じじぃの「ジャワ島沖の大地震・津波のトラウマ!ヒトは人のはじまり」

tsunami at 2006 動画 Youtube
https://www.youtube.com/watch?v=cNUesmwAiYw
The tsunami swept through Pangandaran (2006)

アングル:「希望ない」、支援を待つインドネシア地震の被災者 2018年8月9日 ロイター
剥がれ落ちてくるタイルや割れたガラスをよけて自宅から逃げ出した直後、インドネシアの農家ハジ・ルスランさんとその家族が住んでいた家は倒壊した。ルスランさんらは、家の反対側からその様子を見つめていた。
ルスランさんと家族は無事だったが、5日発生したマグニチュード(M)6.9の地震により、地区では住民40人が死亡した。政府の支援が届くのを待っているルスランさんらには、生き延びて幸運だったと感じる余裕はない。
https://jp.reuters.com/article/indonesia-quake-damage-idJPKBN1KU0DO
『ヒトは人のはじまり』 三谷雅純/著 毎日新聞社 2011年発行
スマトラの旅、ジャワの旅 より
2008年に行ったインドネシアの調査では、ジャワ島のパンガンダランからはじめました。
2006年7月に起きたジャワ島沖の大地震をおぼえているでしょうか? 大きな津波で、わたしが通っていたパンガンダランというところも、村じゅうが津波で流されました。その津波の前後を書きましょう。
パンガンダランは小さな島が砂洲でジャワ島本土とつながってできています。砂洲というのは、流れで砂が運ばれて積み上がった細長い堤のようなものです。その堤がジャワ島本土とかつてのパンガンダラン島を結んで、今のパンガンダランができあがったのです。
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パンガンダランは長い砂洲で本土とつながっているだけですから、津波の被害を防ぐ森や林がありません。その上、波は島を避けるように回り込みました。そのため、砂洲の上に建った建物は大きな波に襲われました。
島そのものに大きな波は来なかったということです。来ても水がかぶるぐらいで、木がなぎ倒されたという例は、少なくともわたしが見てまわった範囲ではありませんでした。
ただ何ヵ所か、砂洲とは質の異なる被害を受けていました。津波は2年前に起こったはずなのに、奇妙なことについ最近立ち枯れが起こったように見えるのです。
わたしの考えはこうです。砂浜に大きな被害をもたらした津波でしたが、自然保護区や公園は大きな被害を受けませんでした。その代わり、流れ込んだ海水は樹木にとって害となる塩分を森に持ち込んだのです。
その影響はゆっくりと表れ、じょじょに立ち枯れする木が出たのです。
公園には、以前はりっぱな熱帯樹林が続いていました。でも地形が低い、いかにも塩害が起りそうな場所からは、美しい木立は消え、雑草がのび放題になっていました。
2種いるサルの仲間――ルトンという木の葉ばかり食べるサルと、カニクイザルというニホンザルに近いサル――はどうなったかというと、ルトンはまるで津波など知らないというふうでめだった被害も受けなかったのですが、カニクイザルは半数以下に減っていました。
津波の後、観光客が公園に来なくなり、人のくれるエサに頼っていたカニクイザルは公園を出て、市街地をさまよったのです。公園を出たやっかい者のカニクイザルは、駆除されてしまったということです。ところが、木の葉しか食べないルトンは、そのまま生き残ったのでした。
インドネシアでは、地震津波はいつでも起こっています。しかし、カニクイザルの駆除は人間の生活に関係したことです。野生動物が餌付けされて、エサが不足し、やがては駆除されたのです。どこかで聞いた話ではありませんか。

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じじぃの日記。
全世界でマグニチュード5.0以上の地震は、日本周辺で10%発生しているのだそうだ。
地震の頻度で見ると、インドネシアは日本と同じくらい発生している。
三谷雅純著『ヒトは人のはじまり』にインドネシア・ジャワ島の地震のことが書かれていた。
地震津波の被害で1番困るのは水が汚染されコレラマラリアが出ること。そして精神的なトラウマなのだそうだ。
父や母、兄弟、姉妹、わが子が、目の前で津波に飲みこまれたことは、一生抱えなければならない心の病気だと書かれていた。
日本でも近い将来、南海トラフの大地震があるらしい。
日本人とインドネシア人は精神的に同じ病を抱えているような気がする。