じじぃの「科学・地球_230_不思議で美しいミクロの世界・マクロファージの貪食」

Bacteria vs. Macrophage

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=rgFeL3jd9X0

Trapped in a web: neutrophil NETs act as webs for macrophage ‘spiders’

17 SEP 2021 BioTechniques
Neutrophils produce “spider webs” that trap invading bacteria and improve macrophages’ ability to phagocytose and kill harmful pathogens.
https://www.biotechniques.com/immunology/trapped-in-a-web-neutrophil-nets-act-as-webs-for-macrophage-spiders/

宮崎徹さん「猫が30歳まで生きる日」インタビュー 〈治せない病気〉を治したい

2021.10.13 好書好日
――いまお話に出た「AIM」と「ネコ薬」についてご説明をお願いします。
宮崎:「AIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage)」とは、私がスイスのバーゼル免疫学研究所にいた1999年に偶然発見して名付けたタンパク質です。AIMはヒトの血液中に高い濃度で存在するものの、体内でどのようなはたらきをするのか、長らく解明することができませんでした。ですがさまざまな試行錯誤を経て、AIMは死んだ細胞など体内のゴミを掃除する機能をもつことが判明しました。
https://book.asahi.com/article/14456155

『不思議で美しいミクロの世界』

ジュリー・コカール/著、林良博/監修 世界文化社 2016年発行

免疫系で活躍する細胞 マクロファージの貪食(Phagocytosis of Bacteria by a Macrophage) より

●紫の塊は、免疫機構の中で忙しく働く細胞の1つである。その役割は、病原菌や細菌をはじめ、病因となりうる成分をガツガツ食べることだ。

肺はまさに戦場である。敵は大腸菌。この見開きのあちこちに点在する、小さな緑色の棒状の物体がまさに大腸菌。通常、消化器系の真面目な住人である大腸菌は無害で、食物の分解を助ける役割も担っている。ところが病気を引き起こし、人体を攻撃する悪者に変貌する場合がある。そんなとき、マクロファージと呼ばれる特殊な白血球が攻撃現場に介入してくる。
マクロファージはきわめて移動性に富む細胞で、サイトカインと呼ばれる情報伝達を担う分子の働きにより、攻撃の現場に集まってくる。無数に突き出た長い針金のような仮足によって、マクロファージは細菌を捕らえることができる。そして捕らえた細菌を細かく切り刻んで取り込み、吸収する。これを「貪食」という。しかし、マクロファージの役目はそれだけではない。貪食を逃れた遺物があることを他の免疫系の細胞に伝達し、攻撃すべき敵だと認識させるのだ。その戦いの周辺で、赤血球は自分の存在を仮足の1つに認識させる。赤血球は敵ではなく味方だとアピールするわけだ。