じじぃの「科学・芸術_1003_台湾・母語・台湾語・沖縄語」

台湾に行くまでに覚えておきたい台湾語5選*107

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=pXEZvQm87WE

「アタマコンクリー」台湾に残る日本語由来の言葉

2021/10/12 産経ニュース
1945年まで50年にわたって日本統治下にあった台湾では、日本語の影響を受けた言葉が、いまなお生活に息づいている。
日本語の意味でそのまま使われている言葉や微妙にニュアンスが変わった言葉など、さまざまだ。若い台湾人は日本語由来とは知らず、地元の言葉だと信じて使う例も多いようだ。
https://www.sankei.com/article/20211012-ZC5Y6A46ERO5PHBUTQ56ETHNZU/

漢語拼音(ピンイン

Wikibooks より
拼音(ピンイン)とは、中華人民共和国の定めた、発音の表記法である。
1955~1957年、「中国文字改革委員会」が、「漢語拼音方案委員会」を設立し、研究に乗り出した。
1958年2月11日,全国人民代表大会がこれを公布した。
1982年、国際標準化機構ピンインを中国語の国際的な表記法に定めた。
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%BC%A2%E8%AA%9E%E6%8B%BC%E9%9F%B3%EF%BC%88%E3%83%94%E3%83%B3%E3%82%A4%E3%83%B3%EF%BC%89

『台湾を知るための72章【第2版】』

赤松美和子、若松大祐/編著 赤石書店 2022年発行

Ⅲ 社会 より

第33章 言語――共通語・母語・字体・表音式表記

台湾の言語状況はかなり複雑である。日本の場合は「日本人=日本語」という図式が成り立つため、同様に「台湾人=台湾語」と想像しがちである。しかし、台湾の場合には単純な「台湾人=台湾語」の図式は成り立たない。台湾で使用される諸言語の構図としては、上部にはかつての国語であった日本語を代替する形で1945年に入ってきた北京語(国語=華語)が共通語として覆いかぶさり、下部に原住民や漢民族の各エスニック・グループ(族群)の言語があることをイメージすると理解しやすいだろう。そのうえで、「台湾語」はどのような言語であるのかを説明するならば、広い意味と狭い意味、どちらで使用されるかで意味するものが異なってくる。
まず、狭い意味での台湾語を見てみたい。狭義の意味での台湾語は、大多数の住民が母語とする、福建省南部由来の言語のことを指す。その他にも、閩南語や福人+老語(ホーロー語)ともいわれる。閩は中国における福建省の別称であり、福建省の南部で使用される言語であるため閩南語といわれる。しかし、門構えの中に虫が入っていることが蔑称であり、台湾に移住した各地出身者の言語が混淆したことによる変質を受けて(その他、中国でも未だ同じ閩南語の呼称が使用されるため、中国とイコールの関係として見られるのを敬遠する理由もある)、近年では福人+老語と呼ばれることが増えてきている(本章でも以下、福人+老語と統一して使用する)。この言語は、台湾に住む大多数の漢人が使う言葉であるため、日本統治時代に日本人が「台湾語」と命名したともいわれている。なお「台湾華語」は台湾で現地化した北京語を指し、福人+老語のことではない。
次に、広義の意味での台湾語である。この広義の意味での台湾語とは、台湾に住む人々の言語全てを指すものとされる。上記の福人+老語以外にも、台湾にも客家人母語とする客家語、原住民族の諸語(16部族が認定)があり、また、外相人は中国各地の言語を母語としていたものの、世代交代と通婚によってすでに華語母語と見なされている。異なるエスニシティの言語は全て台湾という土地の上で話だれているという理由から、それらを全て総称して「台湾語」と呼ぶことも可能ではあるが、この用法は一般的にはほとんど使用されないため、通常は、「台湾語=福人+老語」と想定される。

ところで、沖縄ではやまとぐち(日本語)がすでに大多数の住民の母語となり、本来の沖縄の言語が「消滅危機言語」に指定されたことに対する反省して、近年、うちなーぐち(沖縄語)の復興がメディアで盛んに提唱されている。台湾も1990年代までは共通語である華語の影響力の前に各エスニシティの言語が失われる状況にあったが、諸言語によるテレビ・ラジオ放送に加えて2001年からは学校教育での母語教育に相当する「郷土言語教育」が実施されている。2018年には言語復興・発展のため「国家言語発展法」が制定された。戦前・戦後には学校には学校で方言を使用した児童を罰する「方言札」が両地で用いられたように、隣同士である沖縄と台湾を比較すると言語面でも非常に似た歴史を歩んできたことからも、沖縄が隣人の台湾から学ぶべきところは少なくないだろう。

台湾で使用される文字は繁体字(日本という旧字体。1946年までは日本も繁体字を使用)である。台湾では正体字という場合もある。この繁体字を使うのは、主に台湾とマカオ(その他、世界各地の中華街)である。それに対して中華人民共和国シンガポールなどで使用されるのが簡体字である。
この文字の棲み分けがあることから、「台湾=繁体字」、「中国=簡体字」と、イデオロギーを重ね合わせてその対抗関係を語る人も少なくないが、実際のところ問題はそう単純ではない。簡体字はそもそも1934年に国民党が中国大陸で公布した経緯があり(後で撤回)、共産党の発明ではない。
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総じていえば、台湾では共通語として台湾的な華語が使用される他方、簡体字と漢語ピンイン(ローマ字による表音式表記)に対しては抵抗感を持つ人もいる。同じ華語を使用する中国語圏でなぜこのような状況が生じるのだろうか。それは同じ英語であってもイギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリアそれぞれに個性があるように、たとえそれが字体やローマ字表記の範囲であっても、中国とは異なる台湾独自のアイデンティティを示したい台湾住民の欲求が少なからずその背後にあるためである。その証拠に、台湾ではパスポートに記載するローマ字表記を自分自身で決めることができるが、そこで漢語ピンインを使用する者はほとんどいないといってよい。もし読者の中に台湾人の友人や知り合いがいるなら、彼らのパスポートの署名のページを見せてもらおう。そこではどのようなローマ字表記が使われているだろうか。