産総研がAI用スパコン「ABCI」を刷新へ、新版はNVIDIA H200を6000基搭載
2024.07.26 xTECH
産業技術総合研究所(産総研)は、AI(人工知能)用スーパーコンピューターである「ABCI(AI Bridging Cloud Infrastructure、AI橋渡しクラウド)」を刷新する。現在利用中の「ABCI 2.0」から「ABCI 3.0」にバージョンアップする予定だ。新版は米NVIDIA(エヌビディア)のGPU(画像処理半導体)である「NVIDIA H200 Tensor Core GPU」を搭載した米HPEのサーバー「HPE Cray XDシステム」を採用するという。
産総研によれば「2024年内にABCI 3.0の導入を完了する」(担当者)。現行のABCI 2.0は2024年10月31日に運用を終了する予定だ。刷新に伴い、24年11月からABCI 3.0のサービスを部分的に提供し、ABCI 2.0と同程度以上の性能を維持する。ABCI 3.0の全ての計算資源を本格的に使えるようになるのは、25年1月頃になる予定だ。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/24/01216/
『週刊ダイヤモンド』8月24日号
米ビッグテックが相次ぎ半導体参入 エヌビディア“1強”の死角 より
AI半導体市場で米エヌビディアのGPUは圧倒的なシェアを確保する。だが大口顧客である米ビッグテック企業が自ら半導体の開発に乗り出した。「独り勝ち」への脅威になるか。
「世界最大のAI(人工知能)スーパーコンピューターを構築する」――。それを標榜して、米エヌビディアのGPU(画像処理半導体)の巨額投資を表明しているのは、米アマゾン ウエブ サービス(AWS)だ。
エヌビディアが2024年中に市場投入する最新製品「GB200」を2万0736基購入し、最新の液体冷却式のラックを導入する。市場の予想ではGB200の価格は6万~7万ドルとされるため、全くの単純計算で15億ドル(約2300億円)の規模。米ビッグテック企業はエヌビディアからの1回の購入にこれだけの巨費を投じている。
生成AI市場の拡大とともに米ビッグテック企業は設備投資を拡大。米グーグルの親会社アルファベットの4~6月期の設備投資は132億ドル(約2兆円)で前年同期比9割増。3ヵ月に投じられる規模は、トヨタ自動車の年間設備投資に相当する。米マイクロソフトも4~6月期は前年同期から8割増。この設備投資の巨額資金が流れ込む先がエヌビディアだ。米ビッグテック企業が相次ぎ建設中のAIデータセンターに搭載するAI半導体で圧倒的なポジションを確保している。
英調査会社オムディアによるとデータセンターで使うAI向け半導体市場におけるエヌビディアのシェアは95.7%。競合メーカーである米アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)と米インテルを寄せ付けず独走状態だ。エヌビディアの業績をけん引しているデータセンター事業は、22年秋に米オープンAIがChatGPTを公開し、GPUの出荷が伸びるのと歩を合わせるように売上高が拡大している。驚異的なのは営業利益率。24年2~4月期の営業利益率は64.9%で、いかにGPUが高額であるかがわかる。
エヌビディアを急成長させた直接的な要因は、22年に市場投入したGPU「H100」だ。1基当たり3万~4万ドルとされる高額の半導体で、これが飛ぶように売れて利益率が高まった。さらに、24年中には次世代品のB200が市場投入される。
B200は、現行のH100に比べて計算速度と電力効率が数倍から数十倍に引き上がる。米ビッグテック企業を中心とするユーザー企業にとっては価格上昇よりも性能向上を求めて高価格のB200への切り替えを加速度的に進めるとみられている。楽天証券経済研究所の今中能夫チーフアナリストは「25年にはエヌビディアの出荷のうちB200が半分以上の比率になるとみている」と話す。
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じじぃの日記。
世界のスーパーコンピュータ(スパコン)に関するランキングの2024年6月版(第63回)「TOP500」が5月13日(独時間)、独ハンブルグにて開催中のHPCに関する国際会議「ISC High Performance 2024(ISC 2024)」に併せる形で発表された。
それによるとトップとなったのは前回同様、米ORNL(米オークリッジ国立研究所)に設置されたエクサスパコン「Frontier」で、これで2022年6月版のTOP500でトップを獲得して以降、5期連続でのトップ獲得となった。また、LINPACK性能は1.206ExaFlopsと、前回の1.194ExaFlopsから若干引き上げられた。
(https://news.mynavi.jp/techplus/article/20240513-2944914/)
TOP500のスパコンのシステム(CPU)を見ると、うち5つがIntel製プロセッサ、2つがAMD製プロセッサを搭載。残り3つは、IBM Summit、富士通A64FX、エヌビディア Grace 72Cとなっている。