Aerial view shows damage caused by tornadoes, severe storms that killed dozens in multiple US states
2050年までに洪水に襲われやすい主な都市
MAP: Global Flood Damage Could Exceed $1 Trillion Annually by 2050
AUGUST 18, 2013 Mother Jones
As climate change intensifies, one of the most surefire threats we’re bound to face is increased flooding of coastal cities brought on by sea level rise.
https://www.motherjones.com/environment/2013/08/map-top-cities-billion-dollar-floods/
気候温暖化の衝撃 より
2℃、3℃、4℃…、と予想される平均気温の上昇温度は、一般の目にはささやかに見えるのかもしれない。とくに、冬の北半球から夏の南半球に行く機会があり、30℃から40℃の高温差を実感できる人にとってはそうだろう。しかし、平均気温が2℃上昇――今世紀末に人類を待ち受けるもっとも楽観的な予想値――すれば、人間活動全体に大きな打撃をあたえるだろう。すでに記録された平均気温の上昇[IPCCの報告では1800-2012期で0.85℃上昇]でさえ、異常気象、氷の融解、海水面の上昇、人口移動、動・植物の消滅、病気の蔓延…などが起きている。
大気は確実に温暖化しており、この傾向が今後も長期にわたって継続するのは避けられないだろう。仮に、排出される二酸化炭素(わたしたちがますます多く排出しつづけている)の一部が、比較的速く大洋に吸収されるとしても、排出量の25パーセントは何千年にもわたって大気中に残るだろう。そうなるとわたしたちは、温暖化して、平均降雨量が変化する地球に住むすべを学ばなければならないだろう。
暴風雨・熱波、その他の異常気象
どの大陸も、増加するいっぽうの異常気象からまぬがれてはいない。ヨーロッパの大西洋沿岸を襲う暴風雨、カリブ海やインド洋、太平洋のサイクロン、中国やブラジル、アメリカ、アフリカでの想定外の干ばつ、ロシアの猛暑、バングラデシュの記録的な暴雨…。ここ20年間の気候の変化は、異常気象がかつてなく持続し、広範囲に、激しさを増して、頻発することで特徴づけられている。
地理的なかたより
暴風雨や干ばつは自然現象なのだが、それが人為的な圧力の強い状況で発生し、くりかえされとなると問題である。
樹木の年輪や堆積物(海底、氷河、大陸)の分析でわかるのは、現在のような厳しい悪天候は過去にもあったということだ。地球の歴史には、沿岸一帯を水没させたハリケーン・シンシア[2010年3月]なみの暴風雨や、地域全体を餓死させた干ばつは何度もあった。
たとえば、2万年前にはじまった最終退氷期では、地球の平均気温は5℃上昇し、海水面は120メートルも上昇した。しかし、この気候変動は1万年という長期にわたるものだった。ところが現在、わたしたちはわずか1世紀で平均気温が0.74℃上昇したのを確認している。心配なのは、この短い時間的スパンでの急激な変化だ。わたしたちの気候はより暑くなり、それとともに大気中の水分が増える方向へと向かっている。この水分は、いわゆる異常気象のもととなるものだ。異常に高い気温が維持されると、人類の大量殺人がひき起こされる可能性がある。
2003年8月のフランスの猛暑では、3週間で予想を超える1万5000人が亡くなった。想定死亡率を55パーセントも超過するものだった。それ以上暑くなると犠牲者が出る気温の上限閾は、地域の気候に人がどこまで順応できるかに左右される。たとえばベルギーでは気温が27.5℃以上になると死者の数が一挙に増えるのに対し、スペインのアンダルシア地方では警戒気温が41℃に設定されている。ちなみに、体力が回復できるかどうかは、夜間の最低気温が決め手となる。