『スッ』と意識か゛通り 願いか゛叶う【量子トンネル効果】【聴く『開華』メルマガ~量子力学的生き方 201800630】
トンネル効果
This scanning tunneling microscope (STM) image
IBM STM Image Gallery: Moving Atoms Feature Summary
March 23, 2012 From Physics Research
https://www.compadre.org/informal/features/featureSummary.cfm?FID=822
トンネル効果
アミューズメントワーク
皆さんはトンネル効果という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
私も上手く説明出来るほどの知識はありませんが、電子や素粒子のようなミクロの物質には粒子と波動の両方の性質があって、粒子としては通り抜けることの出来ない壁(絶縁物等)を、波動としてある確率で通り抜けるという現象のようです。江崎玲於奈博士がノーベル物理学賞を受賞した(こちらはご存じの方もいると思いますが)のは、実は半導体におけるトンネル効果の発見で、実際に半導体では応用されています。
https://amusementwork.hatenablog.com/entry/2021/06/23/122800
XI 波と粒子 より
トンネル効果とは何ですか
以前の項目でも出てきた「トンネル効果」とは、古典物理学のもとでは突き抜けられない障壁を、量子物理学のもとでは粒子が突き抜けられる現象のことである。障壁を突き抜けること(「障壁透過」という)は、アルファ崩壊においても、核分裂や各融合においても、そして現在のスーパー顕微鏡である走査トンネル顕微鏡においても、きわめて重要な要件である。トンネル効果を理解するには、物質の波動性を考えるのが役に立つ。
図(画像参照)には、ポテンシャルエネルギー(位置エネルギー)の壁が示されている。これはいわば、監獄の壁だ。左側の粒子は、この壁を乗り越えられるだけの十分な運動エネルギーを持っていない。古典的な見方をすれば、図の上方に示されているように、粒子は壁にぶつかって跳ね返り、何度やっても同じことになる。壁の向こうには決して行けない。粒子は永久に監獄に閉じ込められる。
ところが量子力学的な見方をすると、この状況はやや異なる。図の下方に示されているように、粒子の波が壁を透過できるからである。壁の高さと粒子の質量しだいでは、波が壁の内部に侵入してまもなく、振動がゼロになってしまうこともあるだろう。(実在の監獄にいる実在の囚人が、敷地内の運動場の壁になにげなく寄りかかったとしても脱獄できる望みは皆無である)。しかし、壁がそう高くなく(エネルギーの意味で)、そう厚くなければ、粒子の波は壁を最後まで透過して、外の世界にするりと出現することができる。つまり文字どおり壁から飛び出してくることのできる実際の確率をあらわしている。
物理学ではよくあることだが、純粋に物理学的な状況設定で発見された現象――たとえばアルファ崩壊――でも、実用的な応用は可能である。トンネル効果の代表的な実用例は、スイスのチューリヒにあるIBM研究所で、1982年にゲルト・ビーニッヒとハインリッヒ・ローラーによって完成された、走査トンネル顕微鏡(STM)に用いされている手法である。
この装置では、まず微小な金属チップを固体の表面に近づける(1ナノメートル、すなわち10-9という、とてつもない近さにする)。それからチップと表面のあいだに電圧をかける。古典物理学では、あいだに挟まる空気が絶縁材となるため、そこに電流は流れないことになる。しかし、空気の層は一種のエネルギー障壁として働いているので、電子の波はこれを突き破れる。チップから固体表面までのあいだに小さな波の「漏れ」ができることになり、結果として小さな「トンネル電流」が生じる。壁が薄ければ薄いほど――つまりチップと固体表面のあいだの距離が短いほど――ンネル電流は大きくなる。実際の現場では、チップが表面の上を水平に移動しながらフィールドバック回路を通じてわずかに上下に動かされる。その上下運動の量を調整して、トンネル電流が一定に維持されるようにし、ひいては表面からの距離が一定になるようにする。このようにしてチップは固体表面の微小な凹凸を探っていく。上の画像(画像参照)に示されているように、このチップは1個の原子の直径よりも明らかに短い距離を測定することができる。