じじぃの「民主国家と専制国家・中国人がウイグルに無関心な理由!ニューズウィーク日本版」

都合の悪い取材に容赦ない中国 強権大国のわかりにくい対日観

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=lNy30_sXrZ8

中国人がウイグルに無関心な理由

ワールドビジネスサテライトWBS

2021年4月22日 テレビ東京
【キャスター】佐々木明子

テレビ東京取材班が現地入り! 中国・新疆ウイグル自治区は今・・・

人権問題をめぐり世界が注目している、中国北西部にある新疆ウイグル自治区
面積は日本の4倍以上で、人口は約2500万人。
半数近くを少数民族ウイグル族が占めている。
4月20日、中国政府の案内でテレビ東京をはじめ、米国を含む外国メディアの一行が訪れた。
今、問題になっているのが新疆綿と呼ばれる綿の生産。
新疆綿は日本のユニクロをはじめ、世界中のアパレルメーカーが使用しているが、製造過程でウイグル族の強制労働が行われている疑いがあるとして、米国が綿製品の輸入を停止したり、欧米メーカーが使用を取りやめている。
こうした中、中国政府が急きょ、新疆綿の生産現場などを外国メディア向けに公開した。
米国を含む外国メディアの一行が訪れた場所はウイグル族を強制労働させていたとして去年、米国の制裁を受けた企業の工場。
企業幹部は「強制労働の報道は事実ではない」と主張。
綿の畑で公開されたのは、綿の種を植える作業の様子。
政府、農家、双方ともに機械化が進んでいることをアピール。
ここでも強制労働などは存在しないと強調した。
新疆ウイグル自治区の一般市民は米国などの人権問題の批判についてどう考えているだろうか。
新疆ウイグル自治区の中心都市、ウルムチ
街の市場、バザールで市民に聞くと。
取材スタッフ、「ウイグル人虐待への批判について?」
ウイグルの女性、「知らないわ」
ほとんどの人が取材を断りました。
https://lovely-lovely.net/business/uyghur

ニューズウィーク日本版』 2021年4月27日号

風刺画で読み解く「超大国」の現実 「中国人がウイグルに無関心な理由」 より

ラージャオ(中国人風刺漫画家)/トウガラシ(コラムニスト)
最近の中国はスウェーデンのアパレルメーカーH&Mをボイコットしている。理由は新疆ウイグル自治区の人権問題で、H&Mが原料に使う新疆綿の取り扱い中止を発表したためだ。「新疆綿を応援しよう、H&Mはボイコット」というスローガンが中国ネット上にあふれ、人気芸能人もH&Mとの契約の解除を発表。オンラインモールの淘宝網タオバオワン)や京東商城(JDドットコム)で「H&M」が検索できなくなった。ナイキやアディダスも同じ理由でボイコットされている。
しかし、ネット上と実店舗は違うようだ。例えば、河南省鄭州市にあるH&Mの専門店はいつものようににぎわっている。ある地元の若い女性の店の前で不買運動を呼び掛けたが、みんなに無視され、揚げ句警察に拘束された。湖南省長沙市内のナイキ専門店でもレアシューズ特売に長い行列ができた。
「買うな」は政治的立場、「買う」は生活的立場――愛国主義と生活実用主義の間で、「賢い中国人」は切り替えが自由自在だ。漢民族は1000年を超える権威的政府への服従の中で、「政治に関心を持つな」「お節介をするな」と子孫に諭してきた。「人に迷惑をかけるな」という日本人の常識とちょうど逆で、「自分に迷惑を呼び込むな」が中国人の常識なのだ。
欧米の民主国家の人々は、中国人がなぜウイグルの人権問題に無関心なのか疑問を持っている。1つの理由は、政府の言論統制によって中国人のほとんどがウイグル人の実情を知らないことにある。ほかに、ウイグル人漢民族に比べて入試などで優遇されているという誤解や、団結心のあるウイグル人を恐れる心理もあるが、「自分に迷惑を呼び込むな」という中国人の常識も大きく影響している。
ウイグル人どころか、彼らは自分たちの人権にも無関心だ。中国人はそもそも金や権力という実用的ものしか信じず、それ以外の全ては瞬く間になくなる浮雲だと思っている。
彼らは作家の魯迅がかつて言った「看客(見物人)」である。「看客」たちの精神構造は残酷な強権政治によって形作られるが、一方で全てにおいて人ごとな「看客」意識は、中国の強権政治が続く原因でもある。

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じじぃの日記。
2021年3月25日、バイデン米大統領は、就任後初の記者会見を開き、中国の“専制主義”を厳しく批判した。そして、近年の米中対立を「民主主義国家と専制主義国家の有用性をめぐる闘い」と位置づけた。
   
孔健著『マスコミより確かな 習近平の言い分』という本に、「中国には”皇帝”が必要なのだ」と書かれていた。
中国国家主席習近平は「皇帝」の風格を持っているのだそうだ。
   
益尾知佐子著『中国の行動原理』という本には、こんなことが書かれていた。
習近平政権のやり方は、中国の人々に指示されている。当局と民営企業の力の差が圧倒的なため、実際問題として民営企業も、当局に寄り添った生存戦略をたてざるを得ない。

強力な指導者、習近平は、大家族としての一体性を中国社会全体に求めている。おそらく当面の間、中国社会の側もその要求をはねのけられない。中国共産党が国家形成と経済近代化で成し遂げた実績は、多くの人々に実利が提供しており、党中央に対する「父殺し」が起きる気配もない。家父長が健在な間、人々は習近平のムードにあわせ、その共同体のなかで日々の生活を営んでいくしかないのだ。

   
2020年2月号『文藝春秋』には、こんなことが書かれていた。
世界の知性が日本人に教える 2020年の「羅針盤」 人口減少社会を恐れるな 【執筆者】ジャレド・ダイアモンド
わたしは21世紀は北米とヨーロッパとオーストラリア、そして日本の時代になると思っています。
21世紀は中国の時代だという声も聞きますが、ありえません。中国は壊滅的なディスアドバンテージを抱えています。中国は民主主義国家になったことがありません。
民主主義国家にももちろん弱みはあります。みんなで議論をするので何かをするときのスピードが遅いのもそうです。中国は政府が何かをすると決断すればすぐに実行できる。市民の議論を待つ必要がないからです。わたしが住んでいるロサンゼルスでは地下鉄の建設を15年前から計画していますが、中国ならあっという間に開通するでしょう。中国はたった1年でガソリンから鉛を除去しましたが、アメリカは同じことに10年以上かかっています。
ただ、歴史上、いいことだけをした独裁者というのは存在しません。中国も例外ではないのです。