じじぃの「ドジャース・大谷の社会学・第2章・出すぎた杭!OHTANIの雑学」

大谷翔平】試合中にベンチで仕掛けられた「代打ドッキリ」にキョトンw仲良し選手も大爆笑でハグの瞬間

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「世界で活躍する日本人」の最高形態である…イチロー大谷翔平に対する「日本人の熱狂」に差がある理由

「出る杭」は打つが、「出すぎた杭」には憧れる
2024/05/15 PRESIDENT Online
内野宗治(フリーランスライター)

日本人が「出すぎた杭」を称賛する理由
大谷は、野球というスポーツのルールさえも変えてしまった。MLBは2022年シーズンから「投手として出場した選手は降板後も指名打者としてラインナップに残ることができる」という、いわゆる「大谷ルール」を導入した。そのネーミングが示すように、今やMLBの顔である大谷を可能な限り試合に出場させることを事実上の目的としたルール変更である。

野球発祥の地、アメリカで野球のルールを変えてしまったのだから、大谷は文字通りの「ゲームチェンジャー」だ。既存のルール内で最高のパフォーマンスを見せるのが一流のアスリートだが、ルールそのものを変えてしまう大谷は異次元の存在と言うしかない。そんな選手が日本から出てきたという事実に、僕ら日本人は興奮を隠せない。
https://president.jp/articles/-/81002?page=3

大谷翔平社会学

内野宗治/著 扶桑社新書 2024年発行

リベラル時代の新ヒーローはアメリカでどう受容されたのか?結婚フィーバーからグローバル資本主義まで、大谷翔平を知ることで“世界”が見えてくる。

第2章 日本の「文化的アイコン」そして「神」になった大谷 より

出すぎた杭

日本人はなぜ、これほどまでに大谷に熱狂するのだろうか?
わざわざ問うような話ではないかもしれない。大谷は日本で最高のアスリートであり、自国が生んだトップアスリートに夢中になるのは当然といえば当然だ。それにしても、近年の日本における大谷フィーバーはすさまじく、時に狂気のようでさえある。なぜ僕ら日本人が大谷に夢中になるのか、いま一度考えてみたい。

まずシンプルに大谷は、2024年の時点で世界最高の野球選手であるだけでなく、史上最高の野球選手であると言っても過言ではない。そうした事実が多くの日本人を興奮させている。

アメリカのMLB報道では、選手のことを”Product”と表現することがある。たとえば野球大国として知られるベネズエラ出身の選手は”Venezuelan Product”など、選手の出身地を頭につけて表記することが多い。それに倣うと大谷は紛れもなく”Japanese Product”、すなわちメイド・イン・ジャパンの野球選手だ。かつて日本製の自動車や電化製品がアメリカ市場を席捲したように、大谷はアメリカ球界で旋風を巻き起こした。大谷が”Japanese Product”であるという認識があるからこそ、僕ら日本人は彼の活躍を誇りに思う。
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そんななかで、大谷は圧倒的に突出した選手として現れた。「MLB最高の選手のひとり」どころではなく、野球史に残る絶対的なスーパースターである。

大谷は、野球というスポーツのルールさえも変えてしまった。MLBは2022年シーズンから「投手として出場した選手は降板後も指名打者としてラインアップに残ることができる」という、いわゆる「大谷ルール」を導入した。そのネーミングが示すように、今やMLBの顔である大谷を可能な限り試合に出場させることを事実上の目的としたルール変更である。野球発祥の地、アメリカで野球のルールを変えてしまったのだから、大谷は文字通りの「ゲームチェンジャー」だ。既存のルール内で最高のパフォーマンスを見せるのが一流のアスリートだが、ルールそのものを変えてしまう大谷は異次元の存在と言うしかない。そんな選手が日本から出てきたという事実に、僕ら日本人は興味を隠せない。

一般的に「突出した個人」を好まず「横並び」が善しとされる日本社会では、よく「出る杭は打たれる」と言われる一方で「出すぎた杭は打たれない」とも言われる。大谷は「出すぎた杭」だ。ここまで突出しているともはや誰もその杭を打つことはできず、称賛するのみ。そして僕ら日本人は「出る杭は打たれる」社会に生きているからこそ、心のどこかで「突出したヒーロー」を求めているのだろう。

自分自身が「出すぎた杭」になれないのなら、せめて別の誰かがそうなってくれないだろうか? そんな日本人の深層心理に、最高のかたちで応えているのが大谷なのかもしれない。「出すぎた杭」に憧れる一方で、現実には「出る杭」にならないよう、細心の注意をもって暮らしている僕らは、大谷翔平という「出すぎた杭」を見て爽快感を覚える。