じじぃの「科学・地球_49_SDGsの世界ハンドブック・廃棄物(ゴミ)輸出入国」

How to deal with Europe's waste?

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=ufL3yDs1ZQ8

Dossier: Confronting the global rubbish crisis

Geographical Magazine
●RECYCLING RATE OF MUNICIPAL WASTE IN EUROPE
The European Waste Framework Directive sets a target of 50 per cent of municipal waste to be prepared for reuse and recycling by 2020 in the European Union.
With that year approaching, a look at the most recent European-wide statistics on waste generation and treatment published in 2017 shows the progress that countries have made across the continent in reaching this target.
The above cartogram shows each European country proportional to its overall municipal waste production with its respective recycling rate. While only a small number of EU member states had reached that target, the largest producers of waste have made considerable progress, resulting in EU-wide recycling rates having increased from 32 per cent in 2004 to 45 per cent in 2016. If non-EU countries are included, that figure lies at 31 per cent across the continent.
https://geographical.co.uk/nature/climate/item/3547-dossier-waste-world

『地図とデータで見るSDGsの世界ハンドブック』

イヴェット・ヴェレ、ポール・アルヌー/著、蔵持不三也/訳 原書房 2020年発行

19 持続可能な開発からほど遠い不平等な世界 より

地球上に住む人々のあいだにはつねに大きな不平等(格差)が存在してきたが、その一部はなおも増幅しつづけている。25年前には最貧困層(10%)の約7倍であったOECD諸国における最富裕層(10%)の可処分所得の平均は、今日では約9.5倍となっている。衛生環境や食生活の分野において改善こそみられるものの、社会的不平等は顕著である。極度の貧困状態で暮らす人々の数はここ30年で10億あまりに減少した(世界銀行調べ)。2005年から2015年にかけての10年間で、栄養失調状態にある人々の数は10億から8000万になった。とはいっても、環境問題(生物多様性の劣化、気候変動ないし温暖化、海洋汚染)は山積しており、これらは不適切で容認しがたい管理の仕方に起因する。人類全体としては持続可能な開発のスタンダードから今もほど遠い状況にあり、最貧困層は社会的・経済的な機能障害のあおりを真っ向から受けている。それゆえ、貧困の削減と根絶は持続可能な開発目標の核心をなすものといえる。

60 世界における廃棄物 より

世界で排出される廃棄物の量は膨大であるが、排出量は国によりまちまちである。これはときとして国家間のでの不法な取引をひき起こすことにもなる。廃棄物の管理はその性質によって異なるが、廃棄物のリサイクル問題はしだいに持続可能な開発の対象に組みこまれるようになっている。効果的な方法をシェアすることとリサイクルを促進すること。この2つの課題は、もっとも責任のある地位にある専門家たちが主たる基本方針とするものである。

EUの廃棄物

2014年にはEUの廃棄物は25億トンであり、これは2004年から14年までで最多だった(EU統計局調べ)。廃棄物の排出量には国家間でへだたりが認められる。廃棄物の分野別排出量の割合は建築産業34.7%、採掘産業28.2%、製造業10.2%、廃棄物処理上下水道9.1%、家庭8.3%、残りはサービス業とエネルギー(電気、ガスなど)となっている。
9500万トン(総産出量の3.8%)は危険廃棄物に分類される。EUは輸入分をふくむ23億2000万トンの廃棄物を処理した。廃棄物を処理した。廃棄物の半分近くが焼却以外に、除去のかたちでも処理され、この廃棄物の再利用の割合は2004年の45.4%から2014年には51.1%に増加した。EUが設けた廃棄物管理についての指令枠組は、2020年までに市町村廃棄物の50%がリサイクル処理されることを目標としている(2014年は45%)。

リサイクルとほぼ合法的な取引

二次原材料(一次原材料ないしヴァージン原料のかわりとなりうる廃棄物のリサイクルから生み出された資材)は、備蓄の一部が枯渇するのを補ううえで不可欠である。一次原材料の価格と環境規制が、とりわけ先進国において廃棄物の再生利用をうながしている。二次原材料はパルプと鉛の世界供給の大部分を、スチールとその他の非鉄金属では4分の1から3分の1をそれぞれ占めている。
1948年に誕生した国際リサイクリング協会(BIR)は、再生利用する生産物の収集と加工、リサイクル製品の営利化を請け負う、数百の企業と関連機関を世界レベルで束ねる専門的組織である。世界規模でいえば、リサイクル事業を担う企業は年間およそ6億トンの廃棄物を扱うが、そのうち3分の1が国際間の交易の対象となっている(BIRデータ)。中国が世界最大の廃棄物輸入国であり(2016年には古紙2700トン、プラスチック7800万トン――世界全体の輸入量の63%にあたる――、スクラップなどを輸入)、トルコ、インド、韓国がそれに続く。2018年以降、中国は一部の廃棄物(紙・ボール紙、混合プラスチック、未洗浄・未分別ごみ、一部の金属製廃棄物)の輸入を、リサイクル素材の質の改善と自国の環境への影響を削減する目的で禁じているが、ほかのアジア諸国が早急にそのかわりを担うことになるだろう。
一方、1992年発効のバーゼル条約(1989年採択)は人々の健康と環境を保護する観点から、これらの廃棄物の流通を削減するため、有害廃棄物の国交を越える移動とその処分を規定している。この条約では、OECDのメンバー国から非メンバー国への有害廃棄物の輸出を禁止する修正がなされた。アンジャン[コートジヴォワール]近郊の塵芥処理場に400トンの毒性廃棄物を投棄した、貨物船プロボ・コアラ号の例を思い起こしてみよう。この投棄により10名が死亡し、多くの人々の健康に支障をきたした[地域住民の4万4000人が中毒症状におちったとされる。これを受けて、2006年、ピースボートの活動船がこのまなま船籍の貨物船がエストニアの港から出航するのを阻止するという出来事が起きている]。

しかし、これらの合法もしくは非合法の輸出は続いている。有害製品(水銀、鉛な)を多くふくむ電気・電子機器廃棄物はそのケースで、毎年6500万トン(2017年の数値)の危険廃棄物が南半球の国々に運ばれていく。たとえばヨーロッパでは、環境にかんする厳格な法律のため、往々にして不法なものもふくめて輸出が廃棄やリサイクルより好まれるからである。

廃棄物の管理は持続可能な開発の開拓前線のひとつといえる。人道的なやり方が普及してきてはいるとはいえ、改善の余地はなおも大きい。