身体語に合わせて表をつくった。
ふつう、チベット語ビルマ語とは、まとめられて「チベットビルマ諸言語」といわれることが多い。しかし、チベット語は、日本語と直接の結びつきはなさそうである。そこで、「チベットビルマ諸言語」といわれるものから、チベット語系諸言語を除いたもの、つまり、ビルマ語を中心とする諸言語をここでは「ビルマ系諸言語」と呼ぶ。
ビルマ系諸言語」のなかの「ボド諸語」の身体語では上代(上古)日本語、あるいは首里方言と、12語のうち6〜8個までも、語頭の音が一致する。この一致は、偶然の一致の範囲を越える。
この一致の度合いは、「英語」と「フランス語」の一致の度合いも、「英語」と「ドイツ語」の一致する度合いに近い。
ビルマ系諸言語のなかには、「歯」を意味する言葉が、日本語と同じく「ha」となっているものが多い。
また、「ボド語群」のなかには、「髪」の意味の言葉が、「kamai」となっているものもある。これは、日本語の「かみ」に近い。また日本語の「舌」がボド語群のなかの言葉では「sila」であるものもある。
身体語のほか、数詞や代名詞、植物関係の丹後などにおいても、「上代日本語」と偶然以上の一致を示す言語がある。ところが、身体語、数詞や代名詞、植物関係以外の基礎語い(たとえば、「水」とか「雲」など)では、日本語とそれほどよく一致していない。
ヒマラヤ山脈から、ネパール、ブータン、中国南部を通って、九州、日本の中国、本州南東部などに続く地域が、いわゆる照葉樹林帯に属し、栽培植物や文化において共通性のあることが知られている。
これらの地域は、揚子江流域と、揚子江の延長線上にある。
今から2千数百年前には、揚子江から南、あるいはその流域には、漢民族以外の多くの民族が住んでいた。−−現在でも、中華人民共和国において、ビルマ系のロロ族は、漢民族以外の最大多数を占めている。そこでは、ベトナム族、ビルマ族など、現在では中華人民共和国の外につながる民族が、かなり勢力をふるっていたとみられる。
紀元前2、3世紀ごろは、秦漢帝国による政治統一が進み、漢民族が南下し、その圧迫により、中国南部の民族に、大きな動揺が起こり、その結果として、江南地方から日本や朝鮮に、イネをたずさえて渡ってきた種族がいたと考えられる(秦漢帝国の政治的統一と日本への稲作の渡来とが関係があると言う説は、文化人類学者の石田英一郎氏などものべておられる)。
ビルマ系江南語を話す人々は、稲作技術などをもち、文化的、政治的な優位性のために、日本語の基礎語いのうち、身体語、数詞などの、より文化的な部分をもたらしたと考えられる。
ビルマ系江南語は、おそらくは、初め、北九州に上陸したであろう。そして、すでに北九州に存在していて、朝鮮祖語との関連を保っていた「古極東アジア語」の系統をひく言語と結びつき、日本語祖語となったと考えられる。ビルマ系の言語の基本的な語順は、古極東アジア語と共通していたとみられる。

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どうでもいい、じじぃの日記。
先日、東金図書館から、『日本語はどのようにつくられたか』を借りてきた。
この本を一通り読んだ。
日本の歴史が先土器→縄文→弥生時代と進んでいくなかで日本語はどのように発展していったのだろう。
日本人が狩りをして生活していたころは使っていた言葉も限られたものでしかなかっただろう。その時使っていた言葉は、現在でもどこかで生きているのだろうか。
日本は朝鮮に一番近い。そして昔は大陸のほうがより、先進的な生活をしていた。だから、日本語も朝鮮を経由して渡ってきたのだろうか。
『日本語はどのようにつくられたか』の本の中でいくつか身体語を比較したものが載っている。
日本語と朝鮮語を比較してみた。
日本語と朝鮮語言語の身体語くらべ (例)
                 手   足     鼻    目   口    歯

                                                                                                                                • -

日本語  現代日本語    te   asi    hana   me   kuti   ha
       上古日本語    te   asi    fana   me   kuti   fa
朝鮮語             son   par   ko    nun   ip    i
日本語と朝鮮語では明らかに異なっている。
「『ビルマ系諸言語』のなかの『ボド諸語』の身体語では上代(上古)日本語、あるいは首里方言と、12語のうち6〜8個までも、語頭の音が一致する。この一致は、偶然の一致の範囲を越える」
同じ、日本語でも東日本と西日本では異なった言い方をする。
イクラ」・・東日本では値段や数量を現わすとき「このリンゴはイクラ?」と言う。
「ナンボ」・・西日本では「これ、ナンボ」と言う。
「ドシコ」・・九州の西南部(熊本・鹿児島)では「ドシコ?」と言う。
東日本では「大豆を煮る」と言い、西日本では「大豆を炊(た)く」と言う。
日本語と人種とはどこまで関係があるのだろうか。
昔、日本人が狩りをしていたとき、「目」、「口」、「歯」をどのように言っていたのだろうか。
これらの言葉はなんらかの身体文字が関わってから出てきたのだろうか。まだよく分かっていない。 (^^;