じじぃの「科学・芸術_366_葬祭文書『死者の書』」

Book of the Dead: An introduction to the Book of the Dead exhibition at the British Museum 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=G6snYcSu024
死者の書 1

死者の書 2

ハリー・ポッターの魔法世界ガイド』 アラン・ゾラ クロンゼック、エリザベス クロンゼック/著、 和爾桃子/訳 早川書房 2001年発行
ヘビ Snake より
ハリーがヘビ語(バーセルタング)を話すとクラスメートに知れたとき、おおかたの者は恐れおののき、さらに悪い疑いを抱きました――本当は闇の魔法使いなんじやないか、と。結局のところ、魔法社会では、ヘビは邪悪と同義語なのです。悪のしもべデス・イーターをみわける闇のしるしは、しゃれこうべの口からヘビの舌が突き出ています。あきらかに闇の魔術の温床スリザリン寮にかかげられた紋章はヘビ。そして、第4巻で再登場するヴォルデモート卿に力を与えたのはペットのヘビ、ナーギニーの毒でした。それでもヘビにまつわる逸話はまだやっと半分くらい。それから、ハリーがしごくたやすくボア・コンストリクターとおしゃべりしたり、もしくは攻撃しようとしたヘビにお行儀よくしろと命じた理由なんかもあります。世界中、いくつもの文化でヘビはもっともあがめられ、悪だけでなく、知恵や、悟りや、癒(いや)しの象徴とされてきました。
人間がヘビに魅了されたのは有史以前にさかのぼるできごとです。最古の絵や彫刻が、岩や洞窟に残っています。ヘビをまつる宗教は、他のどの動物よりたくさんあります。さらに北欧、中央アメリカのアステカ、西アフリカの部族国家では神聖視され、中東、地中海、中国、インドも同様です。インドでナーギニーとはある種のヘビで、いくつもヘビの頭をつけた美女、もしくはヘビのとぐろで巻かれた美女として描かれます。ヘビの毒を含むありとあらゆる危険から身を守ると信じられたこの神聖な生き物とヴォルデモートのヘビは同じ名前なのです。
でも、ヘビは信仰されている土地でさえ、やはり恐れられていました。邪悪でいつわりに満ちたヘビは多くのエジプト神話に登場します。古代エジプト死者の書では、アポピスというヘビの化け物がひんぱんに登場し、怒りっぽく裏切り者の手先と称されます。別名「闇の妖怪」というアポピスは太陽神ラーと絶え間なく戦っており、日ごとの夜明けと日没はラーが敵のヘビを首尾よく打ち負かしたことを示します。北欧神話ではヘビのニードホッグまたの名を恐怖のかじり屋、生命の木ユグドラシルの根元に住みついてつねにその根をかじっており、世界の闇の力をあらわします。西洋最悪のヘビといえば、代表格は何といってもアダムとイブをエデンの園から追っぱらう元凶となった、旧約聖書創世記のヘビでしょう。他にも聖書でヘビは危険と恐怖の象徴としてひんぱんに顔を出し、ユダヤキリスト教文化では悪の象徴とされました。イスラム教徒も人間の堕落の象徴としてヘビを避けています。

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『世界文学大図鑑』 ジェイムズ・キャントンほか/著、沼野充義/監修 三省堂 2017年発行
死者の書』(紀元前16世紀) より
パピルスに記されたエジプトの『死者の書』は、およそ200章から成り、使者が来世で使う呪術や方法がさまざまな書き手によって記録されている。
書記官によって写され、ミイラと共に墓に埋葬されたが、それは死者があの世へ向かう旅で読み、危険から身を守るための案内者となると信じられていたからである。よく知られているのが『アニのパピルス』で、現在はロンドンの大英博物館に所蔵されている。

じじぃの「微生物・ウイルスが引き起こす認知症!心を操る寄生生物」

ここはどこ、私はだ〜れ?
(care-tensyoku.com HPより)

脳の細菌とアルツハイマーの関連性:口腔ケアで予防? 2017年8月28日 認知症ねっと
みなさんしっかり「口腔ケア」していますか? 毎日のハミガキの他にも、定期的に虫歯や歯周病のチェックもしておられるでしょうか? 「朝昼晩、欠かさず歯を磨いているよ」という方もいれば、「そういえば長い間、歯医者に行っていない」という方もおられるのでは?
最新の研究によると、口腔ケアは認知症の予防にも関ってくるようです。
https://info.ninchisho.net/archives/24795
『心を操る寄生生物 感情から文化・社会まで』 キャスリン・マコーリフ/著、西田美緒子/訳 インターシフト 2017年発行
腸内細菌と脳のつながり より
私たちの体に住みついている微生物の細胞は(それは、実際には超個体である私たち自身とも言えるわけだが)、簡単に分類できるものではない。病原体とされている多くの系統は、実は人間の体に常在し、その人が疲れ果てたとき、またはいつもと違う状況がその病原体の成長に有利に働くときだけ問題を起こす。刻々と変わる状況に応じてまったく同じ種の細菌が、助っ人(共生)、害のない居候(片利共生)、あるいは害を与える敵(寄生)になることがある。
腸内で暮らす微生物は私たちが食べるものから分け前を得ているが、そのお返しとして消化を助け、ビタミン類を合成するとともに、口から入った危険な細菌を安全なものにしてくれる。そのうえ、私たちの感情を調整しているおもな神経伝達物質のほとんどすべて(注目すべきものは、GABA、ドーパミンセロトニンアセチルコリンノルアドレナリン)、さらに精神活性作用をもつホルモンまで、大量に生産する役割を果たしている。科学者たちの現在の推測によれば、腸内細菌は人が楽しいか悲しいか、不安か落ち着いているか、元気があるかないかに影響を及ぼしているだけでなく、食べものが十分に足りた時点で脳に信号を送り、その人が太るか瘠せるかまで左右するのではないかと考えられている。
腸内細菌が遠く離れた頭の前哨基地のどのようにしてメッセージを送り届けるのか、その詳細を科学者はまだ探り続けているが、いくつかのアイデアは出ている。
彼らの考えによれば、腸内細菌によって作られた精神活性化合物は腸神経系(腸の全長に沿って走っているニューロンの太い束)によって検知される。このネットワークには脊髄より多くのニューロンが存在しており――だから「第2の脳」のニックネームをもち――迷走神経を介して上方の大きな脳とつながっている。腸内細菌にとって自らの声を伝える主要ルートだ。実際に、このケーブルを通して伝わる情報の90パーセントは内臓から脳への方向に進み、脳から内臓への方向ではない。科学者たちは長年にわたってそのように推測してきた。
腸内細菌は、食物を分解する過程で神経活性をもつ代謝産物も生産し、その物質が同じ神経ケーブルを刺激したり、血流によって脳に運ばれたりすることもある。
腸内細菌はさらに免疫系を利用して私たちの気分や元気のレベルを下げることもあり、それは微生物相が主人の行動を変えられる、もうひとつの経路になっている。おそらくその観察結果と関連しているのだろうが、鬱の人には特定の腸内細菌の数が異常に多い傾向があり、炎症の生体指標が高くなっている場合がある――免疫介在性の反応だ(免疫介在性とは、免疫の防御反応が不適切に活性化すること)。
興味深いことに一部の胃腸障害、とりわけ潰瘍性大腸炎クローン病(炎症性腸疾患のひとつ)では、腸内の微生物相の混乱が特徴として見られ、これらの病気にかかると体のほかの部分を苦しめる重病にくらべて精神障害を併発する率が著しく高くなる。実際には、これらの症状に悩まされる人たちの50〜80パーセントは臨床的に鬱病だとされる。
もっと驚くのは、ヒトの微生物相の組成に見られる特定の異常が、自閉症スぺクトラム障害(ASD)と関係していることだ。ASDの症状は、不安の高まり、気分の落ち込み、社会生活能力の欠如を特徴とする。ASDの子どもたちに多い行動とそっくりな動きをするラットやマウスでも腸内微生物相に動揺の変化が生じており、その腸内に健康な細菌を導入すると、行動はほぼ正常に戻る。その観測結果から、微生物相に基づいたASD治療法を開発できるのではないかという期待が高まっている――ただし、科学者たちがこの発見から臨床治療を生み出せる気配はまだない。

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どうでもいい、じじぃの日記。
腸内細菌には「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3種類があるといわれる。
一説によると、脳の構造はこれらの腸内細菌にかなり影響されているのだそうだ。
腸内細菌が引き起こす炎症は、自閉症スぺクトラム障害(ASD)とも関係しているのだとか。
免疫力が衰えると、ウイルスや細菌が脳に侵入し、認知症まで引き起こすことがあるらしい。
「口腔ケア」で、少しは予防になるらしい。