じじぃの「歴史・思想_68_世界史大図鑑・ネルソン・マンデラ」

Nelson Mandela

Opinion What Nelson Mandela Lost

July 6, 2018 The New York Times
The South African freedom fighter’s letters from prison remind us that the separation of families is the ultimate expression of state power.
https://www.nytimes.com/2018/07/06/opinion/sunday/nelson-mandela-tayari-jones-prison-letters.html

『世界史大図鑑』

レグ・グラント/著、小島 毅、越前敏弥/訳 三省堂 2019年発行

けっして、けっして、けっして繰り返してはならない ネルソン・マンデラの釈放(1990年)

1964年に終身刑判決を受けた南アフリカネルソン・マンデラは、アフリカ民族会議(ANC)の軍事組織を率いる闘士だった。ANCは、白人が支配する政府に強制された人種隔離の仕組み、アパルトヘイトへの反対運動のために設立された組織である。収監中、マンデラは人種間平等の戦いの象徴となった。1990年に釈放されると、大喝采をもって迎えられた。
国民党が1948年の選挙で政権の座に就くと、白人はきびしいアパルトヘイト政策を実施した。黒人は隔離され、選挙権を失った。反アパルトヘイト運動の多くは非暴力的な抗議をつづけていく。アパルトヘイトは全世界で非難され、きびしい国際制裁が科された。

新たな夜明け

1990年、F・W・デクラーク大統領がアフリカ民族会議の非合法措置を解除し世界を驚かせた。抜本的改革が必要と考えたデクラークは、アパルトヘイト制度を終わらせようと2年にわたって秘密交渉をつづけていた。
全人種参加の選挙が1994年に開かれ、マンデラが大差をつけて勝利した。マンデラの解放は、20世紀末を象徴する瞬間のひとつとなり、300年に及んだ南アフリカでの白人支配は終わりを告げた。これによって、多くが恐れていた血みどろの内戦を経ることもなく、南アフリカは多人種の民主主義国家となった。