じじぃの「科学・芸術_658_宗教・文明の衝突」

2014 Rey Ty Huntington's Clash of Civilization? vs. Fukuyama's End of History? 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=H8WCzNqkkP0

文明の衝突を簡単に説明してください  2011/3/27 Yahoo!知恵袋
回答
ハンチントンは、トインビーを参照しながら文明を以下のように分けました。
① 西洋文明(アメリカ+西洋+オーストラリア)
イスラム文明(中東+北アフリカ
中国文明
④ 日本文明
⑤ インド文明
ラテンアメリカ文明(西洋文明と近い)
⑦ アフリカ文明
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1358766498
『人類はどこへ行くのか (興亡の世界史)』 杉山正明、大塚柳太郎、福井憲彦/著 講談社 2009年発行
「宗教」は人類に何をもたらしたか より
明治維新以来、日本人の精神的支柱をなしてきたのは国家神道であった。それが敗戦後の日本を統治した連合国軍総司令部GHQ)によって禁止され、日本政府は政教分離を徹底するよう迫られた。このことは、すでに敗戦によって精神的虚脱感に襲われていた大半の日本人をいっそう虚無感に追いやった。日本人の宗教観の喪失は決定的であった。むろん、人々はこうした状態から立ち直ろうとさまざまな道を模索した。ところが、とりわけ知識人たちのあいだで支配的となったのは、これまでの国家神道への反動からか、宗教は否定されるべきものとする考え方であった。
これに拍車をかける形になったのが憲法で規定された、国家および公的機関による宗教教育の否定で、条文の法解釈は宗教そのものを否定しているかのような誤解を生むことになった。宗教は古臭いものとなり、自分は無宗教だと誇らしげに標榜する知識人が多かった。だが、知識人がすべての日本人を代表しているわけではなかった。戦後にいわゆる新興宗教が続々と生まれたことは、心の救いを求める人々が如何に多かったかを示している。
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今やイスラーム教徒は世界に13億人ともいわれる膨大な人数にふくれあがった。世界の人口のうち、4人に1人はイスラーム教徒である。しかも現代の地球上fでは、かつてのようなキリスト教圏とかイスラーム圏とかの棲み分けの区別がなくなり、アメリカやヨーロッパのようなキリスト教圏にも多数のイスラーム教徒が住んでいる。
たとえば、フランスにはイスラーム教徒が多く住んでいるが、その人口は500万人に達し、フランスの人口のうち11パーセントを占めるに至っている。しかもイスラーム教徒はフランス社会に同化せず、集団的自己主張の傾向が強く、独自の社会を構成するとされる。出生率も高い。元来はキリスト教であるフランス社会のなかに、イスラーム教徒としての生活習慣を持ち込むことから、しばしば軋轢(あつれき)が生じている。
このように複雑かつ巨大化した宗教集団を形成するうえで、イスラームが果たした役割は大きいものがあるに違いないが、その宗教としての真義を把握するのは容易なことではない。そのうえ、1989年のベルリンの壁崩壊後、東西冷戦構造が解消したことから、世界の未来についての新たな不安と期待が沸き起こった。それを受けてか、21世紀は冷戦構造の代替として、宗教と政治が複雑に絡み合った文明の衝突の時代に入ると予測する学者がアメリカに現れた。コロンビア大学のハンティントン教授で、その著書が出版されたのは1996年である。彼のいう文明には宗教が大きな要素を占めている。
2001年9月11日、アメリカに起こった同時多発テロアメリカ人に衝撃を与えた。米国大統領は「文明を取るかテロを取るか」と世界に迫り、アフガニスタン空爆、さらにはイラク戦争へと雪崩を打つかのように武力制圧を試み、これに世界の多くの国が巻き込まれた。アメリカ大統領の脳裏にあったテロとは、イスラーム文明のことだったのだろう。ハンティントン教授の予測どおりのことが起こったとアメリカ人は考え、世界の多くの人も「文明間の対立」という構図が顕わになったと理解した。