じじぃの「豪政府による隔離政策・アボリジニの混血少女たち!裸足の1500マイル」

RABBIT-PROOF FENCE - Trailer

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=QlSchfmtzQk

Rabbit-Proof Fence


Rabbit-Proof Fence: Cheat Sheet

1 JUL 2021 SBS Movies
Margaret Pomeranz, while describing Rabbit-Proof Fence as a “very good film”, noted that it “look[ed] at the children, rather than ever getting to know them.” Matthew Dillon’s Metro review makes a similar observation, noting that “we’re a little detached from the main characters”.
This approach is somewhat explained by the film’s political agenda. As Larissa Behrendt notes (in her book on the film), “this is the film that took the story of the stolen generations to the world.” Australia had only abandoned its relocation program some three decades earlier, and despite the release of the Bringing them home report, the government at the time - led by John Howard - evinced no interest in apologising to Australia’s indigenous population.
Rabbit-Proof Fence’s importance, then, is as much political as artistic. The three girls are representatives of the real women they play, but they also symbolise the thousands upon thousands of children cruelly removed from their homes.
https://www.sbs.com.au/movies/article/2015/05/26/rabbit-proof-fence-cheat-sheet

『映画になった奇跡の実話 これが美談の真相だ』

鉄人ノンフィクション編集部 鉄人文庫 2021年発行

豪政府による隔離政策の犠牲になったアボリジニの混血少女たち

19世紀後半から20世紀前半のオーストラリアでは、白人男性と、先住民であるアボリジニの女性との間に産まれた混血児を家族のもとから引き離す隔離政策が行われていた。映画「裸足の1500マイル」は、この無慈悲な政策に巻き込まれた3人の少女たちの実話に基づく作品である。
舞台は1931年、西オーストラリア・ジガロング。大好きな母親と幸せに暮らしていた14歳の混血児モリーは、ある日突然、白人によって6歳下の妹デイジー、4歳下の従妹のグレイシーと共に連れ去られ、遠く離れた収容所に入れられてしまう。そこで待っていたのは、白人の使用人になるための教育だった。英語を話すことを強制され、食事の前には祈りを捧げる。用はバケツで済まさなければならなかった。
モリーはそんな過酷な暮らしを受け入れられず、妹ら2人を連れて母の待つ故郷へ帰ることを決意する。その距離、なんと1,500マイル(約2,400キロ)。当時は幹線道路も鉄道も整備されておらず、歩く以外に方法はない。湿原や砂漠が代わる代わる現れる過酷な環境下で、食糧の確保もままならないなか、背後から迫る追っ手を振り切り進む彼女たち。映画はこの奇跡の旅路を忠実に再現している。
一方で、本作は白人による悪しき支配の歴史を声高に叫ぶ。オーストラリア政府による隔離政策は、そもそも混血児の「救済」として位置づけられていた。純血のアボリジニから混血児を「保護」し、白人社会に適応するように育て、その3世代先には外見上、白人と見分けがつかないようにさせる。それは子供自身のためだ、という独善的なものだった。
対象者の多くは少女たちで、一定の教育を受けた後に白人家庭の養女や、使用人になることが多く、時にはその家の主人の性の奴隷になることもあったという。が、そもそもが白人化した子孫を繁殖させることが目的の政策だったため、その行為が咎められることもほとんどなかった。また、混血児たちは、アボリジニのコミュニティで浮いた存在になることもしばしばあった。映画では描かれないが、混血児の母親たちは白人男性の子を産んだふしだらな女と後ろ指をさされ、モリーたちも、同世代のアボリジニたちからは肌の色をからかわれる辛い時期を経験している。
その一方、白人の考えるシステムの中に積極的に身を投じていくアボリジニも存在した。映画に登場する収容所に雇われた追跡人は架空の設定だが、実際に彼女たちの追っ手となった警察官の中には、アボリジニも含まれていたという。彼らもまた、生き延びるために白人の手先となることを選ばざるを得なかったのだ。
9週間の彷徨の後、グレイシーと生き別れながらもデイジーと2人で母親のもとへ生還したモリー。映画はここで終わるが、エンドロールで触れられるとおり、彼女たちのその後の生涯も、政府の政策に翻弄され続けた。
帰郷した当初こそ砂漠の奥深くへ身を隠したものの、モリーは大きな牧場で家事手伝いとしての訓練を受けた後、牧童と結婚して家庭を持ち、デイジーもまた家政婦として牧場を転々とした後、牧場労働者と結婚。牧場で出産すると、我が子、すなわち混血児の存在は、いくら隠そうとしても牧場主によってアボリジニ保護局へ筒抜けとなった。
1940年、モリーは政府の召喚によって2人の娘と共に再び収容所に移送される。翌年、生後18ヵ月の下の娘を抱えて逃走。かつてのルートをたどって故郷に戻ったものの、3年後、娘は再び南へ連れ去られ、モリーは二度と娘と会うことはなかった(ちなみに、映画の原作を書いたのはモリーの上の娘ドリスで、彼女は収容所で母と妹と生き別れになったが、長い年月を経て母と再会している)。
こうした人権無視の政策はその後4世紀以上も続き、1970年にようやく廃止される。豪政府が公式に謝罪したのはこの映画が作られた6年後、2008年のことだ。

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