じじぃの「新型コロナ拡大・今の日本に必要な価値観は?プライムニュース」

ウサギにもアヒルにも見える絵

『ラスト・ライティングス』(ルートウィヒ・ウィトゲンシュタイン,古田 徹也)

2019年12月09日 講談社BOOK倶楽部
言語、心、知覚、意味、数学など、ウィトゲンシュタインは、自らの終生を貫く哲学問題を、最後まで、どのように考え続けたのか。その深く、魅惑的な思考の肌ざわりを、最良の日本語で贈る圧巻の訳業!
「他人が痛みを感じている」ことは、果たして理解できるだろうか。もはや哲学史上の有名なテーマにまでなった「痛み」の問題。ウィトゲンシュタインの最後の思考とは? それでは、「他人が痛い振りをしている」ことは、理解できるだろうか?
ここには、すでに「他我問題」の深い陥穽がみえている。
あるいは、「ウサギ=アヒル頭」図。見方によっては、ウサギにもアヒルにも見える絵。では、「これはアヒルだ」と一瞬ひらめく現象とは、なんなのだろうか。ウィトゲンシュタインが「アスペクトの閃き」と表現するこの体験に関する考察から導かれる哲学とは?
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000188449

プライムニュース『新型コロナ拡大で露見 日本人の価値観と不信 哲学&倫理学者が考察』

2020年4月30日 BSフジ
no nameID: 死者5万人超え米国トランプ発言の舞台裏日本が取るべき道筋
no nameID: 今日はとても興味深い面白い放送でしたね。非常に気分転換になりました。もうコロナ疲れしてます。自粛疲れではなくて、コロナ報道疲れです。その中でも疲れずに見れるのが、いつもこの番組。そのなかでも今日の放送は今までで一番、頭がリフレッシュできました。頭が楽になったので心も楽です。たくさんの人に見てほしいですね
azusaID: 非常に面白い番組でした。緊急事態に政府の広報が下手で必要な情報はあるのに国民に伝わっていないと感じられたため、その根本を専門家に探ってもらえる点で興味深かったです。個人が持つべきは「死生観」という一言については、本当にその通りだと思います。1日と言わず、長期間多くの人に見てもらって、内省を促したい番組です。
今回は根本の思想を探る重要な議論でしたが、リスクコミュニケーションや公衆衛生学の専門家と絡めて同様の議論が深まれば、今後同じような事態に陥ったときにひとりひとりが具体的な対応をできるようになるのではないでしょうか。

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プライムニュース 「新型コロナ拡大で露見 日本人の価値観と不信 哲学&倫理学者が考察」

2020年4月30日 BSフジ
【キャスター】長野美郷、反町理 【ゲスト】先崎彰容(日本大学危機管理学部教授)、古田徹也(東京大学大学院人文社会系研究科文学部准教授)
新型コロナ感染拡大による「緊急事態宣言」以降、大きく様変わりしつつある日本社会。
感染防止のために「社会的距離」を取り、「濃厚接触」を避ける生活…こうした“新しい言葉”で表わされる行動が日常となっている。しかし、専門家や政治家が非常時を象徴させるべく発し続けて来た“新しい言葉”は国民にどう捉えられているのか?本来の目的に沿った理解のされ方をしているのか?
また、今回の「危機」を通じて、人々の間に格差や不信、差別などが生じつつあることを懸念する声もある。その「根」はどこに潜み、どう増殖していくのか?その結果、日本社会はどんな影響を被ることになるのか?
急速に日本社会を覆う“新型コロナ禍”は、日本にどんな転換点となり、漂う閉塞感と社会の変化に我々はどんな価値観をもって向き合うべきなのか?
●思想史の視点から見る“今”
緊急事態宣言が全国に出されてから2週間。
社会的距離を取り、濃厚接触を避けるため私たちの日常生活は大きく様変わりした。
一向に出口の見えない中、こうした経験によって私たちの価値観や社会はどんな影響を受け、どう変わっていくのか。
先崎彰容、「大きく分けて2つのことを述べたい。1つ目は小説家・三島由紀夫は戦争という非常事態の中で生まれて、非常事態の中で生きてきた。だから何かがすぐに壊れる、明日は今日友達だった人がいなくなるなど非常時が普通だった。三島由紀夫の時代とは逆に私たちは何かが急激に崩壊することはなく今回の新型コロナは東日本大震災以来の出来事なので認識しておく必要がある。2つめは今の時代は極端になっている。広範囲にグローバル化していたと思ったら急に一気に国境を閉ざした。収縮と拡大が極めて大きくぶれている。なかなか中間地点が見いだせない時代になってきた」
古田徹也、「グローバル化された社会が複雑にからみあっているという当たり前のことがかなりの部分壊れていて、そのことを受け止めきれていない。今度の新型コロナでずっとくすぶっていた問題がよく見えるようになってきている。たとえば不平等とか格差とか差別とか。それとステイホームがクローズアップされて親が感染したら子どもをどう見るか、経済と福祉のバランス。福祉を充実させないと経済が成り立たなくなっている」
●“新型コロナ禍”の歴史的意味
新型コロナウイルスの感染拡大に翻弄されているこの時代について。

日本人が多く犠牲になった主な事象

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1894年、日清戦争勃発
1904年、日露戦争勃発
1918年、スペイン風邪(~1920年まで)
1923年、関東大震災
1937年、盧溝橋事件(日中戦争勃発)
1941年、太平洋戦争勃発
1995年、阪神淡路大震災オウム真理教地下鉄サリン事件
2004年、新潟中越地震
2011年、東日本大震災
2020年、新型コロナ感染拡大
先崎彰容、「1918年~1920年スペイン風邪で日本国内だけで約38万人が亡くなったと言われている。1918年の5年後には関東大震災が起きた。スペイン風邪第一次世界大戦後に始まった。戦前を見ると5~10年の間に日本人の命が脅かされることが国内外で当たり前のように起きている。東日本大震災から新型コロナまでの10年の間に熊本地震や台風があった。これからの時代は今までの戦後何十年という言い方自体が非常に稀有な事態だった。これからは5、10年の間隔で”死”を意識するような時代が始まったのではないか」
●“新型コロナ禍”と日常の喪失
新型コロナの出現による時代の変化について。
古田徹也、「見方によっては、ウサギにもアヒルにも見える絵です。慎重に見たいと思っている。これが時代を画するような変化なのかどうか。見通すには時期尚早。まず本質的に変わっていない部分に目を向けたい。格差、不平等の問題など、これまでより先鋭化している部分や表立って見えてくる部分がある。今回のパンデミックを境に社会が激変したわけではない。ずっと目の前にあったが見落としてきたものがたくさんあり、それを一つ一つ丁寧に見直していく必要がある。同時に明らかに変わった部分も確かにある。5年前の東京ドームでのコンサートの写真を見た第一印象は密という感じだった。5年前は楽しい、盛況で良い写真だったが、がらっと変わってしまった。飲食店が抱える苦境、劇場やコンサートの苦境、スーパーなど日々の暮らし、レジでのやり取り、宅急便のやり取りなど日常風景ががらりと変わってしまった」
資料「ウィトゲンシュタインの『アスペクト転換』(ルートウィヒ・ウィトゲンシュタイン哲学探究』より)」
●“新型コロナ禍”と「民主主義」

3M改革

More(豊かさ)
Mobility(移動)
Mentality(意識)
無秩序化の進行(モイセス・ナイム『権力の終焉』より)。
日本における民主主義の捉え方は「権威、権力 vs 市民」。
私権を守る強い意識で権威、権力の弱体化になる。
先崎彰容、「豊かさが出てきて人々が意識を持ち始めるとネットで誹謗中傷するのにあるように、権力を引きずり下ろして、人を批判するが自分は大きな力を持っていないから代案は出せないという風に権力が分散していく。今回のコロナウイルスについてWHOという強大な権力とみられるところが、あの体たらくでトップが引きずり下ろされるのではないかとなっている」
日本における民主主義の捉え方
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権威・権力 vs 市民

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私権を守る強い意識
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権威・権力の弱体化
先崎彰容、「日本は中国と比べてほぼ逆。緊急事態宣言を安倍首相が出したが、実際はほぼお願いに近い。安倍首相は権力とはほど遠い。あなた方がちゃんとやらないと民主主義成り立たないんですよ。民主主義のあり方がまったく変わってきている」

【提言】 「今の日本に必要な『価値観』」

先崎彰容 「死生観」
 東日本大震災の時に何が必要かと言われたときに、とにかく落ち着けとしか言えないそういう時に遠回りな死生観のようなものを持ちたい。
古田徹也 「言葉を選択する 責任を果たす」
 言葉を選択するというのはその状況を良く理解し、言った言葉に責任を持つ。
https://www.fnn.jp/subcategory/BS%E3%83%95%E3%82%B8LIVE%20%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9