じじぃの「イアン・ブレマー・2022年に起きた3大出来事・ロシアはならず者国家に」

Cracks in Chinese Communist Power & Xi Jinping's Rocky 2023 To Come | GZERO World

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=Hfyi9oaafQY

イアン・ブレマー 「徹底予測2023」


プーチン大統領の判断ミス? 「ロシアは“ならず者国家”に」

2022年12月27日 NHK 国際ニュースナビ
プーチン氏は偉大な戦略家から最悪の戦略家になってしまった」
国際的なリスク分析で知られるアメリカの国際政治学者イアン・ブレマー氏は、ウクライナへの侵攻を続けるロシアのプーチン大統領について、こう語りました。
ロシアによる軍事侵攻で世界は大きく変わり、二度と元には戻れないと指摘するブレマー氏。
いったいなぜ元には戻れないのか。今後、世界はどうなってしまうのか。ブレマー氏の分析です。

問題はウクライナでの戦争を終わらせることだけではありません。問題はロシアを再び普通の国に戻すことができないということなのです。ロシアは“ならず者国家”になってしまいました。

ロシアは侵略によって自らそうなりましたが、西側諸国は信じられないほど協調的に対応しました。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/international_news_navi/articles/qa/2022/12/27/28253.html

日経ビジネス 「徹底予測2023」 2022年12月発行

混迷の近未来を読み解く 世界の4賢人 特別インタビュー イアン・ブレマー氏、ビル・エモット氏、柯 隆氏、小林 俊介氏 より

国際政治学者のイアン・ブレマー氏はインタビューで、米中間の分断が進み非常に不安定な1年になると語る。ただ「台湾有事」の可能性は低いというのが同誌の見立てだ。仮に武力侵攻が起きれば、台湾積体電路製造(TSMC)の拠点が破壊されかねないからだという。

国際政治学者のイアン・ブレマー氏に聞く

米中の弱体化で混沌の時代へ

――2020年に起きた地政学的リスクのトップ3を挙げるとしたら何でしょうか。

22年の1位は、他を大きく引き離してロシアのウクライナ侵攻でした。侵攻には石油価格の高騰やサイバー攻撃など複数のリスクが含まれていますが、23年にかけて注意しなければならないのはプーチン大統領の心理状態でしょう。
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2位は米中間のテック闘争。22年は半導体の供給不足でテック業界や自動車業界に大混乱を来し、米国企業の中国離れも進みました。23年はテック領域での分断がより鮮明になり、さらにその他の産業の輸出入や互いの国への投資が停滞するでしょう。サイバーセキュリティや台湾侵攻、南シナ海の安全保障などでの米中間の闘争も激しくなると見ています。

権力を誇示する習氏

3位は中国の習近平(シー・ジンピン)政権によるゼロコロナ政策です。国民が思うように活動できず、中国経済、ひいては世界経済にも大きな悪影響を及ぼしました。国民の不満が爆発し、抗議運動が活発化していますが、天安門事件からも予想できる通り政府が強大な権力で制圧するまででしょう。このため、ゼロコロナが政権そのものを脅かすとは考えてはいません。ただ、ゼロコロナを巡る経済停滞が長引けば、世界に与える影響度はウクライナ侵攻以上になる可能性があります。

――習政権の権力が増すと世界の地政学にどんな影響を及ぼしますか。

決して良くはありません。

日本の皆さんの関心は「ウクライナ侵攻を受けて中国も台湾に侵攻するのかどうか」にあると思いますが、たとえ習氏の権力が増したとしても私は、中国の台湾侵攻は近い将来はあり得ないと考えています。

理由はウクライナ情勢で西側諸国が一致団結している様子を中国が見ていたことが1つ。もう1つは、台湾には台湾積体電路製造(TSMC)があり、侵攻すれば、相手の国に半導体供給の実験を握られないようにと米国か中国のいずれかが拠点を破壊する可能性が高いことです。これはただでさえ経済が弱体化している中国も望まないはずです。

――日本の政権はインフレや円安を治められますか。

現在の日本の中央銀行が他国と同じように金利を上げることは非常に難しいと思います。政権がどうこうというより、日本経済そのものが弱まっているからです。ドルに足して円が安いのも、日本経済の弱体化に原因があります。世界的なインフレは先に触れた通り構造的な問題なので日本だけでできることは少ない。残念ながら、この状況は23年も続くでしょう。
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23年は非常に不安定な1年になるでしょう。欧州ではリセッションが進み、複数の新興国に経済危機が訪れ、あらゆる領域で米中間の分断が進み、ロシアによる戦争は地域を拡大して激しさを増す。そんななかで日本の経営者に伝えたいのは、「備えあれば憂いなし」という点。ウクライナ侵攻のとき、危機を早期に察知して数日のうちにロシアから撤退した英BPが好例です。
日本の経営者はリスク管理にたけています。世界の情勢に敏感になりリスクを回避すれば、混沌とした中でも明るい未来を勝ち取れると信じています。