じじぃの「私の人生を決めた本・アブラハム・どんな人物だったのだろうか!文藝春秋」

アブラハムの生涯


アブラハム

ウィキペディアWikipedia) より
アブラハム(Abraham)は、ヘブライ語で多数の父という意味。ユダヤ教キリスト教イスラム教を信仰する「啓典の民」の始祖。ノアの洪水後、神による人類救済の出発点として選ばれ祝福された最初の預言者。「信仰の父」とも呼ばれる。

【聖書におけるアブラハム
テラの子アブラムは、文明が発祥したメソポタミア地方カルデアのウルにおいて裕福な遊牧民の家に生まれたと学者らによって考えられている。カルデアのウルはメソポタミア北部と南部の説があり、どちらなのかは確定していない。

テラは、その息子アブラムと、孫でアブラムの甥に当たるロト、およびアブラムの妻でアブラムの異母妹に当たるサライ(のちのサラ)と共にカナンの地(ヨルダン川西岸。現在のパレスティナ)に移り住むことを目指し、ウルから出発した。しかし、途中のハランにテラ一行は住み着いた。

アブラムは父テラの死後、神から啓示を受け、それに従って、妻サライ、甥ロト、およびハランで加えた人々とともに約束の地カナン(現在のパレスチナ)へ旅立った。アブラム75歳の時のことである。

【祖先としてのアブラハムの位置付け】
ユダヤ人はイサクの子ヤコブ(ヤアコブ)を共通の祖先としてイスラエル12部族が派生したとし、アブラハムを「父」として崇め、また「アブラハムのすえ」を称する。一方でイサクの異母兄に、妾ハガルから生まれた一子イシュマエル(イシュマイール)や後妻ケトゥラから生まれた異母弟たちがいて、旧約聖書の伝承では彼らがアラブ人の先祖となったとされる。

また、すべてのユダヤ教徒の男子はアブラハムと神との契約により、生後8日に割礼を受ける定めとされる。

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文藝春秋』2023年5月号

「私の人生を決めた本」 より

偶然目にした本から医学の道へ 尾身茂(新型コロナ感染症対策分科会会長)

私は幼少の頃から、やんちゃな一面と、緊張すると胸がドキドキしてしまう神経質な一面とがありました。そのせいか、「心」について漠然とした関心があったのです。

高校時代になると、こうした両面的な性格は少しコントロールできるようになりました。生徒会長を任された経験も重なって、将来は実社会で何かしら貢献できる仕事に就きたいという思いを強めたものです。
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経験の深化がもたらす成熟

私はクリスチャンではありませんが、この他にも時々読み返すのがフランス文学者で哲学者であった森有正アブラハムの生涯』日本キリスト教団出版局)です。旧約聖書の創世記に出てくる登場人物が自分の内なる声に促されて、行先も知らず故郷を捨て旅に出る。その生涯の物語です。

私たち一人ひとりは、固有の主観的な世界を持っています。これを森氏は「経験」と呼びますが、この経験は静止的ではなく、これを深化させることで人は1つの成熟を遂げるという。自分の選んだ道が上手くいくかどうか保証はないが、自らの経験に忠実であることで、新しい発見をしたり、さらに遠くまで行くことができるかもしれない。

私たちにできることは、自らの経験を大切にし、忍耐を通じて経験が成熟するのを待つこと。人がそれぞれ個人の課題に真剣に取り組むことで普遍性に達するのだ、と森氏は説ききます。

そして「自分もそうだったが教えている生徒の多くが、社会における自分の状態、役割がわからない、という。しかし、成熟することにより他者への共感、社会への責任などがはっきりしてくる」と述べています。人生の困難さと同時に深さを感じさせてくれる1冊で、若い人たちにもお薦めしたいと思います。

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どうでもいい、じじぃの日記。

2023年5月号『文藝春秋』特集「私の人生を決めた本」に『アブラハムの生涯』のことが書かれていた。

3年前に、ポール・ジョンソン著『ユダヤ人の歴史〈上・下巻〉』を読んだ。
「エピローグ」にこんなことが書かれていた。

「神が与えた律法と人が制定した法律と、その両方の下での平等、生命の神聖と人格の尊厳、個人の良心と人間一人ひとりの救済、集団的良心と社会的責任、抽象的理念としての平和と、正義の基礎たる愛、その他基本的な道徳観念の数々。これらの思想は、すべてユダヤ人が編み出したものである。もしユダヤ人がいなければ、この世はもっと空虚なものであっただろう」

紀元前2100年頃、メソポタミア南部ウル、ウルク、ラガシュなどの地域でシュメール人都市国家を形成していた。

「信仰(ユダヤ教)の父」と言われるアブラハムはこのウルの出身だ。

アブラハムがウルを出発したのは、ウル第3王朝のウルナンムによる統治の後らしい。

彼は、今の世界の礎を築いたと言われる。
一体どんな人物だったのだろうか。