じじぃの「募金キャンペーン・イギリス婦人たちのヌード!カレンダー・ガールズ」

Calendar Girls - Trailer

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=zmpYu4-Gk94

How I became a Calendar Girl

How I became a Calendar Girl

Blood Cancer UK
●The calendar's legacy
I’m just so delighted that this story, which is so dear to my heart, has raised so much money for Blood Cancer UK.
We did the calendar because we wanted to raise money in John’s memory and to support research into better treatments for those with lymphoma. Out of the tragedy of John’s death has come something very special. Everything we do is born of love for him. We've met so many wonderful people - and raised over £5 million for Blood Cancer UK to help beat blood cancer.
https://bloodcancer.org.uk/about-us/who-we-are/calendar-girls/angela-knowles-story/

『映画になった奇跡の実話 これが美談の真相だ』

鉄人ノンフィクション編集部 鉄人文庫 2021年発行

白血病研究の寄付のため自身のヌードカレンダーで30万部を売り上げた平均年齢56歳のイギリス婦人たち

1999年、欧米で1冊のカレンダーが大きな話題を呼んだ。平均年齢56歳のイギリス人女性11人がモデルになったヌードカレンダーである。白血病の研究に対する寄付を目的に、ごく普通の主婦たちが作ったカレンダーは実にトータル30万部を売り上げ、この信じられない話を基に2003年、「カレンダー・ガールズ」のタイトルで映画化された。
イギリスをはじめ、カナダ、南アフリカニュージーランドの女性が所属する「ウィメンズ・インスティチュート」(通称WI)という婦人会がある。農村の活性化や食糧増産を趣旨に作られ、イギリスではエリザベス女王も参加し、英国内で約7千支部20万人が事前事業や料理講習などの活動に勤しむ一大コミュニティだ。
1998年7月、イギリス中東部に位置するヨークシャーに住む婦人会メンバーの1人、アンジェラ・ベイカー(当時52歳。映画での役名はアニー)の夫ジョンが白血病で死亡したことが全ての始まりだった。落ち込むアンジェラを励ますため、親友のトリシア・スチュワート(同49歳。ヘレン・ミレン扮する映画の主人公。役名はクリス)がとんでもないアイデアを思いつく。毎年恒例の、風景や料理写真を使った婦人会カレンダーを、今年は自分たちがモデルになった写真で作ろうと言い出したのだ。
売上金で、ジョンがお世話になった病院に、看病する家族がゆっくり座れるソファーを寄付するのが主目的だったが、その背景には彼女たちの平凡な日常もあった。
田舎の主婦にとって、婦人会は唯一の社交場。ところが毎週の議題といえば秘伝のジャムの作り方だの健康法だの退屈なものばかり。トリシアならずとも、大半が刺激のない毎日に物足りなさを感じていた。映画では、婦人会の支部長らが幹部がヌードに強く反対したように描かれているが、実際には意外にもすんなり皆の賛同を得られたという。
モデル募集に応じた11人を1月~11月はそれぞれ単体で、12月はクリスマス・キャロルを歌う集合写真で構成されたカレンダーは1999年4月12日に発売され、1週間で初版2千部が完売。増刷に次ぐ増刷で、半年間で販売数は8万8千部に達する。
この異例なムーブメントはやがてアメリカに渡り、新聞が彼女らを「カレンダー・ガールズ」と名づけ記事を取り上げ、テレビはトークショーのゲストとしてスタジオに招いた。
さらには、アメリカ版のカレンダーが発売されると、これが大ヒット。2001年の1年間で20万2千部を売り上げ、最終的にトータル30万部のセールスを記録する。結果、彼女たちは当初目的にしていた病院へのソファーの寄付はもちろん、国内の大学に白血病研究資金として2億円を寄付することになる。
2001年、ハリウッドから映画化のオファーが舞い込み、11人中6人が契約書にサイン。彼女らの全面協力のもと作られた映画は、胸を隠すはずのパンケーキが小さすぎて豊満なバストがはみ出したなど、カレンダー撮影時のエピソードも事実どおりに描かれている。
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彼女たちが巻き起こした奇跡はこれで終わらない。2003年に映画が公開されると、ヨーロッパ最大の劇場「オデオン・レスター・スクエア」で行われたプレミア試写会でハリウッド女優と肩を並べてレッドカーペットを歩き、その後もテレビドラマや舞台などでカレンダー・ガールの物語は繰り返し語られ続けている。
ちなみに、婦人会のカレンダー・ガールはその後も毎年更新され、2013年版をもって終了した。

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