じじぃの「科学・地球_74_世界の気象現象・熱波」

A dome of high pressure aloft centered over Mexico will spread hot air

Heat Wave Shifts to the Southern Plains After Smashing Records in the Desert Southwest

May 02, 2020 weather.com
A dome of high pressure aloft centered over Mexico will spread hot air from the Desert Southwest and southern Rockies into the Southern Plains the next few days.
https://weather.com/forecast/regional/news/2020-05-01-record-heat-southwest-southern-plains

北極を襲う熱波が記録破りであることを示す6つの事実

2020.07.07 WIRED.jp
北極の気温上昇が止まらない。6月下旬にはシベリア北東部の町で気温38℃を記録した。
前代未聞の激しい熱波に見舞われて北極が暑くなっているいま、知っておくべき6つの事実を紹介しよう。
https://wired.jp/2020/07/07/arctic-heatwave-record-temperatures/

『世界の気象現象 奇跡と神秘の科学』

ロバート・J・フォード/著、戸田早紀/訳 河出書房新社 2020年発行

熱 より

熱そのものは、厳密に言えば気象現象の一種というわけではない。気温と気圧の複雑な組み合わせから引き起こされる結果であり、さまざまな場所で発生し、長い距離を移動して遠くの場所に影響を与える。しかし熱による影響は、あらゆる種類の気象現象の中でも、間違いなく最も明確に現れるものの一つであり、土地の乾燥、植物の枯死、川や湖の水位の低下などで確認できる。ただし、地球上で最も暑い場所に、必ずしもそのような影響が見られるわけではない。たとえば赤道付近では、乾燥した不毛な平原ではなく、地球上で最も草木が繁茂した湿潤な風景をしばしば目にすることができる。アフリカやアメリカの砂漠で見られるように、熱は美しい地形をも作り出す。また人間の活動や水の再生と保全を通じた環境の形成方法に影響を与えることもある。
当然、マイナスの影響もある。熱を発生させる高気圧が降雨を阻むと、それが旱魃につながる。旱魃は人や動物が水を見つけるのを困難にするだけでなく、地面や草木を乾燥させ、山火事が発生しやすい条件を作る。山火事はほかの気象との組み合わせによっては、最も破壊的な自然災害を引き起こしかねない。
地球の気候が変化するにつれ、暑い地域とそこで暮らす人々が直面する脅威に、さらに注目が集まっている。この章では、熱が私たちの世界にどのような影響を与えているかに注目しながら、熱のもたらす脅威について広く考察していく。

日の出

ケニア アンボセリ国立公園
暑すぎる、というのはどれくらい暑いことを指すのだろう? それを表すのに、科学者は「湿球温度(Tw)」を使う。これは、湿った布で球部を覆った温度計で測った、温度と湿度の値である。湿球温度が35℃を超えると、人間の体は発汗で自身を冷やせなくなる。ここが明確な限界だ。2003年のヨーロッパ熱波では数千人が亡くなったが、湿球温度は28℃を超えなかった。1979年以降、27℃から35℃までの湿球温度が観測される日は、それまでの2倍になった。そして近年、世界の一部の地域で初めて、致命的な湿球温度の基準値である35℃を超えた。これは予測よりも数十年早かった。つまり世界は着実に温暖化に、もしかしたら灼熱化に向かっているのだ。