じじぃの「カオス・地球_397_死因の人類史・第12章・ビタミン不足」

色んな栄養素たっぷりなブロッコリー!1株あっという間になくなります。「ブロッコリーのアンチョビソテー」の作り方【筋トレ/ダイエット/ビタミンC/葉酸/ブロッコリーレシピ】

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ブロッコリーの栄養について

食品画像のそざい屋さん
サラダや炒め物、スープなど様々な料理で活躍するブロッコリーですが、がん抑制効果があることを知っていますか?
ブロッコリーに含まれている成分にはがん抑制効果があります。切ってから放置をすることで100%活性します。なので切ってから4,5分おいてから使用するようにしましょう。

他lこもブロッコリーにはビタミンC、B1、B2、葉酸なども多く含まれています。しかし、3日でビタミンが半減してしまうので早めに食べるようにしましょう。
また、茹でることでビタミンが損失してしまうのでおすすめの調理法はフライパンに少量の水を入れて蒸すことです。
https://sozaiya-san.jp/2021/11/05/%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%B3%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%81%AE%E6%A0%84%E9%A4%8A%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

死因の人類史

【目次】
序章 シエナの四騎士
第1部 さまざまな死因(死とは何か?;『死亡表に関する自然的および政治的諸観察』 ほか)
第2部 感染症黒死病;ミルクメイドの手 ほか)

第3部 人は食べたものによって決まる(ヘンゼルとグレーテル;『壊血病に関する一考察』 ほか)

第4部 死にいたる遺伝(ウディ・ガスリーベネズエラの金髪の天使;国王の娘たち ほか)
第5部 不品行な死(「汝殺すなかれ」;アルコールと薬物依存 ほか)
結び 明るい未来は待っているのか?

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『死因の人類史』

アンドリュー・ドイグ/著、秋山勝/訳 草思社 2024年発行

疫病、飢餓、暴力、そして心臓、脳血管、癌…人はどのように死んできたのか?
有史以来のさまざまな死因とその変化の実相を、科学的・歴史的・社会的視点から検証した初の試み、壮大な“死”の人類史。

第3部 人は食べたものによって決まる 第12章 『壊血病に関する一考察』 より

ビタミンCを合成できないヒトの遺伝子

なぜ、ビタミンCが不足すると壊血病になるのだろう? 人体に存在する全タンパク質のなかで圧倒的に多いのはコラーゲンで、筋肉、血管、腸は言うまでもなく皮膚、骨、靭帯、腱もおもにコラーゲンでできている。コラーゲンは、3本の繊維をたがいにより合わせたロープのような形をしており、それらが鎖状につながっている。
コラーゲンを合成するうえでビタミンCは不可欠な物質であり、鎖にそってさらに酸素原子を追加、この酸素原子が結合することで構造を安定させている。ビタミンCが不足すれば酸素原子が欠乏し、コラーゲンそのものが壊れやすくなるのだ。したがって壊血病の症状は、コラーゲンがとくに必要な部位、たとえば歯根と顎の骨のあいだの歯槽をつないでいる歯根膜などに現れる。コラーゲンがもろくなって歯根膜が弱くなると、その結果歯が抜けてしまうのだ。

ほとんどの動物は自分でビタミンCを合成できるが、モルモットや一部の魚や鳥、コウモリ、ヒトを含む霊長類はそうではない。

人類はビタミン不足による病気に悩まされてきた

言うまでもなく、ビタミンCは数あるビタミン類のひとつにすぎない。何千年ものあいだ、食材があまりにもかぎられた食事のせいで、人類はビタミン不足による病気に悩まされ続けてきた。ビタミンD(と日光)の不足は骨軟化症とくる病を引き起こし、ビタミンB3が不足するとペラグラ(ナイアシン欠乏症)という吸血鬼のような症状を呈するようになる。日光が当たると皮膚には水ぶくれが生じ、肌は青白く、生肉への渇望が高じて口から血を垂らすようになり、攻撃性と狂気を募らせていく。そして、ビタミンB12が不足すると、血液疾患と脳機能障害が引き起こされる。

微量栄養素の多くを占めているのがビタミン類で、食事において大量に必要とされる炭水化物、脂質、タンパク質、水分などとは異なり、微量ながらも摂取が必須とされる物質だ。現在、世界でもっとも広範に見られる微量栄養素の欠乏は、鉄、ヨウ素、ビタミンA、葉酸亜鉛などで、おもにサハラ以南のアフリカと南アジアで多く見られる。これらの地域では5歳未満の子供の半数が1種類以上の微量栄養素の欠乏による健康問題を抱えており、世界全体で見た場合、その数は約20億人におよぶ。妊娠中の女性や子供は特定の微量栄養素をさらに多く必要とするため、欠乏のリスクがさらに高い。

ビタミンAの欠乏症はおもに小児に発症し、暗所での視力低下(夜盲症)を引き起こして最終的には全盲になってしまう。網膜で光を吸収する分子のロドプシンを作るにはビタミンAが必要だからだ。免疫系にもビタミンAは欠かせない。鉄は赤血球内のヘモグロビンで酸素を運ぶために使われているので、鉄が不足すると貧血になってしまう。貧血は女性や乳幼児に多く見られ、幼児の場合、身体的な成長が遅れ、感染症への抵抗力が低下するばあrか、知能の発達も遅れてしまう。妊娠中の貧血も胎児の成長を遅らせ、新生児や出産時の母親の死亡リスクを高めてしまう。

土壌にヨウ素が不足している地域では、ヨウ素の欠乏はやはり珍しくない。ヨウ素という必須元素の欠乏は、知的障害や流産、死産、先天性異常が発生するもっとも一般的な原因となっている。亜鉛は多くの酵素を機能させるために必要な物質で、感染症への抵抗力や神経系の発達をうながし、女性の場合、不足すると早産の可能性が高まる。出産と言えば、受胎から数週間後、胚性幹細胞の層が溝を形成し、それが折り重なって神経管となる。これが脳、脊髄、その他の中枢神経系の前駆体だ。葉酸はこの過程が正常に完了するために不可欠で、葉酸の不足は神経管が完全に閉じない二分脊椎などの神経管欠損を引き起こしてしまう。

もっとも、幸いなことに、これらの欠乏症はいずれも必要な微量栄養素を豊富に含む食品を摂取するか、あるいは強化した食品を口にすることで簡単に治療できる。ビタミンAはレバーをはじめ、ニンジン、ブロッコリー、チーズに多く含まれている。亜鉛は肉やナッツ類に多く含まれ、ヨウ素は食塩に添加でき、鉄と葉酸と小麦粉に加えることが可能だ。あるいはサプリメントとして、錠剤、粉末、液体で摂取できるだろう。亜鉛は多くの地域で土壌に含まれていないため、収穫した作物に不足しているが、亜鉛を配合した肥料を使えば作物そのものが丈夫になるだけでなく、同時に収穫量も増やすことができる。

WHOやアメリカの疾病予防管理センターなどの機関が、栄養不良の解消に向けた取り組みを推進してきた。微量栄養素の不足を解消する対策は、安価なうえに効果も絶大だ。健康状態をめぐるほかの多くの問題同様、問題の背景に潜む科学を理解すれば、ハイテクを駆使するような解決策はほとんど不要で、問われるのはやり遂げるようとする政策的な意志の強さだ。

また、育種や遺伝子組み換えで改良型を作り、主食の作物に含まれる望ましい微量栄養素の濃度を高めることもできるだろう。なかでもビタミンAが強化された「ゴールデンライス」がよく知られている。つまり、栄養失調そのものは回避できる問題なのだ。栄養失調に対処することで、赤ちゃんや子供たちはさらに健康になり、長じてますます健康な大人に成長し、自国の富と幸福の増大に貢献してくれる。