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VRのアバターが現実の行動にも影響する
2017/05/08 VR Inside
VRを使う場合であってもそうでなくても、ゲームをすることでプレイヤーの感情は動く。積極的に物語に関わっていく主人公の役を演じることで、ユーザ自身の積極性や自己肯定感・自己効力感が増すという研究もある。
自分に似せたリアルなアバターの方がその傾向は強まるが、たとえ現実と全く違う世界を舞台に人間以外のキャラクターを操作する場合でも、プレイヤーはキャラクターの性質から影響を受けるようだ。
こうした現象はプロテウス効果と呼ばれている。これは、姿を変える能力を持つギリシア神話の海神プロテウス(プローテウス)に因んだ名だ。
https://vrinside.jp/news/vr-avatar-change-behavior-in-real-life/
『トコトンやさしいVRの本』
廣瀬通孝/監修、東京大学バーチャルリアリティ教育研究センター/編 日刊工業社 2019年発行
VR空間で別の身体を手に入れるとどうなる? アバタと身体所有感
身体の一部(手など)や全身の動きをトラッキングし再現することで、VR空間内に自分の分身となるアバタを作れます。バーチャルな世界に没入したユーザーは、自分の本物の腕があるはずの位置に存在するバーチャルな腕を動かしたり、バーチャルな鏡に映し出された自分のアバタの姿を見たりするうちに、バーチャルな身体があたかも自分自身の身体であるかのように錯覚します。こうした感覚は、専門用語で「身体所有感(Sense of Body Ownership)」と呼ばれています。
この錯覚の効果は、アバタの見た目が自分自身に似ているほど大きくなりますが、年齢や性別、人種などの異なる人間や、キャラクターなどに対しても身体所有感は生じます。このため、現実の人間には存在しない器官や能力を持った身体を手に入れることも7可能です。さらには腕を増やしたり、尻尾を生やしたりするなど、現実世界には存在しない身体を手に入れることも可能です。このような現象は、遠隔地の分身ロボットをあたかも自分自身であるかのように操作するための技術や、リハビリなどへの応用が期待されています。
近年では、VRで本来の自分と異なる身体を手に入れることで、身体だけでなく心にも影響があることが徐々に示されてきています。例えば、人は知らず知らずのうちにアバタに外見に合われて振る舞うようになることがわかっています。