じじぃの「歴史・思想_57_国連総会北朝鮮非難演説・安倍晋三」

North Korea launches short-range missiles into Sea of Japan

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=UlBtoawr4aY

安倍総理が国連で演説 ノーカット1(17/09/21)

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=4VrHngXeHP4

第72回国連総会における

安倍内閣総理大臣一般討論演説

A look at every North Korean missile test in 2017

May 3, 2019 ABC News
In February, North Korea successfully tested a land-based KN-15 missile, a new solid-fuel intermediate-range missile, which traveled 310 miles into the Sea of Japan.
https://abcnews.go.com/International/north-korean-missile-test-year/story?id=46592733

安倍首相がトランプ氏をノーベル平和賞に推薦か

2019.2.16 産経ニュース
トランプ米大統領は15日の記者会見で、安倍晋三首相から、トランプ氏をノーベル平和賞に推薦したとするノーベル賞委員会あての書簡の写しを受け取ったと述べた。
https://www.sankei.com/world/news/190216/wor1902160002-n1.html

安倍晋三の真実』

谷口智彦/著 悟空出版 2018年発行

渾身の「国連総会北朝鮮非難演説」 より

2018年6月12日のトランプ・金正恩会談に繋がる一連の流れの中、日本は「蚊帳の外」だったとする主張があります。反対に、トランプ大統領に近過ぎる、まるで忠犬ハチ公じゃないかと、そんな安倍批判もある。いずれもとことん的外れです。
2017年9月、安倍総理が国連総会一般討論演説で読み上げたスピーチが、始まりから終わりまで、徹頭徹尾北朝鮮の出方に注意を促したもの、先鋭な危機意識に満ちた極めて警告的なものだったことを、想起していただきたく思います。
同演説で、「私は、私の討論をただ一点、北朝鮮に関して集中せざるを得ません」と言って切り出した安倍総理は、こう続けます。外交演説として異例の調子でした。
  9月3日、北朝鮮は核実験を強行した。それが水爆の爆発だったかはともかく、規模は前例をはるかに上回った。前後し、8月29日、次いで、北朝鮮を制裁するため安保理が通した「決議2375」のインクも乾かぬうち、9月15日に北朝鮮はミサイルを発射した。いずれも日本上空を通過させ、航続距離を見せつけるものだった。
  脅威はかつてなく重大です。眼前に差し迫ったものです。
  われわれが営々続けてきた軍縮の努力を北朝鮮は一笑に付そうとしている。不拡散体制は、その史上最も確信的な破壊者によって深刻な打撃を受けようとしている。
  議長、同僚の皆様、このたびの危機は、独裁者の誰彼が大量破壊兵器を手に入れようとするたび、われわれがくぐってきたものと質において、次元の異なるものです。北朝鮮核兵器は水爆になったか、なろうとしている。その運搬手段は早晩、大陸間弾道ミサイルICBM)になるだろう。冷戦が終わって20有余年、われわれは、この間、どこの独裁者にここまで放恣(ほうし)にさせたでしょう。北朝鮮にだけは、われわれは結果として許してしまった。
  それはわれわれの目の前の現実です。かつ、これをもたらしたのは「対話」の不足では断じてありません。
     ・
  KEDO創設メンバーだった日米韓3国に、北朝鮮と中国、ロシアを加えた6者会合が始まります。2003年8月でした。
  その後、2年、曲折の後、2005年の夏から秋にかけ、6者は1度合意に達し、声明を出すに至ります。北朝鮮は、全ての核兵器、既存の核計画を放棄することと、核拡散防止条約(NPT)と、IAEAの保障措置に復帰することを約束した。
  そのさらに2年後、2007年の2月、共同声明の実施に向け、6者がそれぞれ何をすべきかに関し、合意がまとまります。
  北朝鮮に入ったIAEAの査察団は寧辺(ヨョンビョン)にあった核関連施設の閉鎖を確認、その見返りとして北朝鮮重油を受け取るに至るのです。
  一連の過程は、今度こそ粘り強く対話を続けたことが、北朝鮮に、行動を改めさせた、そう思わせました。
  実際はどうだったか。6者会合の傍ら、北朝鮮は2005年2月、「われわれは、既に核保有国だ」と、一方的に宣言した。さらに2006年の10月、第1回の核実験を、公然、実施した。2度目の核実験は2009年。結局北朝鮮はこの年、「再び絶対に参加しない」と述べた上、6者会合からの脱退を表明します。
  しかもこの頃には弾道ミサイルの発射を繰り返し行うようになっていた。
  議長、同僚の皆さま、国際社会は北朝鮮に対し、1994年からの10有余年、最初は枠組み合意、次には6者会合によりながら、辛抱強く、対話の努力を続けたのであります。
  しかし、われわれが思い知ったのは、対話が続いた間、北朝鮮は核、ミサイルの開発を諦めるつもりなど、まるで持ち合わせていなかったということであります。
  対話とは、北朝鮮にとって、われわれを欺き、時間を稼ぐため、むしろ最良の手段だった。
  何よりそれを次の事実が証明します。すなわち1994年、北朝鮮核兵器はなく、弾道ミサイルの技術も成熟にほど遠かった。それが今、水爆と、ICBMを手に入れようとしているのです。
  対話による問題解決の試みは、一再ならず、無に帰した。何の成算あって、われわれは3度、同じ過ちを繰り返そうというのでしょう。北朝鮮に全ての核、弾道ミサイル計画を、完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な方法で放棄させなくてはなりません。そのため必要なのは、対話ではない。圧力なのです。
このあと演説は「横田めぐみという、13歳の少女が、北朝鮮に拉致されて、本年11月15日、ついに40年を迎えます。めぐみさん始め、多くの日本人が、いまだに北朝鮮に、拉致されたままです」と続くのですが、この演説は、北朝鮮のとってきた行動について生き字引のように、すべてを曇りなく記憶している安倍総理が、トランプ大統領に、そして国際社会に、強い確信のもと、危機意識の共有を求めたものでした。