詩人 尹東柱
(library.rikkyo.ac.jp HP より)
尹東柱(Yun Tongju)
コトバンク
生 1917.12.30 満州、北間島明東 ー 没 1945.2.16 福岡
朝鮮の詩人。
幼名、海煥。延禧専門学校を経て渡日、同志社大学英文科在学中、独立運動を理由に日本警察に逮捕され、福岡刑務所で獄死。解放後の 1948年、文友の手によって遺稿詩集『空と風と星と詩』が刊行された。作品は、孤高のうちに激しい抵抗意識をみせる一方、自己犠牲的人間愛に満ちた清純な抒情詩がほとんどである。植民地知識人の気高く繊細な自意識を最も清く形象化した詩人であり、40年代前期、すなわち日本の極端な弾圧のもとで、一切の文学活動が許されなかった朝鮮文学の空白期を飾る珠玉のような存在である。代表作は『星かぞえる夜』『序詩』『十字架』『自画像』など。
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空と風と星と詩 : 尹東柱全詩集
尹東柱 [著]、尹一柱 編、伊吹郷 訳
1984年 尹東柱全詩集『空と風と星と詩』(伊吹郷訳、記録社)。
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001717112-00
こころの時代~宗教・人生~ 「詩人 尹東柱を読み継ぐ人びと」
2019年2月10日 NHK Eテレ
【出演】井田泉(日本聖公会奈良基督教会 牧師・司祭)、水野直樹(京都大学 名誉教授)
尹東柱(ユン ドンジュ)は、韓国人なら誰でも知っている詩人。
日本の植民地支配下で、自らの母語、朝鮮語で詩を書き続けた。日本の大学で学んでいたとき、治安維持法違反容疑で逮捕され、1945年2月16日、福岡刑務所で獄死した。27歳だった。
番組では、尹東柱の詩を読み継ぐ人たちを、日本各地に訪ね、詩人の足跡をたどる。それぞれに詩を読み解くことで、厳しい時代を、誠実に生きた詩人の深い心のうちに触れる。
「星を数える夜」
季節の移りゆく空は
いま 秋たけなわです。
わたしはなんの憂愁もなく
秋の星々をひとつ残らずかぞえられそうです。
胸に ひとつ ふたつと 刻まれる星を
今すべてかぞえきれないのは
すぐに朝がくるからで、
明日の夜が残っているからで、
まだわたしの青春が終わっていないからです。
星ひとつに 追憶と
星ひとつに 愛と
星ひとつに 寂しさと
星ひとつに 憧れと
星ひとつに 詩と
星ひとつに 母さん、母さん、
母さん、わたしは星ひとつに美しい言葉をひとつずつ唱えてみます。
「序詩」
死ぬ日まで空を仰ぎ
一点の恥辱なきことを、
葉あいにそよぐ風にも
わたしは心痛んだ。
星をうたう心で
生きとし生けるものをいとおしまねば
そしてわたしに与えられた道を
歩みゆかねば。
今宵も星が風に吹き晒らされる。
http://www4.nhk.or.jp/kokoro/x/2019-02-10/31/28234/2008327/