世界最大「ユニバーサル北京」開業の狙いとは？ (2021年9月20日)
ひるおび！
2021年9月21日 TBS
【レギュラー出演】恵俊彰、江藤愛、八代英輝、渡辺満里奈、立川志らく、森朗、小森谷徹、喜入友浩、野村彩也子、蓮見孝之、良原安美、久保井朝美、バービー、大谷昭宏、土井敏之、小笠原亘 【コメンテーター】富坂聡（拓殖大学教授）
ユニバーサル・スタジオが北京に 米中対立の中 ナゼ開業？
今月上旬、ユニバーサル・スタジオ北京のプレオープンでは、日本でもお馴染みのキャラクターのパレードが行われ、施設の中も観客でいっぱいとなっている。
ユニバーサル・スタジオがアメリカの施設であることについて。
富坂聡、「あまり気にしていないと思う。アメリカの映画も大好き」
●開業 中国「ユニバーサル北京」初日チケット・1分で完売
中国でユニバーサル・スタジオ北京がオープンした。
チケットは9月14日の午前0時からインターネットで販売を開始し、オープン初日分はわずか1分で完売した。
料金は繁忙期と閑散期で差があり4段階で１番安いもので約7100円、1番高いもので約1万2700円。
来場者の声。
「徹夜でチケットを手に入れたの」
「天津から来ました。オープンをずっと楽しみに待っていました」
過去の中国のテーマパークといえば、北京市にある石景山遊楽園はキャラクターを似せて作っていた。
今回のユニバーサル・スタジオ北京は北京市通州区にできた。
ユニバーサル・スタジオ北京は7つのエリアに分かれていて、日本でも馴染みのあるキャラクターのアトラクションがある。
北京の特別アトラクションでは「カンフー・パンダ」がある。
広さは日本の大阪のユニバーサル・スタジオジャパンの約3倍の約160ヘクタールだが、最終的に400ヘクタールまで拡張するという。
さらに、24のショーとパレードがある。
園内は「ハリー・ポッター」や「トランスフォーマー」、そして中国ならではの「カンフー・パンダ」など、7つのエリアに37のアトラクションが並ぶ。
今後は西遊記など、中国のオリジナルキャラクターも導入するという。
感染対策として入場者の体温を確認し、専用アプリもあり、健康コードを事前に入力するなどある。
もちろんマスク着用、手指消毒の徹底がされており、マスクをしていない人には着用の呼びかけがある。
中国の新型コロナ感染者数は中国全土で28人、北京市内は0人。
●開業 中国「ユニバーサル北京」米中対立の中 ナゼ開業？
ユニバーサル・スタジオ北京の運営会社は北京国際リゾートで、中国の国有企業5社が共同出資する会社の資本比率が7割で、米国のユニバーサル・パークス＆リゾーツが3割。
米国企業にとっては、巨大化する中国の消費市場の取り込みは欠かせない。
コロナ禍の中国のテーマパーク市場は、2020年は約9400億円だが、2027年には約1兆5000億円まで膨れ上がっていくだろうという。
米国映画大手は中国当局を刺激しないコンテンツ作りを進め、中国当局と米国企業の「共存共益」の構図がユニバーサル・スタジオ北京の開業につながった。
ただし今年5月、米国・通商代表部は過去1年間で中国の特許法や書作県法は改正されたとした上で「改革に向けたステップは中国の知的財産環境改善に欠かせない。抜本的な改革には及んでいない」として、引き続き知的財産権侵害の優先監視国に指定している。
米中対立の中、中国としても開園しない選択肢はなかったのかについて。
富坂聰、「米中貿易対立の前に工事が始まった。ユニバーサル・スタジオ北京開園による収益の試算が莫大だった」
こういった文化が流れてきても大丈夫という現れなのではについて。
富坂聰、「中国政府は西風に対して厳しい縛りはつけているが、一般の人が楽しむものについてはもういいじゃないかということ」
中国の証券研究所の試算では、ユニバーサル・スタジオ北京の設立で年間入場者数は約2000万人、年間売上高は約300億元（約5100億円）、さらに経済波及効果として収益の15倍以上あるのではないかという。
●開業 中国・景気浮揚に期待も
ユニバーサル・スタジオ北京は国内の経済効果としても期待されている。
富坂聰、「中国のもう1つの狙いとしてユニバーサル北京の3段計画をあげている。
第1段階は『導入参考』、第2段階は『消化吸収』、第3段階は『革新発展』。
中国人エンジニアが全面参加してメイドインチャイナ（made in china）の新たなグッズを作ろうという動きがある。中国はテーマパークの運営方法だけでなくソフトの有効活用の方法を米国から吸収し将来的には世界に向けた中国初のキャラクター展開も視野に入れている」
八代英輝、「まずはコピーして自分たちのものにして独立しようという発想だ。一方でウイグルの人権問題等は深刻化している」
バービー、「中国人の自信を感じる。これはこれで楽しむという感覚の人が多いのだと思う」
大谷昭宏、「そのうち、コピーがいけないことに気づくと思う」
また中国はTPP（環太平洋パートナーシップ協定）に申請中だが様々な問題がある。
国有企業に対しては習指導部は「弱体化できない」と優遇策を継続し、ウイグル族などの人権問題では米国や欧州が批判している。
また多くの物品で関税を撤廃し電子商取引や知的財産など幅広い分野でルールを定めるなどハードルはまだまだ大きい。
富坂聰、「今、中国は知的財産を守る立場になっている。ハードルは国有企業をどう守るかだろう」
大谷昭宏、「中国については知財環境に問題があるが、長い目で見て知的財産や人権などに関心が向くようになることを期待したい」
https://www.tbs.co.jp/hiru-obi/
「Universal Studios Beijing」画像検索
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