じじぃの「科学・地球_09_炭素物語・生命の起源」

Giant Black Smoker Hydrothermal Vent | Nautilus Live

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=KtFFmDGIsa4

Why black smokers?

Black smokers and electroecosystems

Dec 27, 2015 It Ain't Magic
●He said chemo-litho-what??
Well, let’s start with a word most people have heard: photosynthesis. In photosynthesis, green plants use light energy from the sun to turn carbon dioxide and water into sugar.
The energy stored in the sugar can then be used as fuel by the plants. The sciency sounding word for plants that do this is photoautotroph. But what about deep in the ocean where there is no sunlight? Life goes on! Chemoautotrophs are microorganisms like those living near the black smokers that use chemical energy to make their own fuel. Many are chemolithoautotrophs that synthesize their own sugars by oxidizing inorganic compounds.
https://itaintmagic.riken.jp/research-in-depth/black-smokers-and-electroecosystems/

ユーリー-ミラーの実験

ウィキペディアWikipedia) より
ユーリー-ミラーの実験は、原始生命の進化に関する最初の実験的検証のひとつである。いわゆる化学進化仮説の最初の実証実験として知られる。
【実験の方法】
実験装置は全体が気密状態となっている。まず実験素材と水を加えたフラスコがあり、これを常時加熱沸騰させる。これによって生じた蒸気は別の容器に導かれ、その内部では放電が行われている。そこから導かれた蒸気は冷却され、再び加熱中のフラスコに戻される。
使われた成分は水、メタン、アンモニア、水素である。これら4種類の気体は、実験が行われた当時の地球物理学者によって、原始地球の大気中に存在していたと考えられていた気体である。また、放電は落雷を模している。つまり、フラスコ内の溶液は原始の海にたまった海水を模し、そこで海底の熱によって蒸発したものが大気中で雷を浴び、再び冷却されて雨となって海に戻る、という過程を再現したものである。
この実験を1週間にわたって維持したところ、その溶液は次第に着色し、最終的には赤っぽくなった。そしてその中からアミノ酸の無生物的合成を確認した。

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交響曲第6番「炭素物語」――地球と生命の進化を導く元素』

ロバート・M・ヘイゼン/著、渡辺正/訳 化学同人 2020年発行

「水」――生命の炭素 より

生命のゆりかご:深海の熱水噴出孔

生命が「どこで?」誕生したかは答えにくい。太陽光の届く地表近くなのか、それとも暗い深海なのか? その2つに加え、ほかの推定あれこれも発表されてきた。生命の起源にかけては、「どこで?]がいちばんの話題になってきたとみてよい。
人間はものごとを二分法で考えたがる。20世紀フランスの人類学者で哲学者、名著『野生の思考』で名高いクロード・レヴィ=ストロースは、そうした「白か黒か」の発想を、ご先祖の生き残り戦略への退行とみた。「仲間か敵か」の感知こそが生死を分けた時代の名残だという。死の危険に直面したとき、あいまいな態度はまずい。二分法的な思考の現代版として、人種差別やナショナリズム、党派対立、宗教の原理主義などが、世界を「われら」と「彼ら」に仕分けする。
理性ある科学者は極端に走らない……と思いたいところ、科学史をざっと振り返るだけで、そうでもないとわかる。たとえば200年以上前の先端地質学者がくり広げた論争は、善意の研究者を二分した。地質学現象は徐々に進んでいまなお続いているとみる「斉一論」か。地質史は短期の(ノアの洪水に似た)大変動が決めてきたとみる「激変論」か。いま私たちは、真実は中間のどこかだと知っている。憎しみのぶつかり合いじみた大論争は、岩石は水溶液からできたとみるアビラハム・ゴットリープ・ヴェルナーらの「水成論」と、地殻の姿は火(熱)が生んだとみるジェームズ・ハットンらの「火成論」のあいだでも起こった。そのときも、両陣営が少しずつ正しかった。
単純な実験でアミノ酸などができるというスタンリー・ミラーの発見(1953年)も、改めて二分法に火をつける。ミラーも、生命の起源を研究するほかの人びとも、生命誕生の謎を解くピースは見つかったとみた。生命分子は、原始地球の落雷が産み落としたとみればいい。名高い生化学者レスリー・オーゲルが気の利いたことをいった。「神は、その手で賭けに勝ったのだろう」。単純な方法がたちまち成功したことを世間も気に入り、以後30年、「ミラー派」の郷里が世に広まる。サンディエゴにあるミラー研究室で修業した弟子が増殖し、全世界に散ってミラーとユーリーの教義を広めた。

やがて1977年、暗い深海底に、微生物の生態系をもつ熱水噴出孔(ブラックスモーカー)が見つかり生命誕生の場として有望な代案になる。

海底火山の吐くミネラル分が化学エネルギーになる環境だ。岩を活力源にする生命なら、生命分子の合成もできるはず。破壊的な落雷に比べ、穏やかなゆりかごだった。私たち(自分の研究が有力視されそうになった鉱物学者)は、その発想に飛びついた。だが、ミラー一派は抵抗を見せ、「噴出孔派」をけなす論文を次つぎにだす。1992年の一般科学誌『ディスカバー』に乗った名高い巻頭記事でミラーは、熱水噴出孔説を「こんな与太話を相手にするのは時間のムダ」と切り捨てた。
だがNASAは深海誕生説に肩入れした。別の惑星や衛星に生命を探るというミッションを深海誕生説が広げてくれたからだ。もし生命の誕生が、ミラーとユーリーのいうとおり落雷がしじゅう見舞う暖かくて湿った場所だったなら、太陽系内では地球と(初期の)火星しか候補はない。宇宙開発が使命の組織だから、地球と火星にかぎるのはまずい。だが深海の火山帯が主役なら、ほかの天体にも手を伸ばす余地ができる。木星の氷に覆われた衛生エウロバとガニメデも、たぶんカリストも、深部から暖められる地下の海をもつ。その熱は、エウロバなのの公転に同期して生じる潮流が生む。
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数百名の科学者が50年以上も研究を続けた結果、いま私たちは、原始の地球が有機合成のエンジンだったと知っている。アミノ酸や糖、脂質など炭素系の生命分子は、落雷の見舞う地球表面でも、深海の熱水噴出孔周辺、日光の降り注ぐ入江、暖かい池のなかでも合成された。生命分子は、炭素質隕石の「貨物」として空からも降り、大気上層では太陽の紫外線の作用で生まれ、大気の成分を変えもしただろう。
過去10年ほど、DCO(深部炭素観測)に集う研究者は、実験と理論研究から、地球もほかの惑星も熱い深部で有機分子を生めると実証し、合成場所の候補リストをさらに広げた。いま10ヵ国以上の研究者が、つい最近まで生命分子に適さないとされていた高温・高圧下で、生命にからむ有機分子をつくっている。要点は明白だろう。太古の地球は、ひいては温暖で湿った惑星や衛星ならどこも、生命分子を生む条件はそろっていた。過去70年ほどにおよぶ生命の起源研究で最大の貢献は、宇宙が生命分子合成のエンジンになりうるという明確な認識だった。