じじぃの「科学・芸術_320_小説『高慢と偏見』」

プライドと偏見 - 予告編 字幕 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=MmyPBXZcF2g
100分de名著 高慢と偏見 ジェイン・オースティン 『偏見はこうして生まれた』 Part1 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=cLNoug812Dg

100分 de 名著 「高慢と偏見 2017年7月3日 NHK Eテレ
【司会】伊集院光島津有理子 【講師】廣野由美子(京都大学教授)
「永続的かつ普遍的な魅力があり、英文学の最も偉大な作家の1人と認められる」と絶賛され、2017年から英国の新10ポンド札に肖像が印刷されると発表された、作家ジェイン・オースティン(1775 - 1817)。
彼女の最高傑作とされる「高慢と偏見」は、人気映画「ブリジット・ジョーンズの日記」の元ネタになるなど今も世界中の人に愛されている小説です。「虚栄心」「偏見」といった人間が陥りがちな落とし穴がいかに人生を左右してしまうのかを、克明な人物描写、心理描写を通して見事に描き出したこの作品から、現代人にも通じるさまざまな問題を読み解いていきます。
https://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/67_janeausten/index.html
『世界文学大図鑑』 ジェイムズ・キャントンほか/著、沼野充義/監修 三省堂 2017年発行
隣人を楽しませてやって、こんどはこちらが笑ってやるのが生き甲斐ってものだろう 『高慢と偏見』(1813年)ジェイン・オースティン より
高慢と偏見』で展開されるのは、ベネット家の姉妹が結婚相手にふさわしい独身男性を追い求める話である。この小説はもっぱら主人公エルザベス・ベネットの目を通して語られ、エリザベスは快活で気立てのよい娘である。登場するのは5人の姉妹で、父親のミスター・ベネットは聡明だが妻から文句ばかり言われる地方地主であり、母親は出しゃばりで品性に欠ける。
エリザベスは上流階級のフイッツウイリアム・ダーシーと出会い、ダーシーは不本意ながらエリザベスに惹かれる。だがエリザベスの方は、ダーシーを高慢で人を見下す態度をとる不快な男とみなす。姉ジェインを好きになるビングリーはダーシーの友人であり、同じように裕福だが気取らない人柄で、ダーシーとは対照的である。ところが、軽薄な妹リデイアが見てくれのよい青年士官ジョージ・ウイッカムと駆け落ちする醜聞を起こし、一家全体の名誉が危機にさらされたとき、思いがけず乗り出して助けたのはダーシーだった。エリザベスは自分自身の思いあがり、偏見、経験不足のせいで判断を誤るが、こうした試練を通して分別のある大人に成長していく。同じようにダーシーも高慢から脱皮して、たとえ階級は自分の方が上でも、自分はエリザベスにふさわしく釣り合った相手だと示す。
切れ味のよい機知と皮肉を生かしてオースティンが明らかにしているのは、生まれのよさと態度のよさは一致するとはかぎらないということである。『高慢と偏見』の描く風景はせまく見えるかもしれないが、それでもやはりこの小説は当時の風俗と道徳に鋭く切りこんでいる。