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Drug Abuse Poster FRANK
Drug Abuse Poster FRANK
Alamy
Poster from United Kingdom reduction of drug misuse and dependence FRANK, "Is Skunk Stronger than Badger Stock Photo
https://www.alamy.com/stock-photo-poster-from-united-kingdom-reduction-of-drug-misuse-and-dependence-71499471.html
死者年7万人、米国で広がる世界最悪の薬物蔓延の現場を歩いた
2018.12.13 GLOBE+
CDCの先月の発表によると、17年の米国の薬物の過剰摂取による死者は7万237人で、交通事故の死者のピークより高い。
そのうち、フェンタニルによる死者は約2万8466人で、13年の3000人から急増している。
https://globe.asahi.com/article/12002404
『世界を変えた100のポスター 下 1939-2019年』
コリン・ソルター/著、角敦子/訳 原書房 2021年発行
091 薬物乱用防止ポスター より
Drug Abuse Posters[1987年-]
いわゆる麻薬戦争はたいてい勝ち目がないように思える。しかも薬物摂取のサブカルチャーでは、当惑させられるほどの速さでハイになる新しい方法が考案されている。大半の国の政府はこれに、法執行の強化と麻薬撲滅プロパガンダという二重の戦略で対処している。
1986年、ナンシー・レーガンがアメリカの若者に「はっきりノーといおう」と訴えたとき、良識あるアメリカはそのイニシアティブに拍手を送った。だが、反抗心旺盛な若者にとって、ファーストレディーの忠告は右から左へと聞き流すものだった。
1987年のポスターではマクグラフというブラッドハウンド犬が、コカインの害について吠えたてているが、どんなに「よい」子であっても、それはほとんど胸に響かなかった。仲間にノーというのは難しいか不可能だった。それ以上に、ナンシー・レーガンが奨励した妥協を許さない取り組みのおかげで、アメリカの若年層でもとくにマイノリティに属する者が、何千人と犯罪者となった。
ナンシー・レーガンが単純で家庭的なメッセージを伝えたその年、イギリスでは、政府がそれを上まわる強硬手段に出ようとした。青ざめた顔で生気がなく、湿疹だらけになったヘロイン中毒の若者の衝撃的な姿とともに、「病的になって体重を減らし、死ぬかもしれないと思いはじめるだろう」というメッセージを伝えたのだ。が、これがかえって裏目に出た。謎めいた依存症の若者の絵を、ティーンエイジャーがピンナップにしたのだ。ファッション業界まで刺激を受け、最新の「ヘロイン・シック」スタイルで応えた。
反体制的な人々を麻薬使用の魅力から遠ざけるという歴代政府の挑戦は20世紀いっぱい失敗続きだった。その末に2003年、イギリス政府は斬新な取り組みを始めた。麻薬を悪者扱いするのではなく、白日のもとにさらそうとしたのだ。タブーや刺激をもたらすものと決めつける代わりに、使用者と親がよい点と悪い点について話し合うことを奨励したのである。
この企画は「フランクと話そう」と呼ばれた。この時は従来の電話相談サービスにくわえて、はじめてインターネットの世界を認め、ウェブサイトやcメール、オンラインチャットを活用した。フランクは、経験から学んだ率直なアドバイスをしてくれる、兄貴的な存在として考案された。映像化されることはなかったので、かっこいいも悪いもなかった。常習的な中毒者に訴えるのではなく、麻薬文化について親が情報を教えてもらえる人物として想定されている。親が若い頃は大麻とLSD、ヘロインだけ知っていればよかったが、麻薬文化はそれから劇的に変わっている。
スカンク[強いマリファナ]、ウォンク[全身麻酔薬ケタミン]、ミャー・ミャー[強力な麻薬メフェドロン]といわれたら、親派どこまでわかっているだろうか? また知るべきなのは何なのだろうか?
フランクは政府内外の保守勢力から猛反発をくらった。素面のときだけでなく、ハイになったときのことを率直に語るのはいかがなものか、と批判者は質問を口にした。フランクは一部の麻薬の快楽を認めている。初期の広告で「コカインをやると最高の気分になれる」と認めたのは有名だ。しかも、粗悪品の流入を防ぐという名目で、違法薬物を安全に手に入れる方法を教えているように思われることもあった。
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フランクが着任してから、10パーセント前後の減少はあった。だが少なくとも下降の原因には、マリファナの消費の全般的減少がある。それでもフランクは、対象とする視聴者とのあいだである程度の信頼を勝ちえている。政府とのつながりを見せず、目前の問題について包み隠さない率直さを示しているからだ。情報とアドバイスをフランクに求める、という若者は3分の2にのぼる。また時には信頼する兄をもつことこそが、必要だったりするのだ。