じじぃの「認知革命・アボリジニの岩壁画・虹の蛇・人間はどこから来たのか?科学する心」

The Rainbow Serpent by Goobalathaldin

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=a9aQc0Ubjmg

Rainbow Serpent in Aboriginal

Rainbow Serpent in Aboriginal Art & Culture

The Rainbow Serpent or Rainbow Snake is an immortal being and creating God in Aboriginal Mythology. It is a popular image in the art of Aboriginal Australia. It is the shape of a rainbow and a snake.
The connection between snake and rainbow suggests the cycle of the seasons and the significance of them and water in human life. When a rainbow is seen in the sky, it is supposed to be the Rainbow Serpent traveling from one waterhole to another.
https://www.aboriginal-art-australia.com/aboriginal-art-library/rainbow-serpent/

『科学する心』

池澤夏樹/著 集英社インターナショナル 2019年発行

知力による制覇の得失 『サピエンス全史』を巡って より

古代や先史時代の芸術にずっと惹かれてきた。
ラスコーに似たもので言えば、アボリジニの岩壁画。これが見たくてオーストラリア北部のアーネムランドまで行った。ここでは洞窟の中ではなく岩山の棚状の窪みの天井に長さ数メートルの「虹の蛇」が描かれていた。アボリジニ神話の恐ろしい神である。あるところで忽然と現れ、空を飛んで、あるところで消える。時には急降下して行いの悪い子供をむさぼり食い、その骨を大地に撒き散らす。創造者にして破壊者。
自然の恩恵と脅威をそのまま具体化する。人間が自然に対して持つ畏怖の念に形を与える。でも、なぜ、そんな抽象的な概念に「形を与える」という考えが浮かんだのだろう? そもそも我々の頭に浮かぶイメージとは何か?
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今の最先端の学問の知見を幅広く身につけた結果、唯物弁証法で言うところの量から質への転換が起こっている。これだけものを知っていると事態の全容が見える高みにまで昇ることができる、という感じ。
だがそちらへ急ぐ前にひとまずラスコーの洞窟へ戻ろう。なぜ絵が描かれたかを問う前に、なぜ人間の頭にイメージというものが発生したのか? イメージはイデアと呼んでもいい。それを『サピエンス全史』は「認知革命」という言葉で説明する。
前提として、ホモ種はサピエンスだけではなかったことを思い出しておく。数百万年前に類人猿の仲間から分かれてヒトとなって以来、数多くのホモが生まれて、しばらく世にあって、絶滅した。サルからヒトへ数段階を経ての進化という俗説の絵図は捨てた方がいい。ホモ・サピエンスへの道は一直線ではなく、樹枝状になっていた。多くのホモがいたのだ。その1本の梢がたまたま伸びてサピエンスになった。他の枝は途中で途切れた。そうなるについてはいかなる必然も計画もなかったし、それ故にサピエンスを自然界において特権的な地位に置く理由もない。早い話が、我々は唯一神に愛された別格の被造物ではないのだ。
ホモ属は知力に頼って生きるという道を選択した。進化の過程を通じて脳を異常なまでに大きく育て、大量にエネルギーを消費する脳を運転するために筋肉を減らし、腸も短くした。だから筋力では同じ体重の他の動物に敵(かな)わない。消化力の低下は火を使うことで補われた。体重の2~3%にすぎない脳がエネルギーの25%を消費してしまう。それでもこれは有利な取引だったように思える。
ホモ属のうち、最後に滅びたネアンデルターレンシスと現存のサピエンスの違いは言語にあるとハラリは言う。それは「まったく存在しないものについての情報を伝達する能力だ」。

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どうでもいい、じじぃの日記。
「ホモ種はサピエンスだけではなかったことを思い出しておく。数百万年前に類人猿の仲間から分かれてヒトとなって以来、数多くのホモが生まれて、しばらく世にあって、絶滅した。サルからヒトへ数段階を経ての進化という俗説の絵図は捨てた方がいい」
同じホモ属でも、現人類が生き延び、ネアンデルタール人はなぜ絶滅したのか?
一番有力な説として、
ネアンデルタール人が150人前後の群れで行動するのに対し、神話で結びついた現人類ホモ・サピエンスはずっと大きな集団で団結することができ体格に劣っても数の力で圧倒することができた。
というもの。
ところが、
「早い話が、我々は唯一神に愛された別格の被造物ではないのだ」
だそうです。