じじぃの「緊迫する香港デモ・緊急状況規則条例・マスク禁止の波紋!プライムニュース」

香港“マスク禁止法”発動 警察発砲で14歳負傷

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=WIkyG-bHjIs

大規模デモが続く香港

周庭氏「こんなバカバカしい法律」覆面禁止法に怒り

2019年10月4日 日刊スポーツ
中国本土に容疑者を引き渡せるようにする逃亡犯条例改正案をめぐる抗議行動が激化する香港で4日、林鄭月娥(リンテイ・ゲツガ)行政長官が会見を開き、デモ参加者がマスクなどで顔を覆うことを禁じる「覆面禁止法」を制定したと発表した。
一方、市民は猛反発し抗議運動が過熱した。民主化運動家の周庭(アグネス・チョウ)氏(22)はツイッターで「香港の終わりの始まり。香港政府は今日マスクを禁止できれば、明日は夜間外出を禁止でき、明後日はインターネットも禁止できます。とにかく、政府の権力は無限大となり、市民の権利と自由が全部奪われます」などと批判した。
https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/201910040000651.html

プライムニュース 「緊迫香港!市民×警察 “発砲”続くデモ対応 習近平政権の危機感は」

2019年10月8日 BSフジ
【キャスター】竹内友佳、反町理 【ゲスト】佐藤正久(前外務副大臣 自由民主党参議院議員)、朱建榮(東洋学園大学教授)、野嶋剛(ジャーナリスト 大東文化大学社会学部特任教授)
今月1日、北京で建国70周年軍事パレードが行われた日、香港では抗議活動のデモが行われ、参加した男子高校生が警察の発砲で一時重体になる事件が起こった。
一国二制度」のもと高度な自治が認められてきた香港と中国の関係が緊迫感を増し、台湾問題への影響も不可避との見方もある中、アメリカは上下両院の外交委員会で「香港人権・民主主義法案」を可決し、香港問題への関与を強める動きを見せている。
建国70周年軍事パレードで軍事力強化を世界にアピールした中国。10日からは“米中貿易戦争”を巡る閣僚級協議がワシントンで始まるが、果たして政治体制・軍事・経済など、多岐にわたって対立する“米中覇権争い”は今後どうなっていくのか?米朝交渉が再び動き出す中、国交樹立70周年を迎え関係強化を進める中朝。米中の思惑が複雑に絡み合う北朝鮮問題はどこに向かっていくのか?
●検証!緊迫する香港デモ 中国政府の対応と日本の向き合い方
香港デモについて
佐藤正久、「デモ隊に参加した人から見れば、いま声をあげなければ恐怖が社会全体を覆ってしまい、今後何も言えなくなってしまうという思いが強い。一方で、香港政府が緊急法を出したということは、高度な自治をうたった一国二制度が機能不全に陥っていることの表れな気もする。警察官が5000人も出てデモを鎮圧できていない。10月1日の国慶節も終わったので、中国の中央政府と香港政府が調整して緊急法を出してでもデモを力によって鎮圧する方法に舵を大きく切った」
野嶋剛、「現状は悪化の方向に向かっている。緊急法によるマスク禁止によって対話、歩み寄りの機会さえ奪いかねない。楽観的にはなれない状況」
●検証!緊迫する香港デモ “マスク禁止”の波紋
今年6月以来、香港デモが4ヵ月以上続いている。
先週、香港政府がデモ隊のマスク着用を禁止したことで市民の反発をより強める結果となっている。
マスク禁止は緊急状況規則条例として施行された。
緊急状況規則条例は1922年、英国の植民地時代に制定され、立法会(議会)の同意なしに、行政長官の権限で規則を設けることが可能。
1967年の反英暴動以来、52年ぶりの適用。
集会でのマスク着用禁止は5日午前0時に施行され、違反した場合は禁錮1年、または罰金2万5000香港ドル(約34万円)。

デモ参加者は警察と衝突する少数の「勇武派」と多数の「和理非(平和、理性的、非暴力)派」に大別される。

香港の集会でのマスク着用禁止について聞く。
朱建榮、「6月、7月は大規模な抗議があり、その後は一部の人。勇武派と和理非派の2つが2014年の雨傘運動の時には両者が対立していたが、今回は両者が合流している。今まではマスクをしても火炎瓶を投げたり行動を取るまでは捕まえられないが、今は着けるだけで逮捕できる。2つを分断する意味がある。マスクとは個人の識別ができないような顔全体を覆うという定義がある」
野嶋剛、「2つの狙いがある。1つはデモ隊に精神的なダメージを与える。マスク、ヘルメット、黒シャツが香港デモにおいて一種の象徴。マスクを禁止することによって運動の士気を崩す部分があった。もう1つは恐怖を与える。全ての抗議行動はビデオに撮っているので、顔認証システムが進んでいるので、マスクはデモ参加者の安全を守っている。それをできなくさせて、デモを挫こうとしている。勇武派と和理非派を分断させるには逆効果」
朱建榮、「大半の市民が抗議運動から手を引いている。香港の警察が対応できないのは実働部隊が2万5000人しかいない」
佐藤正久、「普通のマスクをした人も捕まった。小学生まで捕まっている。警察が捕まえている映像も出ている。香港デモに対して警察が暴力的な取り締まりをやったということで火に油を注いで、今回の緊急法でもっと大きな油を焚べてしまった。なぜ緊急法でマスク禁止法をやったのか。16日から始まる議会で作ればいい。マスク禁止法は口実であり、本丸は緊急法。力によって押さえつけるというステージに変えた」
●検証!緊迫する香港デモ “緊急状況規則条例”の危機感
香港デモについて聞く。
佐藤正久、「行政長官の指揮下に警察はいる。武装警察は中央軍事委員会の人たち。長官も今まで『辞めたい』など色々なメッセージを出しているが、辞められない。中央政府の意向なしには動いていない。香港政府の動きは中央政府と連携せずにはできない」
野嶋剛、「香港警察の実働は2万5000~3万人。各地で毎週のように起きている大きな攻撃行動に対処できない。確実な情報として中国から警察官が派遣されている。武装警察ではなく公安警察が来ている。香港警察と中国の公安系統が一体化している。その中において主導権は表面的には香港側にあるが、香港警察の行動の中にかなり中国の意向が入る余地が出ているし強まってきている」
朱建榮、「日本人記者が現場で撮った写真で、現場の責任者は英国人だと言っている」
●検証!緊迫する香港デモ 「一国二制度」の維持と限界
香港の「一国二制度」は1997年、英国から中国への香港返還時に採用。
内容は
「返還後50年間、資本主義を維持し、独自の政治精度を容認」「外交、国防を除く『高度な自治』を容認」「香港基本法憲法に相当)『言論、報道、出版の自由』『集会、デモの自由』『信仰の自由』を明記」。
中国政府は8月以降、香港から約30km離れた深圳に人民解放軍と警察の中間に位置し、国内の治安を維持する「人民武装警察部隊」を集結させている。
香港の「一国二制度」について聞く。
朱建榮、「6月から香港デモが起きた。6月、7月にデモが大きくなったのは北京が予想していなかった。8月、武装警察の演習などをやって香港に圧力を加えて沈静化しようとしたが効かなかった。9月に入ってから中国側の対応が変わってきた。8月末まで中国は香港に対し暴乱、テロリストに近いと言っていたが、9月以降は言っていない」

野嶋剛、「6月、7月あたりは民主派からデモの申請が出るとOKを出していた。8月、9月になると安全上の理由でデモ自体を禁止する傾向が出てきた。結果、デモ自体が違法となり悪循環になる。デモや集会は自由なので全て認めるべきだが、中国の出先機関に近いなど様々な理由をつけて禁止する結果、本来平和的な形で行われるはずだったデモも事実上トラブルが起きやすくなった」
佐藤正久、「香港の中で収めようと中央政府はしているが、逆に言うと非常に怖いことが起きかねない。緊急法を使いながら厳しいことをやればやるほど泥沼化する可能性がある」
●検証!緊迫する香港デモ 米国の関与と狙い
香港デモについて聞く。

香港デモ “5つの要求”

・「逃亡犯条例」改正案撤回
・警察の「暴力」に関する独立調査委員会の設置
・デモを「暴動」とした定義の撤回
・逮捕されたデモ参加者の釈放
普通選挙実現
米国には1997年、香港返還に合わせて発効された香港に関税やビザ発給での優遇措置を認める「米国香港政策法」がある。
先月25日、米国上下両院の外交委員会は「香港人権民主主義法案」を可決。
「米国香港政策法」の優遇措置継続の是非を判断するため、香港自治の現状に関する年次報告作成を国務省に義務付けるもの。
今後、上下両院の本会議で可決され、トランプ大統領が署名すれば成立。
朱建榮、「政治活動は加減が大事。それを香港が分かっているか。北京が手を出さないのは、手を出すということは一部の過激派の罠。問題の根っこは香港自身にあるが、米国が利用しているのは間違いない」
佐藤正久、「大事なことは元々米国も日本も中国も、自由と基本的人権と法の支配を求めている。根本の価値観からして、今の香港は危うい。基本的な価値観ということに対してどうなのか。オバマ政権の時とトランプ政権が違うのは、オバマ政権は中国に寛容政策をとりすぎて、南シナ海の問題も知的財産権も騙されたと思っているため中国に対して厳しいものがある。今の香港の状況を真剣に見ていただきたい」
朱建榮、「そうであれば、サウジという国が記者を殺したり国内にも人権がない。それに対して共通の価値観をどうして適用しないのか」
佐藤正久、「米国も自国の国益を考えながら外交というのは現実と理想をどうやって合わせるかで動く」
●検証!緊迫する香港デモ 香港の重要性と存在感
米国の政策に対する中国外務省の発言について。
野嶋剛、「現状中国は経済的に外貨が不足している。為替が自由に取引できる香港を通じて調達する。香港という存在は中国にとって不可欠。米国の香港政策法に支えられている。習近平体制になってから締め付けが強まり、香港にも台湾にも強硬になっている。この法律の前提が変わってきている。米中がそれぞれの思惑があるのは当然。そういう大国の思惑を利用しなければ香港の思いは到達できない。台湾や日本にも言えるが、米国と中国の間でいかに自分たちの利益を最大化することを考えないといけない。香港の民主化を求める人達は米国の力を利用することがプラスになると思っている」
反町理、「香港のビジネス界を仕切っている人達から見たら、デモの人達はコマに過ぎないのか」
野嶋剛、「香港の財界の人達は基本的に親中派で懸念している。雨傘運動と違うのは逃亡犯条例に対して、エスタブリッシュメントなグループも反対している」
朱建榮、「香港の経済界は中国とうまくやりながら最大の利益をとってきた」
野嶋剛、「香港の人達が、物価が上がって貧しくなったからこのデモに参加しているというのは賛成できない。1人当たりGDPは日本より高い」
佐藤正久、「中国政府は人権を言われるのが嫌。自由や基本的人権、法の支配を全世界が注目している」
【提言】 「日本の対中外交かくあるべし」
佐藤正久 「関心+言うべき事は言う」
 日本政府は香港問題に関心を持っていることを発信すべきた。基本的人権についてもしっかり言うべきだ。
朱建榮 「アジアの繁栄・安定に共通の責任」
 日本は中国と共にリーダーとしてアジアの繁栄のために一緒に考えてほしい。
野嶋剛 「台湾、香港、人権も忘れずに」
 日本と中国が接近していくのは必然だ。だが、台湾、香港、人権については全部つながっている。日本はアジアの自由主義のリーダーとしてしっかり発信してほしい。
http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/index.html