Alex, a Parrot Who Had a Way With Words, Dies
Alex the parrot: prodigy or bird brain?
Sat, Sep 15, 2007 Taipei Times
His death has been reported in the 'New York Times'; an Internet condolence book has been set up in his memory. So what made Alex the parrot so special - and so controversial?
https://www.taipeitimes.com/News/feat/archives/2007/09/15/2003378947
第6章 鳥は動物界の計算チャンピオン――鳥類 より
「後者関数」を理解した伝説のヨウム・アレックス
鳥の計数については、本当に驚くような実例が1つある。オウムのアレックスは30年間にわたって、最初はアリゾナ大学で、その後はブランダイス大学とハーバード大学で、比較心理学者アイリーン・ペッパーバーグの訓練を受けた。2007年のアレックスの死は、『エコノミスト』誌や科学誌の『ネイチャー』など世界中のメディアで広く報道された。
『ニューヨーク・タイムズ』紙は追悼記事に、「おしゃべり上手なオウムのアレックス死す」という大見出しをつけた。記事を書いたベネディクト・キャリーは、アレックスがどのように訓練されたのかを次のように説明している。
「ヨウム[訳注:オウム目インコ科の鳥]は社会性のある鳥で、あっという間に集団力学を察知する。実験において、ペッパーバーグ博士の1人のトレーナーを雇い、1粒のブドウのような小さな報酬をめぐって、事実上アレックスと競争させた。アレックスはトレーナーが報酬を得るためにしていることを観察し、ブドウを要求することを学んだ。研究者たちはその後、アレックスが言葉の発音を学ぶのに一緒に取り組んだ」(2007年9月10日)
このやり方は「モデル/ライバル法」と呼ばれ、ペッパーバーグがアレックスの訓練に成功して以来、ほかの動物の訓練によく使われている。
アレックスはまた、実にユニークな性格をしていた。訓練試験を何十回も繰り返してうんざりしたときは、くちばしで刺激してトレイから物を振り払って、ケージに戻りたいと要求した。2007年9月にアレックスが死んだときの、ペッパーバーグへの最後の言葉は、「いい人でいてね。愛してるよ」だった。
注目に値するのは、アレックスが、人間しかできないと思われていたことができたことだ。とくに驚かされるのは、『ニューヨーク・タイムズ』紙にあるように、多くの言葉を話したり、理解したりできたことだ。広範な訓練のあと、アレックスは、50の異なる物体、7つの色、形を認識できた上に、その名前を言うこともできた。話す能力もコミュニケーション能力も桁外れで、自分が何を求められているのかを理解しているようだった。
トレイに載った物体の形や色や素材について尋ねられると、正確に答えを返した。そして、どんな大きさや色をしていても、鍵のことは「鍵」と呼んでいた。
アレックスが平均的なヨウム(学名:Psittacus erithacus)よりも賢かったことを疑う余地はない。研究所のほかのオウムたちよりも、語彙の課題でずっとよい成績を取っていた。たとえば、グリフィンという12歳のオウムが完全に習得できたのは、20語だけだった。ちなみにアレックスは時折、1羽でいるときも言葉の練習をしていた。
アレックスの認知発達には、「物の永続性」も含まれていた。つまりアレックスには、その物体が視界から隠れても存在し続けている、という期待があったから、予想外の物が目の前に現れると、驚きや怒りさえ示した。影響力あるスイスの心理学者ジャン・ピアジェの発見によると、人間の赤ん坊は、生後8ヵ月頃になってようやく認知発達のこの段階に到達する。
アシックスは、「同じ」「違う」という抽象的な関係概念を学ぶことができた。「何が同じ?」「何が違う?」と問われると、「トレイのうえの、組み合わせが異なる何対(つい)かの物体について、正しい英語の分類名(「色」「形」「素材[マテリアル]」)を使って正しく答えた。アレックスの正解率は、訓練では使われなかったがなじみのある物体の対に対しては69.7~76.6パーセント、色と形と素材の組み合わせになじみのない物体を含む対に対しては、82.3~85パーセントだった」
だが、とくに興味をそそられるのは、彼の数的能力である。アレックスは少なくとも6までの数の名前を挙げられた。数詞と物体の集合の関係を学び、のちには数字と集合の関係も学んだ。
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アレックスは、7と8という新たな記号を加えても、順序づけの課題をかなり正確にこなした。実験の数字がさまざまな色で提示されたが、それがオレンジ色でも黄色でも青色でも、「7は何色?」という問いに正しく答えた。
この課題のもう1つの結果も、実に興味深いものだった。アレックスが集合の数を答えたあとに、1つか2つの物体が加えられたり取り除かれたりすると、一度を覗いて、アレックスは変化した集合の数を正しく答えた。たとえば、7個のブロックの集合が提示されると、「7」と答え、1つ加えられると「8」と答えた。また、8個のブロックの集合から2つが取り除かれると、「シーシー(6)」と答えた。
アレックスは、「数」を変える――足したり引いたりする――と、口頭での数詞も変えなくてはならないことを理解しているようだった。これは第2章で説明した2~3歳児に行った実験と少し似ている。
ただし、アレックスは、人間の多くの子どもたちのようにただ別の数詞に変えるだけでなく、正しい数詞を答えた。アレックスはピアジェが「数の保存」と呼んでいた概念を持っていたように思われるが、ピアジェはこれが人間の子どもたちに認められるのは、7歳に近づいた頃だと考えていた。
ペッパーバーグとケアリーは、アレックスが「後者関数」を理解していると結論づけた。つまり、おおよその数感覚を持つのではなく、数が順序通りに並び、整数nの後ろには「n+1」……と1 大きい数が続いていくと理解していたのだ。
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どうでもいい、じじぃの日記。